表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 如月瑠宮
93/110

オカエリナサイ

怖い感じの話を書いてみたかったので。

 キョロキョロと周囲を見渡す彼は必死な様でスマホを握り締めている。そのスマホは今まさに通知音を発している。彼はそれに一際怯えていた。怯える位なら止めたら良いのだが、何故かそれをしない。彼は何かを呟く。呟きは少しでも離れてしまえば聞こえない程の小さな声だ。しかし、彼は確かにごめんなさいと呟いている。

『ねぇ、まだ帰らないの?』

『ご飯出来てるよ』

『ねぇってば』

『返事してよ』

『ねぇ』

『まだ』『帰ら』『ない』『の』『?』

『ねぇ』『返事』『しな』『さ』『い』『よ』

『早く』『し』『て』

 彼はここ暫く自宅に帰っていない。だが、残念な事にとうとう泊めて貰える所も泊まれる程の資金も尽きた。もう帰らなければならない。もっと考えれば他の術もあるのだろうが、彼にはそれが出来る余裕は皆無だったのである。彼は帰宅する為にドアノブに触れた。

「オカエリナサイ」

 部屋は真っ暗だった。彼は思い出す。彼のスマホが握られている手とは反対の手に握られている物の存在を。

「あぁ・・・ただいま」

 もう聞こえない声の代わりに彼の声で紡がれた言葉に虚しく返事をする。

不完全燃焼な感じがひしひしとしてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ