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カレンダー
ほのぼのな恋愛。
カレンダーを捲る指を見詰める。男の人のごつごつした手だ。私の家のカレンダーは日めくりで、それを捲るのは彼の習慣になっていた。私の家のなのに、可笑しい。でも、嫌じゃないの。
「今日・・・」
彼の手によって捲られたカレンダーの日付を見て呟く。今日は彼の誕生日だ。
「ん?」
「今日、約束」
「そうだね、したね」
穏やかな彼の声は眠くなる。しかし、ダメなのだ。今日は一緒に行く場所があるのだから。のっそりと起き上がると彼がぐちゃぐちゃになった私の髪を撫でた。
「ちょっと・・・」
更に酷い事になった髪に溜め息が漏れてしまう。
「大丈夫、可愛いよ」
「もう・・・」
貴方の両親に挨拶に行くのに何してんのよ。私の文句にも彼は笑う。
思ったよりも可愛い話を書けたと思ってます。




