少女の物語の始まりはっ?!(2)
「これはちょっと~、厳しいかな~。」
後ろを確認しなくても、魔獣の雄叫びが聞こえる。
『誰か~!…』
また、なぞの助けを求める声が聞こえる。
「はぁはぁ、頑張らなくちゃ。」
息を切らしながらも全力で走る。
(もう直ぐ助けるから、待ってて。)
声のする方へ走っていると、ひっそりとした洞窟らしき入口を見つける。
(あそこか!)
「ガゥゥッ!」
「んっ!、あと少しなのに、こうなったら!」
段々近づいてきた熊の魔獣に焦りながらも、勇気を出して勢いよく小さな洞窟の入口に飛び込む。
ガツン!
熊の魔獣は洞窟の入口に阻まれ、入ってこれない。
そのことに安心すると、また声が聞こえる。
「そうだ!、いそがなくちゃ。」
声は、どんどん泣きそうになっている。エリンは、少し慌てながらも安心させるように叫び返す。
「誰かいるのですか~!、わたしはとっても親切なのですよ~!」
(んっ?この言い方逆に怪しいじゃ?)
そう思い慌てていると。
『すまない!、俺はここだ!。』
「分かりました!。ちょっと待っててくださいね~!。」
返事が聞こえてきたので少し安心しながら、急いで向かう。
なんと、そこにいたのは(?)剣だった。
「え、えっと~あなたがわたしを呼んだのですか~?。」
『あ、あ、そうだ俺が呼んだんだすまないけれど俺をここから抜いてくれないか?』
よくわからないけれど、わたしを呼んだのはこの人、いや、剣らしい。
(頑張ってここまで来たんだから、助けなくちゃ!)
驚きながらも、そう気合いを入れ直す。
「任せてください!」
わたしはさっそく抜くこうと、柄を持ち思いっきり引っ張る。
しかし、いっこうに抜けそうにない、さらに力を加える。
すると、
「バキリ、バキバキ、バキッ」
そんな音と共に剣が岩ごと抜けた。
『…な、』
抜かれた剣が驚いた声を挙げる。
そんなに驚く事だろうか?
前はよくお祖父ちゃんが、逞しく育ってと、冷や汗を流しながら喜んでくれてた。
そのことを懐かしく思いながらも、抜けた事をつたえる。
「はぁはぁ、やったぁ!抜けましたよっ!。」
『あ、ありがとう。そういえば君の名は?』
そういえば、言って無かった。
「ああ~、申し遅れました~。ルクスっていいます。」
そう自己紹介をし、こちらも聞いて無い事に気付く。
「あっ、それであなたのお名前は?」
『ん、俺の名前?ああ、こっちも名乗って無かったな。俺の名は冬輝だ。』
トウキ、それが不思議な剣の名前だった。
『本当に助けてくれてありがとう。そのー、何か出来る事があるか?、お礼をしたいんだか。』
そこで大切な事があったのを思い出す。
「でしたら!、この洞窟の入口の辺りに居ると思う熊の魔獣から助けてはくれませんか!。」
そう、まだ大切な事が残っていた、熊の魔獣から助けてくれるように勢いよく頼み込む。
『よしっ、任せとけ!。』
助けを呼んでいた泣きそうな声ではなく、まるで英雄のようにトウキは自信だっぷりにそう答える。
第4話書けました、ついに、話しが進みます。
まあ、どこまで進むかわかりませんが。
またもや進まない予感!、しかし、この黒兎頑張りますよ。出来るだけ。
少し心配ですが、次回もお楽しみに。