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約140字創作百合ログ  作者: 篝遊離
19/19

19・Twiiterでほぼ毎日投稿、当サイトでの更新は不定期

140字で見る女と女のお話。

・雨


雨の音がうるさくて、隣を歩く彼女が何を言ってるのかよく聞こえない。一緒に歩いてるだけでも億劫なのに、ノイズをずっと聞かされるせいで余計に憂鬱だった。

「ここまででいいや」

そう言って彼女は傘から出た。テキトーな相槌がよくなかったのか、どんどん濡れていく彼女は少し悲しそうに見えた。






・私のかわいいアスクレピオス


カーテンを開き眩しい朝日に目を瞑る。心身ともに不健康な生活をしてる自覚があるから、真人間のような時間に目を覚ますのは久しぶりのことだった。

枕元で携帯端末が震える。画面には「今日暇なら遊ぼうよ」と愛しい彼女からのメッセージ。

偶然の早起きはきっとこの誘いを受けるためだったのだ。






・泣くなフローレンス


寝てる間に掻きむしっていたようで、手には昨晩まではなかった擦り傷ができている。薄い皮膚が剥がれてその下の薄ピンクや血の色がのぞき、ヒリヒリと痛い。

「まーたあの子に色々言われる」

人の痛みに敏感であることは、 果たして社会的動物として正しいことなのか。よくわからないまま生きている。






・マスターピース


嫌いではなかった。むしろムカつく有象無象たちの中でもかなりマシな方。苛つくが一緒にいても悪くはないと思える、貴重な相手だった。

「私はあいつと、多分セックスができる……」

そう自覚した途端に、嫌悪感がお腹の底を掻き回すような嫌な感じがした。彼女をそんな目で見れる自分が気味悪かった。






・やけど


「似てるんだ。あいつ」

もう認めるほかない。どれだけ邪険にしても側にきて構おうとしてくれる彼女は、「先生」に似ていた。

「先生はあたしをひとりぼっちにさせないよう頑張ってくれてた……けどあたしを置いてった」

好きなヒトが遠くへ去ってしまう痛み。彼女を見てると嫌でも思い出してしまう。






・マスターピース②


走っていたらいつのまにか一駅隣まで来ていた。ブランクは思いの外キツく、壁に寄りかかり必死に息を整える。

「なんだよそれ、なんなんだよ……」

ずるずるとへたりこむ。「キミといると心臓が苦しくなる」「嬉しくてたまらないのに落ち着かなくて不安」、彼女の真っ直ぐな言葉たちが脳裏を駆け巡る。






・マスターピース③


「寒いなら上着貸そうか」

自分でも気味悪いと感じる軽薄な笑いがこぼれた。今きっとこれから親切をしようという人の顔をしていない。

「アンタが寒くなるでしょ」

「平気、走って帰ればあったかくなるし」

「おいてくつもり?」

え、と間抜けな声が出るのと彼女がハッとするのはほぼ同時だった。






横書き表示推奨。2021.04.29から2021.05.05までにTwitterへ投稿した約140字の創作百合小説をまとめました。

最終更新日・2021.06.23

・雨(あんま好きじゃない女に懐かれてる女の話)

・私のかわいいアスクレピオス(心身ともに不健康な女には生きる理由になる好きな女がいるって話)

・泣くなフローレンス(身体に傷がつくことを厭わない女と人の痛みに敏感な女の話)

・マスターピース(ほとんど唯一の友達に「友達以上」の感情を向けてるかもしれないと気付いた女の話)

・やけど(大切な人を失った女がもう一度大切を知る話)

・マスターピース②(ほとんど唯一の友達に「友達以上」の感情を向けられてるかもしれないと気付いた女の話)

・マスターピース③(大事な友達のことを最近もっと大事で愛おしいなと思うようになった女の話)


「pixiv」と「カクヨム」にも投稿しています。

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