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小指を噛む
嫉妬話。
ああ、憎らしい。どうして、どうして・・・あの娘ばかり。
私の胸に広がるのは、嫉妬ばかり。
彼がその腕で抱きしめるのは、あの娘。彼が愛を囁くのも、あの娘。彼が、彼が、彼が、愛しているのは・・・あの娘。
何故、私ではないのだろう。
彼の傍に居たのは私だった。彼を支える為に努力したのも、私だった。
なのに・・・
彼が選ぶのは私では無かった。
ああ、憎らしい。
彼に選ばれたあの娘が。あの娘を選んだ彼が。
そして、選ばれなかった私が。
小指を噛んで、私は嫉妬に狂う。
不完全燃焼。




