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第1話

ここは、現代日本に似た別の地球。デュラン国のデュラン街。


通貨はルイで、物価は日本の10分の1の相場だった。この世界では、消費税も無く、所得税、住民税、相続税、贈与税なども無かった。


アレキサンダーと本屋のおじいは、借家の古い平屋建てで、そこは、入るとすぐに店で、奥は住居になっていた。2人は、店にいた。


アレキサンダーは、白いチワワ犬の男で、2本足歩行。新種のチワワ族の唯一の生き残りの1人で、他は絶滅していた。身長の高さは、25センチメートルだった。自称、転生前は、元国王という触れ込みで、目が線だった。年齢は自称16歳。ケースバイケースで、年齢を変えることが多々ある。自由自在でもある。時々、嬉しい時、仕切り直す時には“ホイー”をかます癖がある。本屋のおじいに拾われたという経緯がある。しかし、本人は、おじいに望まれて、来てやったという恩着せがましい感覚の持ち主である。


おじいは、80歳。身長180センチメートル。見てくれは、U字ハゲで白髪頭。老人ぽいが、本人は、元気ハツラツ、生涯現役だと思っている。


おじいは「アレキサンダー!今日こそ、真面目に配達して来いよ!」


アレキサンダーは「そんなに、心配なら、おじいが配達に行けばいいじゃないか!ワシは、転生して、元国王なんだぞ!」


おじいは「なんだと!?また始まったな!お前が野垂れ死にしかけた時、拾ってやっただけだ!ボロボロで、捨てる間際の雑巾みたいだったぞ!なにが元国王だ!転生だ!聞いて呆れるな!」


アレキサンダーは「だーかーら!あの時は、転生して、新しい生命体にチェンジしていたんだ!」


おじいは「戯言は、それぐらいでやめろ!お客さんから配達が遅いとか商品が間違っているというクレームの電話が多いから、ワシが電話で対応してるんじゃないか!」


アレキサンダーは「それだったら、おじいが自転車で配達行けばいいじゃねーか!」


おじいは「ワシは、足が痛いんだ!お前がしっかりしていたら、配達でも電話番でも、させられるのに、役立たずもはなはだしい!リュウジンバーガーのクマタンさんなんか、コウガさんの右腕で、オーナーになるだけの素質もあるアシスタントだ!うらやましい!なんでワシの側近は、お前なんだ?」


アレキサンダーは「しょうがねーじゃねーか!おじいは、それだけの運しかないんだからな!あきらめることだな!」


アレキサンダーは、自分のことを棚に上げて、おじいには、諭すような口ぶりだった。


おじいは「お前!ふざけてんのか!早く配達に行って来い!」


アレキサンダーは「フン!」


配達物をリュックに詰めて、小走りに、引違戸に近づき、内側に置いてある踏み台にジャンプして、戸の取ってをガタガタさせて、開けると、素早く踏み台を降り、外に出た。


アレキサンダーは、背が低いので、引違戸の取っ手に届かないので、店の内外に踏み台を置いてあった。これは、アレキサンダーに配慮したものだった。アレキサンダーが出入りの時、おじいがその度に開けるのは、手間がかかるので、このようにした。


アレキサンダーは「おじい!まーた、引違戸の音がガタガタしてるぞ!レールにたまってるゴミ、拾ってロウソクのロウを塗っとけよ!」


おじいは「うるせーな!そんな雑用は、テメーがするもんだ!」


アレキサンダーは「おじいがボケないように、してやってるんだ!ありがたく思え!ワシが帰るまで、ボケるなよ!孤独死すんなよ!」と叫ぶと、去っていった。


中からおじいが「アレキサンダアアアアアア!!!なめんなよ!!!」


おじいは、アレキサンダーを追いかけようと思ったが、いつもの事だから、バカを相手にしても、始まらないと思い、アレキサンダーを追いかけるのをやめた。


アレキサンダーは「あの調子では、おじい、まだまだ長生きしそうだな。ワシが逃げるのが俊足なので、追いかけるのをやめたようだな。」


続けて「おじいが元気そうなので、安心できたぞ。確認できてよかった。あんな老い先短いおじいでも、いないと、おまんまの食い上げだからな。店舗付き住宅も老朽化していて、しかも借家だ。遺産も無いので、このままこの状況を維持するしかないな。」


あきらめ気味のアレキサンダーは「こんなことで、へこむもんか!必ず、成金で億万長者になってやる!」


アレキサンダーは、右前足をへそに当てて、左前足をパーにしながら上にあげて「ホイー!!!」をかますと、配達に向かった。

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