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姉妹の橋姫
平安時代っぽく。
頭の中に響くのは叫び。
私は、その叫びが悲しかった。辛かった。守りたくなった。
ねぇ、貴女は私の妹よ?大切な私の乙姫。
寂しい。悲しい。苦しい。そんな思いで私は満たされていた。
涙も出せないでいた私を包んでくれたのは優しい温もり。私より少しだけ早く産まれただけなのに、私を抱き締めてくれていた。
ねぇ、姉様。姉様は私の姉様よね?
寂れた屋敷は手入れをされていた頃とは比べる事も出来ない。昔は綺麗に手入れされた此処で花見をしたものだ。
私達はこれから、この祖父が見付けた見事な桜のある屋敷で暮らす。不安を抱えながら。
そして、京中に噂が広がる。橋の近くにある寂れた屋敷に左大臣の二人の娘が住み始めた。その姫達は呪われていると・・・
和風の話を書きたいと思って・・・