片思い
周りがかっこいいって騒いでいたから、入学した頃から存在は知っていた。
でも、同じクラスになるまで接点なんかないに等しくて、何かの感情を抱くきっかけすらなかった。
気持ちに変化があったのは、隣の席になって、よく話すようになってから。
――誰とでも仲良くて、誰にでも優しい
君にとっての私はただのクラスメイト――
そんなことわかりきっていたことなのに、あっという間に好きになってしまった。
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「彼女、いるの?」
「ん?彼女?いるよ。」
「そうなんだ…。かわいい?」
「まあ、ね。だから誰かに取られないように努力しないとな、っていつも思ってる。」
そう言ってはにかむ君の顔は、今まで見たことがない、優しい笑顔で。
「うちの学校の人?」
「ううん。南高。」
「隣の女子高?」
「うん。もっとレベル高いとこ行けたのにね。俺すぐ妬いちゃうから、彼女が気使ってくれたの。」
「あ、結構長いんだね。てか南高ってそんなにレベル低くないじゃん。」
「もうすぐ3年…かな?なんかさ、すっごい申し訳ないんだ。俺がもっと勉強してたらな、ってずっと後悔してる。」
「…彼女、君のこと大好きなんだね。」
「え?なんで?」
「だって、好きじゃなきゃ志望校変えようなんて思わないよ、普通。」
言わなければよかったと思った。
あまりにも君が、嬉しそうに笑うから。
そんな顔をさせる彼女が、とてつもなくうらやましいと思うと同時に、彼女のことが大好きな君を諦められない私は、とてつもなく馬鹿なんだと思った。
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