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短編集  作者: 如月瑠宮
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ゾンビに溢れた世界で、アナタの身体と共に

「ゾンビに溢れた世界で、アンタの生首と共に」の別視点。

「あれ?」


 首の無い身体がうごうごしている。ちょっと気持ち悪いなと呟いてしまったが、相手である身体には聞こえていないと思う。耳無いからね。

 ここら辺はほんの少し前までゾンビで溢れていた。恐らく、ゾンビになってしまったは良いが首だけ何処かに行ってしまったのだろう。


「災難だね」


 放っておく訳にはいかない。この身体にとっても、私にとっても災難である。

 何とかして身体を車に載せる。重かったが暴れたりはしないから患者よりは楽だ。


 私は精神科病棟担当の看護師。こんな状況になってしまっても私の生活はさして変わらなかった。

 ゾンビと患者のどちらがマシかと考えてしまった事もある。初期のゾンビは兎も角、今はもうお願いを素直に聞いてくれるゾンビの方がマシに思えてしまう。

 この哀れな身体の持ち主を噛んだのは恐らく、治療薬や拮抗薬の開発に明け暮れていた頃の感染者だ。


「まぁ、探してあげる位はするから」


 頭はどうしているかな?

世界観が好きな作品なので、これ以上書いた時は別にしても良いような気がしてます。

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