38/110
妖精の国
妖精の出る話を書きたかった。
妖精の国と呼ばれる国がありました。そこではとても愛らしい妖精が人々を守っています。
「ねぇ、幸せ?」
妖精は人々に訊ねます。少女の姿をした妖精は人々の幸せを望んでいます。
「はい、幸せです」
一人が答えると皆が同じ答えを返します。
しかし、たった一人だけが違う答えを言いました。
「いいえ、不幸です」
それはたった一人の少女でした。
人々は少女を責めます。こんなにも妖精が自分達を幸せにしてくれているのに、なんて事を言うんだと。
少女は答えます。
「妖精の幸せは私達の幸せじゃないんだよ」
妖精の幸せはまだ妖精の許にはありません。
後味悪い話になった。




