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ある日のホムとクリス その2

全然書き溜めが進みません。

ネタがないわけではないのですが、私の文章への出力機能に不具合があるので、上手く書けないんですよね。

もうかなりのおっさん(いやじいさんに近いかも)なので、文章力はあげないと行けないんですけどねぇ。

「クリスー、今日はどの依頼しようか?」

「うーん、あ、この依頼はどうかな」

「これオーバンドーさんとこの倉庫整理だね。知ってる人だし、受けてみようか」


 トラディアルに来て2ヶ月、今日もホムとクリスは放課後に冒険者ギルドで依頼を探していた。依頼は基本的に早い者勝ちなのだが、10級の場合はどの依頼もあまり変わらない。一部大変なものもあったりするが、それ以外は買い物代行だったり配達だったりと子供の手伝いに近いものばかりだ。

 そんな中2人が選んだのは体力勝負な倉庫整理だったのだが、獣人で見た目よりは力のあるクリスと怪力ホムンクルスなホムである。そんじょそこらの10級冒険者よりは体力に自信があった。


「はい、オーバンドーさんとこはわかります?」

「わかりまーす。行ってきますねー」

「行ってきます」


 受付で依頼の手続きをしたあと、2人はオーバンドーの店へと向かって行った。


 オーバンドーの店までは冒険者ギルドからは少々距離がある。大通りを人混みの中、ひらりひらりとかわしながら駆け抜けていく2人の少女。今年度の新入生で新人冒険者であるホムとクリスだ。


「おや、ホムちゃん。今日も仕事かい?」

「おじさん、こんにちは!今日はオーバンドーさんとこ!」

「クリスちゃん、いつも頑張るねぇ。これ、ホムちゃんと食べな」

「おばさん、ありがとう」


 10級冒険者は街中の依頼をこなす事で街の人達に顔を売り、ギルドと街の協力活動を円滑にするという目的がある。そういう意味では、ホムとクリスは十分に目的を達成しているのだが、もう一つの規則である「昇格は最短でも半年」が枷になっていた。


 それでもホム達は特に不満をこぼすでもなく、むしろ喜んで依頼をこなしていた。ホム達にとっては街中の依頼も新たな発見ができる冒険の一つなのだ。


「あ、オーバンドーさんだ。こんにちはー!ギルドで依頼見てきましたー!」

「おぉ、こんにちは。倉庫整理の依頼かい?」

「はい、その依頼です。詳細はこちらに来てからって事でしたが」

「担当の者が来るはずなんだが…。やっと来たか。

 セコッチ、遅いぞ。約束の時間も守れないようなら、商人として失格だ」

「も、申し訳ございません」


 やって来たのはひょろっとした目つきの悪い男だった。眼鏡をかけ、左右にピーンとのびた鼻髭が目立つ男だ。遅れてきているのに急ぐ様子もない。一応頭を下げたが、反省していないのは明らかだった。


「倉庫の整理だが、この表に従って荷物の再配置をしてもらえればいい。大した量はないから、ホムさん達ならすぐ終わるだろう。セコッチは一応監督として置いておくが、何もしないように。いるだけでいい」


 オーバンドーのセコッチに対する態度が、ちょっとキツい。いや、かなりキツい。その理由がホムにはわからなかった。勿論クリスもわからない。


「じゃあ、ホムさん、クリスさん、お願いします」

「「はい、わかりました!」」


 とりあえずオーバンドーから表を受け取ったホム達は元気よく返事すると、倉庫へ向かって走り出した。めんどくさそうにしていたセコッチを置いて。


 そうして倉庫に到着したホム達は、早速表に従って荷物の再配置を始めた。確かに荷物は大したことのない量であり、セコッチが到着する頃には半分以上が終わっていた。


「ふぅん、たかがガキ2人にしてはやるじゃない」

「…」


 セコッチがイヤミったらしく言うが、2人は完全に無視した。街中でも依頼を多数受けていれば、たまにはこういう人もいる。その場合、下手に相手をするよりは無視して早めに依頼を終わらせた方が良いと経験で学んでいた。


「さて、これで終わりですね」

「うん、そうだね」


 作業は終了したが、オーバンドーがこの後確認に来るので、それまでは待っていないといけない。セコッチに至ってはいつの間にかいなくなっていたが、終わる頃に戻ってきて所在なさげにしている。


「あぁ、もう終わられていたんですね。お疲れ様でした」

「あ、オーバンドーさん。全然平気ですよ。荷物も大したことなかったですし」

「はい。問題なかったですよ」

「そうですか。それでは…」

「いえ、問題ありますよ」


オーバンドーの声を遮ったのはセコッチだった。セコッチは、ある荷物の前に来るとオーバンドーに向けてこう言った。


「この2人、荷物を盗もうとしております。事実、ここの荷物は本来の量より少なくなっています」


 そこは確かにホム達が再配置した荷物の1つであった。だが、当然ながらホム達は盗みなんかしていない。というか、その荷物の中身が何かも知らないのだ。表には「〜と書かれた荷物」と記されていたので、中身を知らなくても問題なかったのである。


「セコッチさん、私達の作業を全部見た上で言ってますか?」


 倉庫内の空気がいきなり冷たくなった感じがした。ホムの威圧である。


「あなた、ここの作業が半分くらい終わったところで到着して、しかもその後どこかへ行ってましたよね。行った先もわかっているんですが、どこに行っていたかここで言いましょうか?」


 セコッチはガタガタ震えながら否定しようとするも、ホムの威圧によってできずにいた。ホムは更に続けた。


「ついでになくなったという荷物、既に場所はわかっています。どこにあるのかも教えましょうか?」

「本当かい!?ホムさん」

「ええ、この倉庫から少し離れた路地に荷車があります。そこに積み込まれています」

「お前達、私の護衛はいいから荷車を抑えろ!ここはホムさんがいれば大丈夫だ」

「はいっ!」


 オーバンドーについていた護衛達が慌ただしく慌しく出て行く。セコッチは既に立っていられずがっくりと膝をついている状態だ。オーバンドーはそれを苦々しい表情で見つめていた。


「オーバンドーさん、この人は結局どういう人だったの?」

「あぁ、護衛達が帰ってきてからでないとはっきりしいないが、どこか別の商会からのスパイだったんだろう。行商メインの私の商会なんて大したことないのに、何故かこういった輩がたまに入り込んできてね。迷惑してたんだよ」

「そうだったんですね」


 このセコッチ、このトラディアルで雇用された男であるが、経歴はデタラメだし、勤務態度は悪いし、言動も怪しいときて内々に調査をしていたのだった。そして倉庫整理で信頼するホム達が来たことで、敢えて監督を任せている間に店内での調査を進めていたのだった。

 まさかこの倉庫整理の間に荷物の横領までするとは思っていなかったが、これでセコッチが真っ当な人間ではないことははっきりした為、結果オーライであった。


「ただいま戻りました!ホムさんの言う通り、荷車がありましたので押収しました!」

「ご苦労。このセコッチを衛兵に突き出したいがどこのスパイかわかっていない。とりあえず一室に閉じ込めておいてくれ。くれぐれも逃げられないようにな」

「了解!」


 オーバンドーの護衛によって簀巻きにされたセコッチが倉庫から運び出されていった。ホム達はそれを見送ると、オーバンドーに向かって言った。


「彼は倉庫に来る前、アクーダ商会に寄っています。多分アクーダ商会のスパイなんでしょう。荷車もそこのもののようですし」

「ホムさん、何故そこまでわかるんですか」

「私達はこの2ヶ月、街中の依頼を受けていますので、大体の地図が頭の中にできています。そして、セコッチさんは最初に見た時から怪しかったので、念の為魔力でマーキングして行動を密かに監視してました。荷車の場所も、セコッチさんがそこに行ったからわかったようなものです。」


 ホムの探索魔法は、普通の人の探索魔法に比べて破格の性能を誇る。そもそも使う魔力の量が違うのだ。頭の中に描いた地図にマーキングした対象をプロットすることくらいは朝飯前であった。


「ありがとう。今回の倉庫整理の依頼、セコッチの件の分も含めて報酬は色をつけておくよ」

「わーい、ありがとうオーバンドーさん!」

「あ、ありがとうございます、オーバンドーさん」


 こうしてホム達は、ただの倉庫整理のはずがスパイ摘発までしたことで3倍以上になった報酬に喜ぶのだった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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