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愛しの精霊姫にギフトを
妖精と騎士のお話。
恋に落ちるという感覚はこういうものなのか。人と違う生き物である彼女がそれを理解したのはその瞬間だった。彼女は目の前で傷付き倒れている騎士に恋をしたのだ。騎士は戦いの末に此処に辿り着いた。唯一の主を守り抜いて。
「・・・・・・」
彼女は精霊だ。人間の言葉は分からない。それでも、騎士の悲愴は感じ取れる。
「・・・・・・」
「君は・・・」
何を言っているかは分からない。だが、そうかもしれないという言葉は分かった。
「・・・・・・」
答えられない。その事実が彼女を悲しくさせる。彼女は祈った。どうか、この人に祝福を。
騎士は主の元に帰って英雄となった。
たまたま妖精の絵と騎士の絵を連続で見たので書いてみようと思いました。




