表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/24

スタンピードの時間稼ぎに出発しました。

 冒険者ギルドに行ったホムは、そのままギルマスの元へ向かう。当然ギルドの職員達には通達されており、邪魔する者はいない。


「ギルマス、ホムです」

「おう、入れ」


 ノックをして、返事を待ってからホムはギルマスの執務室に入った。勿論簀巻きにした男を抱えたままだ。


「で、どう…って何だ、こいつは?」

「この男は悪い人なのです。調査した結果は、これに纏めてるのです」

「うむ、預かろう」


 ホムからシルキーが纏めた報告書を受け取ったギルマスは、その内容に驚く。


「魔素を集める魔道具と、過大な魔素を注ぎこまれたダンジョン・コアか。やばいな。スタンピードが起こる未来しか俺には見えんぞ」

「はい、そうなのです。しかもダンジョン・コアに貯められた魔素は超上級ダンジョンの制御もできるくらいの膨大な量なので、発生する魔物も必然的に上級魔物ばかりになってしまうのです」


 トラディアルには、上級魔物を安定して狩れる級の冒険者はいない。ホムは安定して狩れるが、9級なので正式な依頼にすることができないし、広範囲に魔物が展開するスタンピードには対応し切れない。


「とりあえず、私がダンジョン出口で時間稼ぎしますから、ギルマスには上級冒険者に緊急依頼をして欲しいのです」

「そ、それではホム君の命が危ない!とても許可できん!」

「大丈夫なのです。危なくなったら逃げてくるのです」


 押し問答の末、ホムの希望が通ってギルマスは緊急依頼を出す為に周辺の冒険者ギルドへと連絡を取り始めた。ホムはそれを確認して、一旦家に帰ると伝えてギルドを後にした。


 家に帰ったホムはパーティメンバーを集め、今後の対応について連絡した。

 3人にはチートな武器を持たせても上級魔物には対応し切れないのがわかっているので、基本的にハ○エースに補給物資を積み込んで補給を第一に、戦線が危ないところはハ○エース搭載の機関銃や対地ミサイルで魔物達を攻撃する事をお願いしておいた。

 メンバーは全員ハ○エースのハイスペックさを知っているし、変に前線に出ても足手まといなのも分かるので素直に指示に従う事にした。


「ホムちゃん、逃げると言っても魔物の足は速いよ。大丈夫なの?」

「それはハ○エースと同じ頃に作ったバイク、TWがあるから大丈夫。クリスちゃん達も気をつけてね」


 ホムが取り出したのはヤマハのTW200によく似たバイクである。ホムは前世でバイクに乗っていたが、その時の愛車が初代TW200であった。

 馬鹿みたいにでかいバルーンタイヤのおかげで砂浜ですら走行可能、セルとキックの両方が装備されているおかげでバッテリーがあがってもエンジンがかけられるし、キックができないような不安定な場所でもセルが使える。燃費も良いバイクであったが、この場ではエンジンが全く違うので燃費は関係なかった。


「じゃあ、行ってくるね!」


 ホムはアクセルをふかし、全力で森の中のダンジョンへと向かって行くのだった。


 ところで、オフロードバイクと言えども鬱蒼とした森の中を問題なく走れるわけではない。勿論オンロードバイクに比べれば走破性は上だが、それでも幅広いハンドル幅、滑る路面、突き出た木々の枝等取り回しにはかなりの技術が必要になる。

 ホムはそれをどう解決したか。答えは「滑る路面はバルーンタイヤのグリップに任せ、邪魔になる木々の枝は魔法で刈り取る」であった。

 人がようやく通れるような獣道を爆進しつつ、進路上にある邪魔な木々を風魔法で切り取り、岩を水魔法で破壊しながらもトライアル車のような身軽さで駆け抜けていく。


「よし、間に合った!」


 ホムがダンジョンに到着したときは、かろうじてスタンピードの発生に間に合っていた。ダンジョン内部では既に魔物が多く発生しているのが感じられる。ホムはダンジョンの入口に向けて遠隔で操作できる機関銃を扇状に配置し始めた。

 ホムも馬鹿正直に一体一体を倒していくつもりはない。入口から大勢で出てくるのであれば、そこを狙って弾幕を張るのは当然であった。

 この機関銃で倒せるのは、精々中級くらいまでで、上級魔物には傷をつける事は可能でも倒せる程ではない。そこは第二陣として用意している対地ミサイルとホム自身の魔法である程度は対応するつもりである。


 ホムの準備が終わって草むらに身を潜めたのと時を同じくして、まずゴブリンの群れがダンジョンから湧き出してきた。

 ダンジョンの魔物は倒すと、魔素に戻っていく。ダンジョン内で倒した魔物はそのままダンジョン・コアに還元されてしまうが、ダンジョンから出てきたダンジョンの魔物を倒した場合、魔素は拡散されてしまいダンジョン・コアには還元されない。そのため、ホムは魔物をダンジョンから出たところで仕留めていく事にしていた。


「よし、発射!」


 ホムは各機関銃へと繋がったボタンを押し込む。指令を受けた機関銃はその弾の続く限り発砲を続け、出てきたばかりのゴブリンは、出て3歩くらいしか歩くこともできずに倒されていった。

 ホムはダンジョンの入口を注視しつつも弾の切れた機関銃に補充を行い、ゴブリン共の殲滅を続けていた。ゴブリンはいつの間にか上位種になっていたが、それにホムが気付く間もなく機関銃の弾幕に倒れていっていた。


「そろそろ中級の魔物かなぁ」


 最初のゴブリンが出てきてから3時間、ゴブリンの後に出てきたコボルトやオークも倒していた。ダンジョンの入口には、魔物のドロップ品が散乱しているが、下級の魔物のドロップ品はあまり高く買い取ってくれないし、そのために連射中の機関銃を止めるのも面倒だったため、そのままほったらかしにしていた。


 そして出てきたのはオーガである。オーガは硬い皮膚を持つため機関銃でも1発では倒せない相手だが、1発で倒せなければ沢山当てれば問題ないのである。

 こうして、オーガ達もゴブリンやコボルト達と同じ運命を辿るのであった。異なるのは、それまで3歩以上先にこれなかったのが5歩くらいまで出てこれるようになったくらいである。

 正直ホムは忙しくはあるものの、単調なこの状態に飽きてきていた。だからと言って機関銃の一斉射撃を止めて身一つで戦おうとも思わなかったが。


 こうしてホムは徹夜で機関銃の一斉射撃を続けるのだった。


TW200、いいバイクですよねぇ。

勿論スカチューンしてないどノーマルのやつです。

もう手放してしまいましたが、東京から神戸まで週末の夜から下道でトコトコ走ったり、帰省に使ったりしてました。

静岡の砂浜で、後輪が半分くらいまで沈みながらも走っていたのは驚きでしたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ