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短編集  作者: 如月瑠宮
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ヒーローになりたい少女とヒーローになってくれたおっさん

日常系の話を目指して。

 こんにちはと微笑みながら言うのは華奢な少女である。彼女の前には草臥れた様子のおっさんが居た。不釣り合いな二人である。彼らの繋がりは不明だ。

 おっさんは少女を見詰めた。その目は空虚だ。

 少女もおっさんを見詰めている。その目は輝いていた。


 対照的な二人には確かに繋がりがあるのだ。

 それは一月前の事。少女はヒーローに助けられた。少女はその美しい外見を周囲から妬まれ虐めを受けていた。耐え切れなくなった少女が逃げ出した先は寂れた公園のブランコである。キコキコと静かな公園に響く音を聞きながら泣いた。どうして、こんな目に合わなければいけないのか。少女は自分の外見を自覚している。だからこそ、それを磨く努力をしてきたのだ。それを責められたくなかった。

「悔しい・・・」

 ただの嫉妬だと大人は笑うだろう。それは少女が自殺でもしない限り笑われるのだ。冗談じゃないと彼女は思った。私の人生はそんなちっぽけなプライドで潰されて良いのか。私の未来は輝いているのに。

「やぁ、お嬢ちゃん」

 歯噛みする彼女に声を掛けたのがおっさんである。その様子は草臥れていて彼女は眉を顰めた。少女の失礼な態度にもおっさんは気にせず隣のブランコに座ったのだ。ギコギコと鳴るブランコはまるで可愛らしい少女を乗せている隣の同胞に嫉妬しているようであった。

「今日は良い日だ」

 おっさんね、自殺しようと思ってたんだよ。でもさ、こんな可愛らしいお嬢ちゃんを見れたから少しは幸せな気分を味わえた。あははと笑いながら告げる。君みたいな子を毎日見られたら良いのにね。その一言は彼女の未来へと道を照らす。


「私、デビューが決まったの」

 だから、毎日貴方のヒーローになるよ。

ファンタジーな話が多いので他のに挑戦したのですが難しい。

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