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分割払い
昔書いた話のワンシーン。
男性が真剣にショーケースを見ている。理由は想像出来る。微笑ましい。
ふと思い出したのは前の彼氏の事だ。彼は浮気性でどうしようもない人間だった。
この男性はどうだろう。真剣な眼差しは一途だ。それを贈る相手に一途なのかは分からない。
流石にキャッシュは無理だったようだ。分割でと言う声は優しげなものである。
良いな。こんな恋人が欲しかった。そう思う私に客から声が掛かる。
対応しながらチラリと男性を見る。
あぁ、幸せそうで胸焼けしちゃったわ。
没にした話の為、書いてた紙を捨てたのですがこのシーンは気に入っていて覚えてたので。




