99/110
あーあ、キミのせいだよ
何をやってるんだ。そう思ったものの顔色を変えず言葉にするのを耐えた自分は偉いと思う。公共の場所で起きている騒ぎにちらほらと野次馬が見える。今の所は自分もそうなのだが。
やっぱり関わらないと不味いよな・・・彼らを引き合わせたのは自分だし、気まずくなるのは嫌だし。
「はぁ・・・」
どうせあいつのだらしない下半身の所為だ。自分の幼馴染であるが、そこだけは全く賛同出来ない。
気が進まないが、そろそろ眺めてるだけじゃどうにもならないだろう。先程買ったホットドッグにたっぷりマスタードを塗る。自分はケチャップはあまり好きじゃない。かぶりついて気合を入れる。最後の一口を飲み込んで一歩を踏み出す。
「迷惑になるからそろそろ止めとけ」
声を掛けると二人の視線が自分に向く。野次馬達の視線も二人から三人に。本当に困った奴らだ。
「あーあ、キミのせいだよ」
キミが幼馴染だったからボクは巻き込まれる。
でも、それも悪くない。




