海色ダイアリー
「お母さん、今日お隣さんが引っ越して来るって本当?」
わたし、海野真希は、お母さんに聞いた。
「そうよ、だからご挨拶に行かないとね。」
わたしのお母さんは海の近くでカフエをやっている。だから、毎朝海にお散歩にいっているんだ。
ピーンカーンドアのチャイムの音。
「今いきまーす。」
ドアを開けてびっくり。だって、今有名なアイドルのリク●レンがいたんだもの!しかも、5人いる?
「こんにちは。挨拶に来ました。お隣に引っ越して来た広瀬です。」
「こ、こんにちは。海野真希です。あの、リク●レンですか?しかも、5人!」
うう。変なこと言っちゃった。するとお母さんが、
「中に入ってゆっくりしてください。」
と、言ってくれた。
そして、テーブルで話を聞いた。
「実は僕たちね、5人兄弟なんだ。たまに入れ替わってテレビに出たりするよ。」
上から、一樹君、二葉君、三月君、四季君、五河君って言う名前なんだって。
わたしは、暇な時によくかフエに来たお客様の観察をしているから、どんな雰囲気かを当てるのが結構得意。一樹君は優しそうニ葉君はチャラい感じ。四季君は色白で穏やかな感じで、五河君は色が黒くて運動が得意そう。三月君は、ヘッドホンをしていて無口そう。って、感じかな?もちろん当たらない時もあるけれどね。
「真希ちゃんって、可愛い名前だね。」
一樹君が言う。
「ありがとう。真の希望っていう言葉を略したんだって。」
「俺たちの名前はお母さんとお父さんが悩んで考えてくれたんだ。」
二葉君が言った。
お父さんか。わたしのおとうさんは小さい頃に死んじゃったんだ。
航海するお仕事をしていたんだって。
わたしが暗い顔をしたのに気づいて一樹君が、
「5人も一気に生まれちゃったら、名前を考えるのは大変だよね。」
と、ほがらかに笑う。