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トラディアルに帰ってきました

今回かなりの難産でした。

おかげで書き溜めが…

 ホム達がトラディアルへの帰路へつく日の正門前。ホムとクリスの他に7人の同乗者がいた。ホムはハ○エースを4列にした上で荷物もハ○エースに密かに取り付けた空間拡張を付与した荷物入れに放り込むことで、全員が乗れるようにした。


「それじゃ、最初は次の次にある村だっけ?」

「はい、よろしくお願いします」

「はーい、任せてね」


 全員が乗ったことを確認したホムがゆっくりとハ○エースを発車させる。慣れていない人が乗っている状態では流石に急発進、急加速はしないのだ。

 ホムの後ろにはアリスが乗っているが、他にも人がいるためか、ホムに声をかけることはない。ただ、ホムの運転を少し懐かしげに眺めているだけだ。


 こうして、そこの村で2人、あっちの街で1人と降ろしていき、最後はトラディアルまで行く4人だけになった。

 そしてトラディアルの手前で一泊する事になり宿をとることになったのだが、ここでアリスが初めて提案を行った。


「すいませんが、私とホムさんを同じ部屋にして頂けないでしょうか」

「え、それは構いませんが。どうして?」

「ちょっとここでは…」

「何か訳ありのようだね。4人部屋でも良かったんだけど、2人部屋2つにするよ」

「あ、ありがとうございます」


 そして部屋に入ったアリスがホムに話しかける。


「ホムちゃんは異世界転移って知ってますか?」

「知ってますよ。私も多分アリスさんと同じ地球の日本から来てますので」

「!そうなんですね。それじゃ、ハ○エースがロリコン御用達なのは?」

「それは知らなかったなぁ。そうなの?」

「はい、そうです。でも、まさかロリが運転してるとは思いませんでしたが」


 アリスの知識は偏りすぎである。ハ○エースは、ロリコン御用達ではない。ちゃんとしたワゴン車だ。


「ま、まぁそれは置いといて。私の事はまだクリスにも話していないんだ。転移者と言う事以外にも秘密にしていることがあるので、トラディアルに帰ってからそこら辺も含めてみんなの前で話そうと思う。アリスは言っても言わなくてもどちらでも良いと思うが、どうする?」

「私もその時にみんなに言おうと思います」

「了解。それじゃ、この話はここまで。明日を楽しみにしておいてください」

「はい、わかりました」


 結局ハ○エースの話だけして、2人は眠りにつくのだった。


 そして、トラディアルに到着した4人はそのままホムの家へと向かう。クリスからお屋敷と聞いていたアリスとソフィであったが、実際にホムの屋敷を見て想像以上だったことに驚いた。

 そして、執事の名前がセバスチャンではないことにアリスが残念がっていた。


「えっと、ホム様。この方は何故残念がっているのでしょう?」

「気にするなトマス。ごく一部の人にしか通じない事だ」

「は、はぁ」

「それより、夕食時は全員集合だ。この2人の紹介もあるし、私の事でみんなに言わなくてはいけない事がある」

「はい、わかりました」


 使用人達へのお土産を渡しながらトマスに指示を与え、ホムは自室へと向かっていった。なお、アリスとソフィは2階の空き部屋を使うように伝えており、既に各部屋を選んで入っていた。


 夕食の時間になり、使用人も含めた全員が食堂に集合した。アリスとソフィの紹介だとみんな思っているが、集合をかけたホムとアリスのみがその後に話される事の方が大ごとだと知っていた。


「さて、こっちの黒髪がアリス。んでこちらがソフィだ。今後は私とクリスも含め4人でパーティを組む事になるが、彼女らは学生ではないので昼間はこの屋敷にいるか、私たちとは別に依頼を受けている事が多いと思う」

「アリスです。ランクは9級です。よろしくお願いします」

「ソフィですわ。ランクは同じく9級ですの」


 一応2人の紹介をしたところで、各自食事をとり始める。この日の夕食はホムが土産で買ってきた海産物メインの料理であった。

 アリスとソフィは食べ飽きているかとホムは思っていたが、実のところ余裕のない2人は安い雑魚がメインの料理ばかりだったので土産になるようなそれなりに高い魚は食べてなかった。


 食事も一通り食べ終わり皆が一息ついたところで、ホムは口を開いた。自分がリッチによって作られた魔法生物である事、魂はアリスと同じ世界の男性だったと言う事を初めて打ち明けた。


「それじゃ、ホム様はずっとそのお姿なのですか?」


 恐る恐るといった感じでリンネが問いかける。ホムはやっぱり気持ち悪いよなと思いつつ、答えた。


「そうだ。だから、周囲の人に気味悪いと思われる前に旅立つことになるだろうな」

「そんな!ホム様の天使のようなお姿をいつか見れなくなるなんて!」

「はい?」


 使用人達はホムの愛らしい姿に心癒されており、忠誠度もカンストしていたのだ。それはクリス達も同じで、ずっと一緒にパーティを組んでいくつもりであった。だが、それはホムが成長できない以上無理な話であった。


「うーん、いつか森の屋敷に戻ってシルキーにでも聞いてみるよ」


 とりあえずそう答えるのが精一杯であった。


 そして、もう一つの話題に入る。それはパーティ名であった。クリスと2人の時はパーティ名がなくても一緒に行動していたから問題なかったが、アリスとソフィが加入することで別行動も増える事からパーティ名をつけようという話になったのだ。


「で、どんなのがいい?」

「ホムちゃん親衛隊!」

「却下」


 アリスの提案はホムにより即却下である。それからも「ホムちゃん愛で隊」だの「ホムちゃんとその仲間たち」だのといった案が(主にアリスから)出たが、全て却下であった。


「いい加減私の名前をつけるのやめない?」

「えー、わかり易くていいじゃん」

「そうですよぉ」

「そうねぇ。直接的なのはやめましょうか」

「いや、間接的なのもダメだからね」


 みんなセンスのカケラもない。ホムは自分の事は棚に上げてそう思った。そういうホムの出したパーティ名は「カラフル少女隊」。ダメダメである。


「んー、良いの出ないねぇ」

「そうだね」


 そんな中、アンがおずおずと右手を上げて言った。


「花の名前とかではダメなんでしょうか」

「それ採用!」


 そうして方向性が決まり、また何度か案が出ては却下されて決まった名前が


「曼珠沙華」


 だった。


「曼珠沙華って言うのは聞いた事ない花だが、どんな花なんだ?」

「あー、こっちにはないのか。私の故郷にあった花なんだけど、秋に咲くとても綺麗な花なの。だけど、この根っこを食べたら死ぬって言われててね。そのために言われてるって聞いた事があるのよ」

「そうそう、綺麗な花なんだけど、毒があるから。私達にはいいんじゃないかな?」

「そうね。それにこっちには無い花なんでしょ?似たような名前も聞かないし、いいんじゃないかな」


 こうしてパーティ「曼珠沙華」がスタートすることになったのだった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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