第1話
この話はとある世界で平凡な日常を送る者達が突然訪れた日常と非日常が入り交じった世界で紡ぎ出す物語である。
「お疲れ様でした~」
赤羽竜輝はバイトを終えて帰路についた。
「あ~ 今日も働いたな~ 」
彼は今フリーターとして暮らしている
「今日の晩飯は何にしようか… ん? 」
取り留めのないことを考えながら歩いていると路地裏の方から声が聞こえた
「や、やめて! 誰か助けて! 」
「ハッハッハ! うるせーんだよバカが! 」
「てめーが俺らにぶつかったから、レイギってもんをおしえてやってんだろーがよ」
そこでは、漫画などでよく見る路地裏での出来事が起こっていた。
「そんなっ!? 僕はッ… 」
「口答えするんじゃねーよ!! 」
そう言い不良が男の胸ぐらを掴み、腕を振り上げた時
「なにやってんだよ! 」
リュウキは堪えきれずに声を荒らげて男達のいるところに飛び出した
「た、助けて!!」
「誰だテメー? 何の用だよ?」
「二人で寄ってたかって、みっともねえことしてんじゃねー!」
「テメーに関係あんのか? ア゛ァン?」
凄む不良達が胸ぐらを掴んでいた手を離しこちらを振り向いた
「関係はないが、寄って集ってこんな事してる奴は許せねぇ!」
「はぁ? テメェ何様だ?」
「テメーから片付けてヤローか?」
不良達がリュウキの方へ近づき、腕を振り上げようとした時
「うっ、 ウワァァーー!」
不良の手から開放されていた男が、バタバタと逃げ出した
「オイ! テメェ待ちやがれ!」
「テメェーのせいで逃げられたじゃねえか! どう落とし前つけんだァ?」
リュウキは一人取り残され、不良二人と対峙していた
「こーなったらテメーに責任取ってもらおーか?」
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「ーーツッ!」
「雑魚のくせにでしゃばってんじゃねーよ」
「あー なんかシラケちまった、いこーぜ」
不良にボコボコにされたリュウキは壁にもたれかかっており、それを背に不良達は去っていく
「痛てー…」
ボロボロになった体を起こし、再度帰路についた。 するとそこに人影が近づいてきて
「うわっ、なんでそんなにボロボロなんだ? リュウキ」
「あ、クーヤか。 いやちょっとな…」
現れたのはリュウキの友達、黒峰暗夜だった
「ひょっとして、またいつものアレか?」
「いつものって、 まあ間違ってないけど」
彼とは小学校以来の仲で、一番の親友だ
「今回も酷くやられたみたいだな」
「それこそいつものことだよ」
「確かに、正義感は有っても救うための力は無いからな」
「やかましい」
二人は冗談混じりの会話を弾ませる
「ここじゃなんだから、どこか店に入るか」
「そうだな、丁度晩飯のことを考えてたんだった」
二人は近くのファミレスに入り、飯を食べながら雑談を続けた
「しかし、なんだってそんなに人の為にそんなボロボロになれるんだ?」
「そりゃー、困ってたら助けるのは当たり前だろ?」
「そう言えるのが凄いんだよ」
二人はそこから過去のリュウキ譚を交えながら話を続けた
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「じゃあまたな。 今日はもう真っ直ぐ帰るんだぞ」
「お前は俺の保護者かよ、 またな」
話を終えた二人は店を出て帰路についていた
リュウキはその後言われた通り真っ直ぐに家に帰ってきた
「ただいま」
一人暮らしの家に帰宅を知らせ、畳の上に大の字になった
ボーッとしながら今日あった事を回想する
「俺にもアイツらを抑えるだけの力があればな…」
自分が正しいと思ったことをしても、今日のような失敗ばかりだと思い悩むばかりだ
(…げる、、)
「ん? なんか聞こえたような…?」
頭の中で声が聞こえた
(授けてあげる…)
(来なさい、コッチへ)
頭に声が響いた時、床が激しく光り輝いた
「なんなんだこれ!?」
瞬く間に光に包まれ、浮遊感のようなものがリュウキを襲う
(貴方に力を与えるわ)
光の中からボヤけた影が話しかけてくる
「力? いったいどういうことなんだ?」
(力は力だよ。 ただし条件が有る)
「よくわからないんだが…?」
(後にわかることだ。 それで条件だが、)
「はっ、はぁ… 」
(お前には、とある世界を救ってもらう)
「世界を、救う? イマイチ話がわからないんだが?」
(まあまあ、とりあえず頑張って救って来い!)
その言葉を最後に周囲の光が激しくなった
「ちょっ、待てよ!? もう少しくらい説明をッ… 」
そこで視界から全てが消失し、意識が途切れた。
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「んっ、んん… ここは?」
意識が戻ったリュウキは周囲を見渡す
そこには見覚えの無い石造りの床や壁があり、さらに自分の周りには人集りが出来ていた。
「この状況は…?」
リュウキが体を起こした途端、人集りがザワザワとしだして
「おお!成功したのか!」 「これが伝説の…」
「素晴らしい!」 「見た目は普通だな」
と口々によく分からない事を言い続けているが、それはリュウキには言葉として聞き取れなかった
「まさかここが、あの影が言っていた異世界…」
「お待ちしてました、勇者様」
人集りの中からリュウキの方へ、歩いてくる少女が話しかけてきた
「勇者? 俺が?」
「はい。 貴方は選定により選ばれた異世界の勇者様です」
「まだ話が理解出来ないが、大体の流れは掴んで来たぞ…」
困惑しつつも先程の光の中で、あの影が言っていた大雑把な言葉と繋げ大まかな事情を思い浮かべた
「突然ですが勇者様、我々を悪しき者より救っていただけないでしょうか?」
本当に突然の事だったが影が言っていたこともあるしなにより、異世界召喚ってものに燃えてるリュウキはこう続けた
「とりあえず話を聞かせてくれ」
最初の方は説明口調?が多いも思いますがちゃんとバトル場面とかも書いていきますので長い目でよろしくお願いします!