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妖花 上
視点の違う続き物を書きたくなりまして。
生贄になるらしい。
花嫁になるらしい。
侍女になるらしい。
巫女になるらしい。
食事になるらしい。
奴隷になるらしい。
全て、きっと本当なのだろう。
生まれつき色素の薄い私の髪は真っ白だ。それを村の人達は嫌った。私を愛してくれたのはたった一人しかいない。そのたった一人が死んだ今、私を愛してくれる人はこの世にいないだろう。
母の墓標に山で摘んだ白い花を供える。きっと、これが最期の別れ。もう二度と来れない。
「・・・・・・」
何日喋っていないだろう。私と会話をしてくれる人はもう居ないから。でも、それは些細な事だった。誰かと会話なんてもうしない。
「・・・・・・」
私は明日、崖から飛び降りる。
声は出なかった。