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第一話 出会い

小説家になろうを見てて投稿したくなって投稿してみました。

多分誰も見ないので駄文でも問題ないよね!

ドン!


「?! ・・・」


俺は、どこかから落ちた衝撃で目を覚ます。

衝撃のせいなのか、寝起きだからなのか、視界に霞がかかっている。それになんだろう、妙に頭痛がするような・・・。

これも落ちた衝撃だろうか。

そんなことを考えていると時間の経過とともに視界にかかっていた霞が次第に晴れていくとまず小さな二つの丘が見えた。よくみると二つの丘の先端には突起があった。

よく見ようと目を凝らしながら頭をあげると・・・


ムニ・・・ 額に何かが当たった。


「いやん♪」


するとなぜだろう。

妙に愛嬌のある可愛らしい声で誰かがうれしそうに言った。

上げた頭をまた下におろすといつもの枕とは違う感触を後頭部に感じる。


(・・・なんだろう。畳?にしては硬い。フローリングにしてはざらつきがある。それに・・・)


とりあえず、頭を床に降ろし目線を二つの丘に戻す。

すると、丘の向こう側から人の顔が出てきた。それは可愛らしい少女の顔だった。


「ん?」


「おお、起きたか。」


間抜けな声をあげた俺に少女は感心したような顔でそういった。


(というか、こいつ裸じゃね?)


ようやく視界がクリアになる、ただ頭は寝ぼけているのか視界は晴れているがぼやけて頭で俺は少女が裸であることに気付いた。

今まで見ていた二つの丘とその先端の突起は少女の胸と乳首だったようだ。

少女は色白で胸はほのかに膨らみかけ、そしてその胸の中央には薄らとピンクがかった乳首がピンと立っていた。


「(女の子の裸か~・・・ こんな少女じゃなくてもっとバインボインのお姉さん系の裸が見たかったなぁ~)」


裸を見ても動じなかったのは何も経験豊富とか見慣れているとかじゃなく、基本的に物事に無関心で動じない性格だったのと夢でも見ているのだろうという気持ちがあったからだろう。

決して俺がおっぱい星人であることとお尻も大きい方が好みだということは関係ない。


(なんせ、昨日ベットに入って寝たところまではちゃんと記憶にあるからな・・・)


昨日一日の記憶を振り返って見るが、特におかしなことは何もなかった。

平凡な日常と平凡な毎日の繰り返しが頭の中で鮮明に再生される。


「お主いい度胸じゃのう。 このワシが裸体をあらわにしておるというのに見向きもせん上にもっとバインボインのおなごの方がいいとな・・・」


可愛らしい少女はそう言いながら顔をひきつらせつつ出来うる限りの笑みを浮かべていた。

どうやら、先ほど思っていたことが口から出ていたらしい。

眉間にしわが寄っているところを見ると相当起こっているのかもしれないが正直な感想なので放置することにした。


「うるさい。夢のくせに俺の願望通りの姿じゃないのが悪いんだ。」


「夢じゃないわい!!」


正直な感想を言ったはずなのにまた反論してきた。

しかも夢じゃないだなんて馬鹿げたことを言い出した。俺は少女がちょっと哀れに見えた。


「その顔は信じておらぬな? ならこうしてくれよう!」 ギュ


「いででで!!」


少女は俺の顔を見ておそらく俺の眼が少女を哀れんでいるのを感じたのだろう。

俺の鼻を摘んできた。

その攻撃は予想よりもずっと痛かった。


「ふふふん。 これで夢ではないと理解したな?」


少女は鼻をつまんでいた手を放して立ち上がり腰に両手を当てて仁王立ちし、俺を見下してそう言った。

立ち上がると少女の下半身があらわになる。

先ほどは額の真上にあったから見えなかったがどうやら下半身にも何もはいていないらしい。

所謂いわゆる全裸だった。

股間には毛がなく美しい筋が一本入っていた。


「どうじゃ、ワシの美しい裸体に欲情したか?」


少女はニッコリと笑いながらそう言った。

少女の笑顔は可愛らしく素敵だったが、言葉遣いと発言の内容でその可愛さは相殺されて俺の中で普通だった。


「残念ながら俺にロリ、ペドその他に該当する趣味はない。」


きっぱりとそう言いながら先ほど摘まれた鼻を右手で押さえながら体を起き上がらせると、そこには見たこともない景色があった。

枯れかけているのか、葉も実も何もついていない木に10m以上先は見渡せないほどの霧があたり一面に立ち込めていた。


「なんだ。これは・・・」


俺は唖然としながらも周囲を見渡す。

俺の倒れている場所を中心に長方形の形に柵が作られていた。

それはすべてを囲うのではなく足元の方角と右手側の一部に柵がなく、開け放たれていた。

おそらく、足元の方は柵の外に出るためで右手側の方はすぐ傍にある川に行きやすいように開け放たれているのであろう。

左後方には小さな小屋があった。おそらく彼女の家だろう。仙人だから質素な暮らしなのかもしれない。


「(そんな推測ができても、ここがどこでなぜこんなことになっているのかは全くわからんな・・・)」


周囲を見渡して状況を確認するが今までこんな辺鄙な場所には来たことがないし、そもそも霧に包まれるという体験自体が初めてで、そんな場所に言った記憶もなかったし、昨日の記憶は確かに明確に覚えていてその記憶が正しければ今頃は自室のベッドで寝ているはずだった。

地面についた左手の感触に違和感を覚えて下を見るとそこは地面の上だった。


「自身の現状は把握できたか?」


自分に何が起こったのかわからず、呆然としていた俺は、その言葉に後ろを振り返ると先ほどの少女が仁王立ちしたままこちらを意味ありげに見つめながら今度はニヤリと笑っていた。


(何か話したそうだな・・・ 聞いておいて損はないか・・・?)


『聞く』か『聞かない』かをしばし逡巡する。

本来なら『聞く』の一択で即答するところだが、性格が悪くひねくれているのでいろいろと考えを巡らせる。

が、結局聞くことを選択した。


「俺の現状を何か知っていそうだな。話したいなら聞いてやってもいいぞ。」


見た目がどう見ての10歳前後の少女っていうか幼女?なのと、明らかに話したそうに笑っているのが気に障ったのでお願いはしなかった。

目は怪しいものを見るような目を向けてながら聞いた。


「ふふん ならば教えて進ぜよう。」


少女は俺の言葉遣いや態度などに帰せずに嬉々として話し出した。


「まず、私の名前はリリス=クロニクル 職業は仙人でこの世界の名はレベルリンクス。お主の以前いた世界、ギフトオアラッキーとは別次元に存在する異世界じゃ。

ちなみにこの世界の文明レベルはお主らのいた世界ほど発達しておらんから世界が球形であることは誰も知らんしそもそもこの世界も球形なのかも定かではない。

お主の世界との違いは、身近なものでは一年が365日あることは同じじゃが、この世界では月は10カ月しかなく、その代り一月が36,7日あり、奇数月は37日、偶数月は36日という風に別れておる。

時間は一日が24時間という概念はあるが正確に測る方法がないので日の傾きなどでだいたい10~15分単位でしかわからん。まぁ、時間なんぞは貴族や役人以外は気にせんがの。

そして、最大の違いは魔王や魔物、魔族にエルフ族、ドワーフ族に獣人族などがいることや魔法が実在することかの。」


一旦、言いたいことを言い終えたのかニッコリと微笑み胸を張る全裸少女リリス。

しかし、残念ながら俺が一番聞きたいことは話してくれなかった。


(まぁ、今の話の何パーセントが事実かは知らないがそれよりも・・・)


「俺が聞きたいのはなぜこんな辺鄙な所に俺がいるのかなんだが・・・」


リリスは、俺が一旦話を理解するために話を終わらせた。

が、俺の聞きたかったこととは違ったのでもう一度、自分から聞くことにした。

リリスは「ああ、そのことか。」というような顔をして一言だけ告げた。


「ワシがこっちに引っ張って連れてきた。」


「どうだ。すごいだろう。」という表情でリリスはきっぱりと答えた。

それに対し俺は口を開けて「は?」ということしかできなかった。


「いや~。千里眼の能力で異世界覗いておったらお主を見つけての~。見ているうちに気に入ってしまってな!ワシの婿にしようと思って異世界を除く穴に手を突っ込んで引っ張ったらうまくいってなぁ~。」


感慨深そうに腕を胸元で組んで話すリリスに俺は「ちょっと待て!」と声を荒げて叫んでいた。

リリスは驚いたようで目をパチクリさせているがお構いなしに俺は叫ぶように話す。


「そんなくだらない理由でお前は俺を誘拐したのか?!」


そう、これは誘拐だ。

俺の意思や都合を全く考えず強制的に連れ去られたのだ。

そう文句を言う俺にリリスはのほほんとした顔でこう答えた。


「いや、ワシはお主を騙して連れてきたわけではないから正確には『拉致』が正しいかの。」


冷静に言葉の使い方を指摘してきた。

その行動にあきれてしまったのと恥ずかしさに少し冷静になることができた。


「俺を帰す気はないのか?」


「ない。」


頭を抱え込んだ俺の質問にリリスは即答した。

その言葉を聞いて仕方なく俺は立ち上がりリリスの方を向いて睨み付ける。

身長約180cmの俺が立つとリリスの顔の位置がかなり低くなり見下ろす形となる。

リリスの身長は目測で140cmなので身長差はおそらく40cmほどあるだろう。

おまけに相手は女の子なのだ。本来なら大人気なく乱暴なことなどしたくないが、今は事情が事情なので力尽くで、捻じ伏せる事もやぶさかではない。


「お、なんじゃ。 いきなり熱く見つめて、やはりワシのこの美貌に欲情してその気になったか? 仕方ないの~。 ワシこう見えて初めてだから優しく・・・」


「いい加減にしろ。」


俺はリリスのことを遮って怒りを込めていった。


「俺を今すぐ、元いた場所と時間に帰せさもなければ殺すぞ」


いくら物事に無関心でも拉致られたのなら話は別だ。

相手が凶悪な犯罪者や屈強な人間ならともかく相手は子供で女の子なのだ。

強く出ても問題はない。

むしろ怒りにまかせて顔をはたいてやろうとも思った。

拳でないのはせめてもの情けだ。


・・・


そう思っていた時期が俺にも一瞬あった。

しかし、それは本当に一瞬だった。

リリスは俺の「殺すぞ」の言葉に反応してか右手を挙げて人差し指を一本だけ立てると口元を小さく動かして何かを呟いた。

リリスの呟きが終わると、どういうわけか周囲の温度が上がったような気がした。

いや正確には今もなお上がり続けている。

(これは何かがおかしい)そう思った瞬間ふと上を見上げると、彼女の人差し指の延長線上50cm上空に炎の玉が出現していた。

それはどんどん大きくなりそれとともに周囲の熱量が上がる。

その炎の玉が30cm近い大きさになりだしたときに俺はようやくリリスの言葉を思い出した。


<この世界には魔法が存在する>


今起きている明らかに異常な現象を鑑みるにおそらく彼女は魔法を発動させたのだ。

そう思った瞬間俺は・・・


「調子に乗ってすみませんでした。」


土下座していた。

魔王や魔物が存在する世界なのだ。

おそらく俺のいた世界と違い殺伐としているのだろう。

脅し文句であるはずの『殺してやる』を本気でとられて危うく逆に殺されるところだった。


「わかればいいのだ。」


リリスは俺の土下座を見て火の玉を消し両手を胸元で組みなおしてウンウンとうなずいていた。俺はリリスの顔を下からのぞき見て満足そうな顔をしていたので頭をあげる。


「さあ! 現状を理解したところで私を抱きたまえ!」


両手を開き前に出し抱きついてくることを求めてくるリリス。


「いや、それは却下で」


俺は右手を開いて前に出したポーズで否定する。


「どうしてもだめか?」


残念そうにこちらを見つめるが前に出して広げた両手は引っ込めないリリスはまだあきらめていないようなので俺はさらに強く否定する。


「残念ながら俺はロリに手を出す気はないし、そんな趣味もない。」


「人のことをロリロリというがワシはこう見えて100歳超えとるぞ?」


俺の強い否定に対してリリスは年齢が100歳を超えているからロリではないと否定する。


「・・・・は? 100歳ってばぁ」


そこまで言いかけて俺は言葉を紡ぐのをやめた。リ

リスから言葉にできない何かを感じたからだ。

「最後まで言いきったら殺す。ただし、このまま言葉をつぐんでも殺す。」口を開いてそういったわけでもないのに俺にはリリスの気持ちがわかった。

いや、その笑っていないのに見事に笑みを浮かべた顔を見て察したという方が正しい。

ともかく、リリスの中で『婆さん』という言葉は禁句で言ってはいけなくて、言うのをいきなりやめて口を塞ぐとリリスがその言葉を嫌っているから俺を威圧して言わせなかった。ということになるのだがそれもまた彼女の中でNGなのだろう。

そう思って俺は違う方向からリリスの言葉を否定することにした。


「いや、100歳はどう考えても嘘だろう。どう見ても10歳前後の子供じゃないか。」


俺の言葉に満足したのか満面の笑みを浮かべるリリス。

俺はその顔を見てほっと一息ついた。あのまま笑顔で威圧されたら失禁していたかもしれない。


「ふふふ。 確かにワシは見た目より少しばかり幼く見えるが正真正銘100歳以上の美女じゃ。なぜ100歳以上こんな若くて美人でいられるかじゃが、それはワシが人間ではないからじゃ。」


その言葉に俺はまたリリスの先ほどの説明を思い出した。


<この世界には魔王、魔物、魔族、エルフ族、ドワーフ族、獣人族が存在する。>


俺がそのことを思い出したことに気付いたのかリリスは俺の質問を待ち構えるかのように両手を腰に当ててこちらの言葉を待っていた。


(大きな違いのところに人間がいないといっていなかった。ということはこの世界にも人間はいると見ていい、年齢の100歳越えなんて人間でも魔法を使えばできると言わなかったってことは人間の寿命は俺たちの世界とそう変わらないのかな。)


「じゃあ、リリスは何族なんだ? あと、その種族の寿命はどれくらいなんだ?」


俺は自分の考えをまとめてからリリスに問うた。リリスは俺の質問を予想した状態で待っていただけなのですぐに答えは出てきた。


「ワシはエルフ族の中でもハーフエルフと呼ばれる種族に属しておる。特徴としてはエルフ特有の白い肌は持っておるが金髪碧眼ではないことと耳の長さが人間と同じということじゃの。平均寿命は400年ほどで、これは人間以外のすべての種族がそうじゃの。」


リリスはそういいながらショートカットの髪の毛から耳を見せてくる。

確かに耳の大きさは人間と同じぐらいだろうがアニメや漫画に出てくるエルフ同様耳が尖っていた


「ハーフエルフって人間とエルフの子供なのか?」


俺の質問に対してリリスは「違う」と答えた。

なんでも身体的特徴が人間とエルフの中間だからそういわれているだけで正確にはエルフでも人間でもないらしい。

この世界には大きく分けて五種類の種族がいるらしい。


第一にすべての種族の元となったと考えられる始まりの種族 <人>

第二に純粋な人の強化である超人種 <ドワーフ>

第三に人に獣の性能と特徴を加えたとされる合成種 <獣人>

第四に魔力を人の身に与えたがそのために少し異形の姿になった異形種 <魔族>

第五に人の身を洗練させ魔力と調和させた完全なる種族 <エルフ>


がいるらしい、エルフがいいように言われているのはリリスがエルフ族だからでそういう教育を受けてきたからであって別にエルフが優れているわけではないらしい。

それに細かく分けるとさらに種族数は一気に増える。


エルフは ハイエルフ エルフ ハーフエルフ ダークエルフの四種族

ドワーフは ドワーフ ホビット オオガの三種族

魔族は ヴァンパイア ウェアウルフ 九尾などの多数の種族がいて正確な数は不明

獣人は 獅子 キツネ 犬 猫などの様々な動物の種族がありやはり正確な数は不明

人ですら 黒人 白人 黄色人などを種族分けしていて複数種に別れているらしい


(面倒だな・・・)


説明を聞くのが疲れてきた。

ただ、元の世界に帰る方法を唯一知るであろうリリスが返すつもりがないのでこの世界の情報は重要だ。


「そういえば・・・」


俺は説明時に種族の外面的な特徴は聞いたが内面的な、所謂 能力的な特徴を聞いていないことに気付いて尋ねてみたのだが・・・


「ない。」


一言で断ぜられた。


「この世界において身体 魔力 能力的に特徴のある種族は存在しない。 例外は一部の魔族の持つ変身能力と人だけが異常に寿命が短いことだけだ。」


これだけ多くの種類の種族がいるのに外見的特徴以外ほとんど何もないらしい。

なぜかと聞くと世界の根幹からしてこの世界は俺たちと全く違うらしい。


「まずこの世界『レベルリンクス」とお主の住む世界『ギフトオアラッキー』だがな。実は世界名はワシがつけた。名前はその世界の在り様をそのまま名前にしている。まずこれを見てもらおう。」


そう言ってリリスが手をかざすとそこにはSF映画で見るような空中に映像が出てきてそこにはこう書かれていた。


ステータス

名前 リリス=クロニクル

戦闘系職業 仙人 Lv4 <伝説級>

生活系職業 料理人 Lv50


「なんだ。これ?」


俺はその空中にある映像に触れようとするが俺の伸ばした手はそのまま映像を通過した。


「これがワシのステータスじゃ、もっと詳しくも出せるのじゃが、今は必要あるまい。

このように、この世界はレベルと職業によって能力が管理されておる。」


リリスが言うにはこの世界は神が作った世界の一つで順番的にはおそらく、俺たちのいた世界の後にできたそうだ。


「お主らの世界、ギフトオアラッキーは生まれ持った才能を努力で伸ばすか、幸運に目部まれない限り努力が認められない。そんな世界じゃろう? この世界はそんな世界を見て神が新しく作った修正版の世界なのじゃ、努力して経験値を稼ぐとレベルが上がり必要な技能も努力により習得できる。その技能もまたレベルを上げればドンドンよくなっていく。生まれ持った能力や才能がない代わりに就く職業を選択し努力をつつければどんな凡人にもレベルという結果を与える。努力しないものはただそこで留まり上には行けない。ここはそういう世界なのじゃよ。」


なるほど、生まれついての才能がない代わりに努力することでどんな才能も開花可能。それが目に見えてわかるようにステータス画面がありレベルが存在する。

確かにこの方法なら才能がどうのこうのと悩む必要がない。

努力すればどんな才能も能力も手に入るのだから、手に入れられないのは努力していない者の自己責任になる。

確かに俺の世界での生まれ持っての才能や能力での差はこの世界ではあまり意味をなさないだろう。


「では、なぜこんなに複数の種族がいるんだ?」


そう、才能や能力をレベルで管理しているのであれば多様な種族を作り様々な能力を持つ種族を実験的に作るようなものは必要ない。

作っても種族特有の能力や才能はレベル管理である以上意味をなさない。

だが、この世界にはかなりの数の種族が存在するらしい。

見ていないから実際にいるかどうかは分からないが、現状でリリスが俺に嘘をつく必要がないのでおそらく事実だろうと俺は理解する。


「それはおそらくじゃが、神は人間以外にもさまざまな種類の種族とそれが単一で済む世界を作っていたのではないか? 千里眼の能力で異世界を覗けるようになっていろんな世界を見たがそういう世界もあったぞ。ただ、同じ種族であるにもかかわらず別々の国を作り争い続けておった。だからいっそすべての種族を一つの世界に集めたらどうなるのか見てみたかったのではと・・・ まぁ、これらはすべてワシが異界を覗いて抱いた感想じゃがの。」


俺の質問にリリスは自分の仮説を放す。そもそも異界を覗くだなんてこの世界でも自分が初めてだろうと語り、この世界の住人も異世界があるとか世界を神様が作ったというのは宗教の教えに出てくる半ば空想の話らしい。


「そっか。 そうかもな・・・」


俺はリリスの言葉に適当に相槌をうって肯定しておく。

そう言われればそんな気もするという気持ちが俺の中にあったからだ。


(困ったなぁ~。 リリス以外は異世界のこと知らないってことは人里に下りてリリス以外の誰かに元の世界に帰してもらうことができない。 まぁ、帰ってもリリスが俺をあきらめないとまたこっちに連れてこられるんだろうけど・・・)


とりあえず、俺は立ち上がり背伸びをする。


「とりあえず、腹減ったから朝飯が欲しいんだけど。」


俺はとりあえず、朝飯をリリスに要求した。


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