第7話
めちゃくちゃ間開きました(^ω^;)
リュウキとエルマールは演習準備を整え、街から少し歩いた森に来ていた。
そう、今日が初めての実戦を行う日なのだ
「この森に魔物が… 」
先日は魔法での戦闘にワクワクしていたのだが、実のところ現在では緊張に震えて絶賛脚ブル中だった
「はい。今回は初の実戦と言うことで、出現する魔物のランクが低い場所を選びました」
「そ、そうだったな」
エルマールの言う通りで、魔物にはその個体の強さからランク付けされている
先日の授業で習っていたことだったが、今のリュウキにはそんなことを思い出す余裕などなかった
「私もサポートとして戦闘に参加しますので、緊張なさらずにいつも通りにしていただければいいですよ?」
エルマールは、脚ブルしてるリュウキに微笑みながら優しい言葉をかけてくれた
(そ、そうだよな。 たかが低ランクの魔物に勇者が怯えてどうするってんだ。)
ヨシッ!と気持ちを切り替えたリュウキ
そんな話をしていると、森の奥の方から音が近づいてきた
「来ました! リュウキさん構えてください!」
「わ、わかった!」
二人揃って武器を構えた直後、森を抜けて出てきた影が姿を見せる
「ガァルルルルルッ 」
出てきたのは、元の世界では考えられない漆黒の体毛に覆われ、牙が発達した狼のような魔物だった。
森から出て直後、赤黒くギラつく眼がこちらをに向け睨みつけ威嚇している
「こ、これが魔物… 」
生唾を飲み込む音が、やけに響いている様な気がする。
静かになった世界に動きがあった
「ガァアアッ!! 」
狼型の魔物がリュウキに襲いかかって来たのだ
「ッッう__!!?」
緊張のせいか反応が少し遅れたリュウキは、あらかじめ武器化していたグラム・ケイオンで、飛びかかってきた魔物を払い除ける
「リュウキさん! 」
エルマールが攻撃されたリュウキの名前を呼ぶ
「こちとら実戦経験無くて、ガクブルしてんのにいきなり襲ってきやがるとはッ_ 」
リュウキは、今までの不良達などから受けた暴力が、赤子の遊戯のようなものだった、と思わされるほどの殺気を魔物から感じて冷や汗を流す。
再度リュウキに襲いかかろうとしていた魔物に、エルマールが魔法を行使して攻撃した
地面が隆起して柱のような岩の塊が何本か飛び出てきた
それを魔物は察知したのか、後方に飛び退いたが、しかし魔法は魔物の胴体を掠め血が流れる
「リュウキさん! 大丈夫です。落ち着いてください!」
「あ、ああそうだな…… よし、やってやる!!」
エルマールの言葉で我を取り戻したリュウキが気合いを入れ直す
今までこのような命のやり取りとは無縁の世界から突然やって来たのだから、緊張も無理はないことだ。
しかし、人間「郷に入っては郷に従え」という言葉があるようにそんな環境に入ってしまえばなるようになる!と考え剣を振りかざすリュウキ
「おりゃー!」
「ガァッ………」
振りかざした剣で狼型の魔物を縦に両断した。
魔物は動かなくなった。即死だったようだ
「大丈夫ですか、リュウキさん?」
「ああ、大丈夫だよ」
(結構あっさりいったけど、この感触はなかなか慣れそうにないな……)
やってみればあっさり終わった初戦闘。
だが、これから先のことを考えて少し憂鬱になったリュウキであった