第二章前書き
朝。
人はなぜ朝に体を起こし、義務をこなさなければいけないのか。
いささか疑問に思う今日この頃だ。
「だるい……」
そう――めんどくさいのだ。
首を上げ時間を確認すると6時6分。
幸いながらまだ時間はあるので、もう少しゆっくりしていよう。
その時、急にドアが開いた。
「起きてるー?」
ドアに背を向けていたので姿こそは見えなかったが、聞こえたのは妹の快の声だった。
――何が起きたのかは知らないが、体を起こさなければいけないのは確かだろう。
動きたくない……。
「起きてないが?」
俺は言い訳にすらなってないようなことを口にした。
その瞬間、背中に強烈な痛みが走る。
彼女が思い切り背中へと蹴りをいれたらしい。
「朝ごはん食べよ!」
2回目、3回目、4回目……何度も蹴りを入れた。
「わーかった!わかったから!」
俺はバッと体を叩き起こす。
全く――こんな時間に朝ごはん?
「お前はまだ寝てても大丈夫だろ?」
「お兄ちゃんと一緒に食べたいの!ほら!」
彼女は俺の腕を掴み、引きずり始めた。
あっという間にリビングまで到着し俺はあらぬ方向に投げ込まれた。
「1人で寂しく朝ごはんなんていやでしょ?」
「確かに……」
いや、待てよ?
何かを忘れている気がする。
「……あ――俺約束してたんだった」
「誰と?」
「クラスメイトと」
「彼女?」
「そんな短期間にできるか!」
何はともあれ、集合は七時――急がなければ。
「そういうわけだから!じゃあ」俺は部屋に戻りバッグを掴み、玄関へと走った。
「今度彼女さん紹介してよねー!」
「だからいないって!」
今日も今日とて春空は綺麗だった。
登校3日目――生徒会活動1日目。
まぁ……そうだな、楽しくやろう。




