第2話
今回はリュウキの力の一端を紹介する形です
まだ説明が多いと思いますが、お付き合いどうぞよろしくお願いします
場所は移動し、同じ建物内にある十人程で囲める丸机のある部屋へ移動した。
そこに先程の少女を入れ、数名とリュウキが腰を下ろしていた
「じゃあまず、アンタの名前を教えてくれないか?」
「あっ、俺の名前はリュウキだ。 宜しく」
先程、話しかけてきた少女にそう言った
「勇者・リュウキ様ですね。 私の名はエルマールと申します。」
「エルマールね、 宜しくエルマールさん」
まずは、一人だけでも名前を覚え
「エルマールさん、俺を呼ぶに至った経緯を教えてくれないか?」
「はい。 それには、まずこの世界の成り立ちから順を追って説明します」
エルマールが一礼をした後に説明を始めた
「この世界は大きく分けて、人族と魔族がいます。 そして私達は人族に分類されます。」
「人族や魔族と分けていますが、その中にも様々な種族が存在します。
そして現在、私達人族は悪しき魔族により侵攻を受けているのです」
「私達人族は魔族よりも戦闘力において劣っている為、常に劣勢を強いられて来ました。
そんな中でも被害を抑え耐え忍んでなんとかやっていました。」
「ですが近年、悪しき者達の侵攻の勢いが増し、このままでは我々が滅びるのも時間の問題となりました…」
「そこで古来より伝えられていた、女神に選ばれた異世界の勇者が人族を危機から救うという伝説にすがる他なく召喚させて頂いた、というのが大まかな説明です。」
「分かりやすい説明をありがとう、エルマールさん」
「それはありがとうございます」
「で、俺がその勇者ってことなのか。 でもすまないが俺は戦闘スキルは軒並みダメなんだが」
ここで元居た世界でのことを思い出し伝えた
「それは大丈夫だと思いますよ? 勇者は女神より、大いなる力を賜ると伝えられているので」
ファンタジーものでよく見る、力が! などと言う感じもなかったのだが
「そんな実感は、これっぽっちも感じないんけどな…」
「確か勇者は体のどこかに紋章が刻まれ、それが力を賜った印だと聞きましたが」
「え? そんなもんあるのか?」
そう言われ自分の身体をぐるりと見渡していくと
「あっ、これが…」
紋章らしきものがあったのは自分の左胸、心臓付近だった
「はい、そちらで間違い無いかと。 文献の紋章と一致します。」
その今まで見たことのないものだった
「で、これがあったら魔法とか剣術が使えるってのか?」
アニメなどで良くある事を思い出し、キラキラと目を光らせながら笑みを浮かべつつ聞いてみた
「そのようですね」
すると、正解だとエルマールが返事をする
「マジで使えるのかよ…」
今まで力がない事で無力感があったリュウキにとっては、ものすごく充足感のある言葉だった
ですが、と先程の回答に付け加えるように
「使えはするのですが、ある程度の稽古や勉強、慣れが必要とされるようです」
「じゃあ、今はなにも出来ないってことなのか?」
「いいえ、今の状態でもイメージさえできれば魔法や剣術を使える筈です」
そんな素晴らしい話を聞くと実際どんなものなのか試してみたくなるもので
「試して見てもいいか??」
逸る気持ちが抑えきれずに聞いてみた
「私達も貴方の力を是非見て見たいので、場所を移動して試してみましょう」
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ということで場所は変わり、俺が召喚された石造りの建物を出て少し歩いたところにある草原へと来ていた
あと、先程いた建物は外から見ると、元の世界でいうところの洋風の教会と同じような作りをしていたようだった
どうやらこの世界は、元いた世界で言うヨーロッパみたいな文化に似たものが根付いているようだ
日本人の偏見かも知らないが、、、
「お~ なんだか壮大な感じがするよ…」
草原を眺めて一言目に漏れたその言葉には、異世界初の外の風景に対する感嘆と憧れが含まれていた
「ここならば魔術を使っても大丈夫です。
ですが、あまり周りに影響が出るような魔術は避けてください。」
草原まで案内してくれた、エルマールと老人方がそのように告げた
「ああ、俺もよく分からないからな。
最初は慣らしていきたいと思ってるよ」
ワクワクしながらも、未知の│モノ《魔法》に対する不安感はあるので慎重にするつもりだった
「では、私がレクチャーしますね」
「よろしくお願いします!」
ということで魔法練習の開始だ
「まず、体の中と外のマナと言われる力を感じ取ります。
マナとは生命エネルギーのようなものなので、目をつぶり集中すれば誰でも感じられる筈です」
まさに、ファンタジー的なことを教えてくれたので実践してみる
(おっ、おお なんか暖かくて包み込まれるような……)
「このなんだか暖かい感じのするのが、マナってやつなのか?」
「そうです、そのマナを自分のイメージした形に形成して実態を持たせてください。」
「どんな形でもいいのか?」
「はい。自分がイメージしやすい形と効果を浮かべることができればなんでもいいです」
(じゃあまずはこんな感じで……)
リュウキはイメージしやすい炎の塊をイメージしていく
(こんな感じでギュッと圧縮して……)
イメージをしていくのに対して、リュウキの手には自分の顔よりもも大きな炎の塊が形になってきている。
「こ、これは……!」
側に居たエルマール立ちから驚愕の声が聞こえてきたが、リュウキは気にせずイメージを完成させた
「おおっ!! これが魔法ってやつなのか!」
自分の手に炎があるにも関わらず、熱が自分に伝わって来ないのもまた不思議なことだった
「まさか初めてでここまでの魔法を使えるとは…
リュウキさんその炎を空に向けて放ってください」
「了解!」
リュウキは言わてた通りに炎を空に向けて放つイメージをした
「いけっ!」
そして放った。
炎の塊は空高くまで上り、
ドガァァァァァンーーー
爆散し、元の世界の夏の風物詩
「見たか! コレが魔法による花火だ!!」
最初からイメージしたのは、花火のように爆発して綺麗に散っていく炎の塊だったのだ
「凄いです。 流石は勇者様です……」
エルマールは感動した様な目で空を眺め、
その周りの老人達は呆気にとられたような顔のまま、空を眺めていた
「魔法ってのはイメージさえ出来れば色々とやれそうだな」
初の魔法を発動させて興奮冷めやらないリュウキは、今後の出来事に期待を積もらせていった
次回もまた説明とリュウキのステイタス的なものについて書く予定です!