神装の力
なぁ、久しぶりの墓参りなんだが、あれからどのくらい経つんだろうなハクよ。
『知らん……久々に話しかけてきたと思えば私に聞くでない……人と龍の時の感覚は想像以上に差があるのだ……まぁ私の感覚だと数千年は経っているだろうな。』
こいつはハク。俺が勝手に名前をつけた訳だが、本来はこうやって会話できるのはありえない事なのだ。
世界に誕生した1番初めの人間はどうやって産まれて来たか疑問に思った人はいないか?
正解は「死んだ獣の魂を触媒にして創造された神の奴隷だ」
これはハクから聞いた話なんだが、最初の人間はそこら辺の獣の魂から産まれたらしい。
世界の管理を面倒くさがった神が創造したらしく自信と同じ人型の生き物を創造するには0から作るのではなく、元からあった魂を使った方が効率がいいそうだ。
人間は誰もが心に獣が巣食うと言うが、これは本当の意味での事実だったらしい。
つまり俺の元々の魂は今話してる「神獣」白龍のハクとゆうわけなんだが、本来このような関係性にはならない。
なぜなら人はいずれ己の中の獣に侵食されるのだ、本来
俺がガキの頃には力を上手く使える人もチラホラとはいたらしい。
獣の力を借りて魔法?みたいな現象を起こしたり、自分の手足を獣に変えて力を得たりなど、人によって様々だ。
ちなみに人間の中に人間はいないらしい。
ハク曰く、死んだ人間の魂は汚れすぎていて再利用出来ない。との事だ…1度洗浄したりなんだり面倒な手順が必要らしく、獣の方が効率がいいとの事。
そして獣に侵食されながらも、力を行使する人間を「偽装使い」と呼び、人類にはまだ現れていないが侵食されずに力を使える人間を「神装使い」と言う。
そう、こんな風に
「ハク、そろそろ行こうか。故郷に…」
『いちいち私に許可を取るな黒人よ……』
まぁそう言うなって……もう数千年の仲じゃないか。
「神装展開…………そうだな、名前は龍人モード……なんてどうだい?」
『お前はもう人とは呼べんよ…』
俺は背中から龍の白く輝く翼を展開しながら久々の故郷へと旅立った。