60/110
私に愛を、
昔書いた物を蔵出し。
私の身体に触れる大きな手。私を慈しむ手だ。嘗て、この手に似た手が欲しかった。
「本当に君が手が好きだな」
えぇ・・・大好きよ。今はこの手が何よりも好きなの。そう答えれば貴方は優しく笑う。
「僕もだよ」
優しく囁く声は本当に甘い。
「でも、貴方は自分の手が大嫌いでしょう」
私が好きだと言うから。私が好きなのは嫌いだものね。
「安心して?私、貴方は大嫌いだから」
ねぇ、貴方は貴方が好きでしょう?
私は私が大嫌いなの。
だから、私に愛を頂戴。
手直ししたいですが中々時間がとれません。




