ハッキリとした意識の中で
「ここは誰?私はどこ?」
そんな意味不明なことを口走ってしまうほどに怪物は混乱していた。
怪物の目に映った光景はもといた場所とだいぶ違う様に思える。木々は生い茂り、花は咲き乱れ、所々から光が差し込んでいる。神秘的な光景だなと、怪物は思った。
それに比べ、もといた場所はどうだったか。木々は枯れ、空はおぞましい紅色、地面は所々ひび割れていた。まさに地獄の様な光景であった筈だ。
「何処ぞの匠もびっくりなビフォーアフターだなぁ。」
どう考えても違う場所だろうと、心の中でツッコミをいれつつ、怪物はなぜ自分が知らない場所にいるのか考える。
「確か、暇だからボーっとしていたら、急に眠気が襲ってきて...。」
そこから先が全然思い出せない。記憶はハッキリしているが、何故自分が此処にいるのかなど見当もつかなかった。
「分からない事考えても仕方がないし、寝床でも探そう。」
怪物は意外と適応が早かった。怪物はもといた地では恐れられ、忌み嫌われていた。その為、各地を転々としていたので、新しい地への移住に抵抗は無かった。
暫くして、怪物はようやく寝床を見つけた。
「今度こそはニンゲンと仲良くなれると良いな」
そんな願いを心に秘め、新たに見つけた寝床で、怪物は眠りについた。
もうちょっと話を書いたら、そのうち設定とかでも書こうかなと思ったり、思わなかったり。