メモ/夜のおわり/知るもの
メモ/
性急に書き殴って
覚えたつもりで破り捨てて
書いたことすら 忘れる
分厚いメモ用紙も
台紙だけ残せば
正体不明のゴミとなり
白紙に戻るっていうわけ
だいじなことなんて
なんにも
夜のおわり/
夜が終わった
終わってしまった
ひどく曖昧に
「ここから」なんて別れもなく
どんなけじめもつけられそうにない
にじむ明るさを
君が
朝と名付けるだけで いとも簡単に
知るもの/
胸の内で乱反射する
本当の青を言い当てられない言葉を
遮る 短い嗚咽だけが
涙の淵の
空の色に染まっていく──