Ⅴ 過去の話
アズラーが話をする。
なぜ、女神に戻すのかを、、、
なぜ、悪魔と呼ばれているのかを、、、
「俺が何をしようかって話だが、俺はこの悪魔を女神に戻したいって話だ。」
アズラーがそう言い、後ろに錬金術で像を作る。
「こ、これって、愛憎の悪魔、アネモレント。」
「そうだな。この世界では、そう言われいるな。」
「ということは、主人さまは悪魔崇拝者なの?」
「さっきも言った通り、俺は女神に戻したい。」
「女神に戻す?悪魔なんですよ?」
「愛憎の悪魔「アネモレント」今はそう言われているが、元々の名前は、愛情の女神「ゼフィサス」それがこの女神の名前だ。」
「その女神、、、歴史書にも出てきましたよね?」
「ん?なんだ、見たことあるのか?」
「は、はい、集落にいるときに、、、」
「そうか、白狼種は確か何千年も生きるやつもいるらしいしな。それでか。」
「えぇ、でも、その女神は愛に狂い悪魔に落ちたと書いてあったはずですが?」
「愛に狂うか、、、あながち間違ってはないが、少し誤解があるな。愛するものを救うために愛に狂ったが正しいな。」
「愛するものを救う?どういうことですか?」
「愛するもの、音空の神「アレシウス」。空を操り、様々な音色を奏で皆を笑顔にする。そんな神だ。」
「音空の神、、、聞いたことありませんね。」
「その神って、音楽が大好きな神様?」
「そうだな。音楽は大好きだな。」
「綺麗な音を奏でると雨なんかを振らせてくれる神様?」
「おぉ、よく知ってるな。そうだぞ。こういうのはエルフの方が知ってそうだが?」
「うんうん、聞いたことない。」
「そうか、カレア、どこでその話を聞いたんだ?」
「私たち、魔族は音楽を楽しんだりして中を深めたりするから、その時に真ん中に像があるの。それが多分その神様だと思って。」
「なるほどな。魔族は音楽を好む種族もいる。ということは、魔音の笛なんかもふけるのか?カレア。」
「うん、一応はふけるけど。それがどうしたの?」
「いや、あれは綺麗な音色と聞いてな。」
「うん、すごくきれい。」
「そうか、機会があれば聞きたいな。」
「さて、話を戻すが、なんで、救うために悪魔になったって話だったな。さっきも言ったが音空の神「アレシウス」を救うためだ。今じゃこいつも悪魔に落とされているが、神はみんなこいつの音楽が好きだった。そんな、神に引かれたのが「ゼフィサス」だ。「ゼフィサス」も踊り子としては、神の中じゃ一、二を争うくらいにうまかった。「アレシウス」も「ゼフィサス」と一緒に練習や宴が楽しみになっていた。そんな中で、花恋の宴で「アレシウス」が「ゼフィサス」にプロポーズをして、結ばれた。全神が認めるくらいには、仲のいい夫婦になった。
しかし、その中で起きたのが、歴史書にも乗っている、あの神代の戦い、悪神の千年戦争が起こった。」
「真神と外神の戦いですよね?その戦いで勝ったのが今の神様たちですよね?」
「勝ったか。ずるをして勝っただな。」
「ずるをして?」
「そうずるをしてだ。その中に「ゼフィサス」も入っていた。」
「どんなずるをしたんです?」
「簡単な話だ。愛するものをとらえる。家族をとらえる。そんなもんだ。」
「愛するものをとらえる、、、「ゼフィサス」様は「アレシウス」を、、、」
「そう、「アレシウス」をとらえられた。そして、「アレシウス」を救うために愛憎を使った。
「ゼフィサス」は二つの愛を持っていた。それが、「愛情」と「愛憎」だ。「愛情」は、愛するものを心から愛せば愛すほど力を増し、治癒も魔力も増すといったものだ。「愛憎」その逆、愛するものを心から愛せば愛すほど、破壊の力が増し、不治を相手に付与する。」
「それを、救うために使った。でも、結果は今の通り。」
「負けてしまった、、、だから、愛憎の悪魔「アネモレント」、、、」
「今、神と言われている者たちは、旧神たちを悪魔とし、力を弱めた、だが、愛を司る「ゼフィサス」は二つ持っていた。神になろうと、悪魔になろうと、力は衰えない。だから、あいつらは「アレシウス」を人質に取った。あいつらは、「ゼフィサス」を「アネモレント」として、生きさせ、動けなくなるように拘束の魔法をかけた。が、愛に狂い悪魔に落ちた女神の話だ。」
「その「アネモレント」様を元の姿の「ゼフィサス」様に戻すというのが、ご主人様の目的ですか?」
「そうだ、そして、三年、三年たったらお前たちは旅に出てもらう。」
「旅?主人さまは一緒に来るの?」
「いや、俺はついていかない。お前たちだけで旅に出てもらい、信仰を広げてもらう。」
「私たちだけで大丈夫なのですか?ご主人様?」
「そのためにこの三年で、魔術も魔法も知識もすべてつけてもらう。」
「可能なのですか?」
「あぁ、可能だ。お前たちは魔力が多いだから、基礎的なものは感覚で使えるだろ?それを近くするだけだ。リーフ、お前は風の魔術を使えるだろ?」
「ん?うん、使えるけど、どうして?」
「それをどうやってるか、わかるか?」
「うーん、なんとなくだけど。」
「そう、それでいいんだよ。それがわかれば他の魔術も簡単だ。」
「そうなんですか?」
「あぁ、だが、今日はもう遅い皆寝て、明日から本格的にやってもらう。」
「「「はーい」」」
「それじゃ、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」 「おやすみー、主人様」 「ん、おやすみ」
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
「皆寝たな、、、そこにいんだろ?」
「よく、、、気が付きましたね。そして、どこでそんな知識を得たんです?」
「ん?過去の事象を知れる魔術懐古の眼って魔術でな。」
「そうですか。お願いしていいんですか?」
「何をいまさら。」
「あなたはきっと、、、」
「そんなもんは知った上だ。気にするな。」
「そう、、、ですか、では、お願いします。」
「おう、任せておけ。」
アズラーがそう言い、少し口角を上げた。
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