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元社畜、どんぐりに転生する【完結】  作者: 芥部


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第41話 念願のステータス



 エーリュシオンさんも微妙な顔をしている。


「そういえば枝を器用に動かすのは食人植物の特徴だったね……人前で動かさなければまあ良いんじゃないか」


 エーリュシオンさんは俺の顔を見ようとしない。

 絶対失敗したと思ってるやつじゃん……。


「世界樹とか聖樹って、枝動かす力とか無いんですか?」

「普通はないのですよ、ソウヤ様。人や獣を捕えて栄養にする妖樹や食肉植物だけがツルや枝葉を自由自在に動かします。聖樹様は、そもそも意識を持つような頃には下僕が何でもしますし、どうしても自分で動く必要のあるときには写し身という人間のような姿になるんです」


 あ、本格的にだめなやつじゃん。

 世界樹の風格が危険ってことだなこれ。世界樹どころか、食人植物妖怪になりかけている……。


「でも、枝を動かせるのは有り難いですね。図とか、文字とかも描けるじゃないですか。ほら絵も描けた」


 俺は、地面に猫ちゃんの絵を描いて見せた。うん、猫ちゃんかわいい。


「う、うん。ほら、見ろ守護者。本人も喜んでいるだろう?」


 流石にエルシーさんはちょっと怪訝な目をしている。


「いや便利なのは本当ですから……」


 ダメ元でエーリュシオンさんをサポートしたが、ダメそうな感じだ。

 冷静に考えると、俺でも枝が腕みたいにニュルニュル動く木、大分気持ちが悪いと思う。


「どんぐりからお育てしたソウヤ様が、食人植物みたいなお姿に……」


 地面に膝をつき、がっくりとうなだれるエルシーさんは泣きそうな顔をしていた。

 これは早めに世界樹の若木であるという信頼を回復せねばならないな。

 なおいくら考えても全く回復の見通しは立たない。


「うーん、世界樹の若君というより、人食い植物の苗っぽいッスね……」


 マギネは事実言うのやめろ。

 そう言われると自分の腕が触手みたいに思えてきた……辛い。


「ううっ……私が扶桑様からお預かりしたソウヤ様がっ……」

『若君、お労しや……』


 エルシーさんの涙目は貴重だが理由が理由なだけに萌えられなかった。

 それにエルシーさんの言い分も最もであるがその扶桑さんがくれたアイテムが元の原因なのである。


「あーあーあー、どうしよう……」


 あの自信家のエーリュシオンさんが頭を抱えて空中でゴロゴロ転げ回っている。

 多分、元には戻せないのだろう。元に戻せるのなら怒りながらさっさと元に戻す魔法を使っていると思う。


 だが、俺自身は結構この腕を気に入っている。

 茎が痒いときとか、なんかメモを取りたいな……とかちょっとボタン押したいな……と思うときなんかは意外にあって、そういうときは寝ている時でも声をかけてくれ、と言われているのだが、俺はそういう時あんまり声をかけたくないんだよな。


 例えば、急病で救急車呼んでくれ、みたいなときとか、病気で絶対安静で動くと死ぬとかならともかく、動けるなら自分でやりたいんだよなあ。

 前世で当然のように出来ていたことが急にできなくなるのは予想以上に不便だった。

 なので、腕はできるだけ残したい。


 だから、俺は考えた。ここは空気の入れ替えをしよう。

 つまり、話題とターゲット先を変えるのである。

 簡単に言うと誤魔化そうと思います。


「エーリュシオンさん! 扶桑さんの枝、俺に使わせてください! うわー、めっちゃ楽しみ!」


 俺は空元気で叫ぶ。


「うん……そうだな、そのために触手を作ったんだもんな……」


 エーリュシオンさん、その言い方はちょっと、その……そう言いたかったが、空気を蒸し返してしまうのでぐっとこらえて、差し出す枝の輪を受け取った。


「ステータスオープン!」


 あえて声で叫び、ステータスも公開設定で念じる。

 すると、ネット小説で見慣れた、けれど憧れのあの画面が登場した!


 ─────────────────────

 名前:木野草也キノソウヤ(仮) 

 種族:世界樹?

 称号:祝福地の契約者/エーリュシオンの名親

 Lv:2

 HP:5/20

 MP:200000/500000


 筋力 :5

 知力 :10(50-40(転生補正))

 魔力 :10000

 器用 :18(3+15(触手補正))

 体力 :7

 素早さ:1

 幸運 :54(4+50(転生特典))


 スキル

 聖属性魔法Lv:EX

 地属性魔法Lv:0/10

 水属性魔法Lv:1/10

 風属性魔法Lv:0/10

 翻訳技能 Lv:EX

 祝福地の契約

 世界樹の誓約

 異世界知識(日本)

 ─────────────────────


 全員、もちろん俺含め、思わず呆気にとられてしまった。


「なんだこのバランスの悪すぎるステは……極振りにしてもなんかもっとこう……」

 思ったよりも数字が酷い。

 まず、魔力が10000あるのに、素の基礎ステータスが一桁なやつがぞろぞろ。

 HP2桁でMP6桁。


 聖属性魔法EXも意味がわからん。俺一個も魔法使えないんだが……。

 翻訳技能EX。あ、これは無いと困るやつだな。今ゼロから異世界語覚えろって言われたら絶望で死ねる。


 器用がギリ合計2桁超えてるけど触手補正ってなんだ、触手補正って。

 しかも合計18……。あとでエーリュシオンさんを問い詰めないと駄目かな。


 転生補正もわけが分からない。

 知力めっちゃ下がってるじゃん。なんかこっちにきてから行動がノリでやっている気がしてはいたんだけど、この補正のせいだったのだろうか……。


 あと、世界樹?ってなんだ。『?』って。

 世界樹じゃない可能性があるのは今とてもセンシティブな問題なので辞めて欲しい。幸い誰も突っ込まなかったが。


 そうやって考えていると、質問が出た。


「HPとMPってどういう意味っすかね」


 あ、そうか。マギネの疑問も最もだ。ゲームやったこと無いとわからないよな。


HP(ヒットポイント)は総合的な現在の体力値、で、0になると動けなくなる。もしくは死ぬ。か、意識を失う。MP(マジックポイント)は精神力と魔力を足したようなやつで、魔法とかスキルを使うと減るやつで、気力みたいなものかな」

「なるほどっすね。アザッス!」


「なんかすごいってことはわかるッスけど、比較対象がないとやっぱ若君の凄さがわかりにくいッスね。比較対象、誰か人柱になって見ないっすか? いなかったら私、マギネが!」

 マギネは進んで人柱をやりたそうな顔をしている。


「あー、ずーるーいー、私もやりたい~」

「ソウヤ様のためなら私もやりますっ!」

『ほう、自分の力が見れるのは気になりますな』


 結局先着順でエーリュシオンさん以外の全員でステータス表示をすることになった。



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