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短編集  作者: 如月瑠宮
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妖精の国

妖精の出る話を書きたかった。

 妖精の国と呼ばれる国がありました。そこではとても愛らしい妖精が人々を守っています。


「ねぇ、幸せ?」


 妖精は人々に訊ねます。少女の姿をした妖精は人々の幸せを望んでいます。


「はい、幸せです」


 一人が答えると皆が同じ答えを返します。


 しかし、たった一人だけが違う答えを言いました。


「いいえ、不幸です」


 それはたった一人の少女でした。


 人々は少女を責めます。こんなにも妖精が自分達を幸せにしてくれているのに、なんて事を言うんだと。


 少女は答えます。


「妖精の幸せは私達の幸せじゃないんだよ」


 妖精の幸せはまだ妖精の許にはありません。

後味悪い話になった。

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