92.ダンジョン リターンズ⑪
更新お待たせ致しました。
今回はダンジョン組のお話しです。
今回も楽しんで頂けると幸いです。
一方ダンジョン組。
一晩休み、今日から本格的に80階層攻略をするべく準備をしていた。
するとアレンが口を開いた。
「それにしても暑いね」
「ああ。環境耐性持ちの俺達でも暑いは暑いからな。体力的なダメージはほぼないけど」
80階層は熱フロア。
マグマが所々溜まっており、ボコボコと沸騰している。
そんなフロア。
「またマグマントとかいるのかな?」
クリンがふと思った事を口にした。
「どうだろうな。仮にも勇者連中が攻略断念したダンジョンだ。より強いのがいるかもな」
俺は勇者連中が攻略を途中で中断した理由が引っ掛かっていた。
何故中断せざるを得なかったのか。
15年放置する理由が思いつかない。
何か理由がある。
それはダンジョンの中か、もしくは外にあるのか…。
俺達は支度を終えダンジョン攻略を再開した。
80階層は想像通り火系、熱系の魔物が多かった。
以前も出て来たマグマントを始めエビルファイア、火蜥蜴、ファイアーリザード、マグマシーホース、ファイアーシュリンプ、レッドシェル、レッドシーライオン。
大好きな海鮮パーティだ。
あの頃と違うのはどれもLv.400以上と言う所だ。
特にマグマントは打撃が効かない液体の魔物だ。
それ故対処に少々苦労した。
以前と同様、闇と光の魔法で倒す他ない。
打撃攻撃しか持たないクリンにはホーリーフェイバーを掛け戦ってもらった。
だが違うのは魔物だけではない。
俺達も成長している。
それに熱耐性は完スト。
大したダメージを負う事なく俺達はダンジョンの先を進んだ。
時には海鮮料理に舌鼓を打ちながら。
時には戦闘に少し苦戦しながら。
そして2日費やし89階へ到達。
ボスとの対戦。
80階層のボスはマグマキング。
マグマントの進化した姿であり、人型をしたマグマの魔人。
大きさは約10m程。
人型だけに動きは早く、魔法も使って来る。
その上物理攻撃が効かず、光と闇系の魔法以外あまりダメージを与えられない。
レベルは遂に602と俺達と同じレベルまで迫っていた。
マグマキングだけならまだしもマグマウォーリアと言う人型マグマ兵が5体。
マグマウォーリアのレベルは平均して400後半。
クリンにはホーリーフェイバーを掛け、俺とアレンで闇系の魔法で攻撃。
シーナとスーカで光系魔法で攻撃。
多少ダメージを負いながらも何とか倒して俺達は90階層に足を踏み入れた。
その頃には俺のレベルは725とレベルアップをしていた。
シーナが658。
アレンが671。
スーカが657。
クリンが713。
となっていた。
恐らくボス達の兆候を見るに次のボスは700近いレベルのボスが考えられた。
これまでも出来る限り1F中を歩き周り出くわした魔物と戦って来た。
だが見逃した魔物や面倒で戦わなかった魔物はいる。
そろそろレベルの差が魔物となくなって来た為レベル上げも兼ねて出来るだけ魔物と戦うのが得策だろう。
師匠が言うにはこの世界のレベルは999で完ストらしい。
レベルが999となった時、俺達が適わない者はほぼなくなると言っていいだろう。
もしこの世に魔族のLv.999がいたら話しは別だろうが。
俺達は次のステージ90階層へ進んだ。
ダンジョンの外では俺達が90階層突入した事が放送され、大いに盛り上がったらしい。
そして俺達に続いて60階層へ突入した者が現れた事も放送されたらしいが…。
90階層に降りるとそこには今までないステージが広がっていた。
どういったステージなのかと言うと…そこは空。
所々に石で作られたような逆円錐形の足の踏み場があり、浮遊しながら行かなければいけない所もあるようだ。
その足場にワイバーンや猛禽類のような大きな鳥型の魔獣が休んでいたり、そこら中を飛び回っている。
勿論下見えない程高所にあるようでこのフロアをクリアする大前提として魔法を使えなければならない。
そうなると問題は魔法が使えないクリンだ。
俺かアレンかスーカが重力系の魔法で体を浮かしたりするか、背負って飛ぶかすれば問題ないとは思う。
だがいざと言う時クリンを抱えながら戦えるだろうか…いや、戦えはするが庇いながら戦って負ける事があるかも知れない。
そう考え、俺は魔袋から一つロープを取り出した。
土蜘蛛の糸で作ったロープ。
頑丈でワイヤーのような頑丈さを持っている。
その上肌触りは上質で前世の世界には確実にない素材だ。
それをクリンに持たせると俺は周辺を達眼で見渡し始めた。
そしてLV.510のワイバーンをワイバーンを見つけた。
俺は一瞬でそのワイバーンに飛び乗り、暴れるワイバーンに統率者を発動。
これで即席ワイバーン飛行機の出来あがりだ。
クリンをワイバーンに乗せると皆羨ましがった。
何故なら楽しそうだからである。
そして何処の世界も空を飛ぶと言うのは一つの憧れなのだ。
そういった感じで俺達は一人ワイバーンに乗り90階層を進んだ。
よりレベルの高い魔獣を捕まえては統率者で仲間にしクリンを乗せ換えた。
乗り物が強ければクリンに危険はない。
フロアにいる魔獣は1F平均100体。
魔獣を倒しながら進む。
10階降りる頃には1000体以上の魔獣を倒した。
そしてレベルも743にレベルアップ。
シーナが688。
アレンが700。
スーカが683。
クリンが735。
となっていた。
そして俺達の目の前にはボス部屋の大きな鉄の扉が立ちはだかっていた。
ボス部屋の扉は大きな岩の上に立っている。
それだけだ。
扉の裏も扉しかない。
ボス部屋が見ないのだ。
恐らくこの大きな扉を開ける別空間に飛ばされ、そこには違う空間が広がっているのだろう。
するとクリンが口を開いた。
「来たね、99階」
「ああ」
「ここまでの魔物で最高レベルは?」
「今クリンの乗ってるブルードラゴンのLv.576?」
「結局ここまで来るのに何体乗り物変えたっけ?」
「5体?」
「乗り物はなんぼあってもええですからね」
「そりゃそうだけど…」
「何だかんだ僕等全員が乗れちゃうしいいんじゃないかな?」
「それでボスの予想レベルは?」
「Lv.650はありそうだな」
「辛うじて皆セーフって感じか」
「ここを突破しても109階は誰か確実に抜かれそうじゃない?」
「大丈夫だろ。スペシャルスキル:超感覚、環境耐性、身神、御神体を持ってないやつはいないし」
「その辺は徹底して鍛えたもんね」
「人間って脆いからね」
「龍の鉄の鱗みたいなのって反則よね」
「兎に角だ!この先にボスが待ちかまえている!先ずはそいつぶっ倒してから先の事は考えよう」
「だね」
「うん」
「わかった」
「…」
するとクリンが扉の前まで歩き、大きな扉を両手で押して空けた。
俺達はクリンに続いてボス部屋の中へと進む。
皆ボス部屋に入ると自動的に大きな扉は元に戻り、大きな音を立てて閉まった。
ボス部屋の中はやはり空であった。
先程まで見ていたフロアとは別の空。
ボス部屋専用の空だ。
そして数百m先に大きな岩があり、そこの上に乗っている者がボスだろう。
こちらを見るなり咆哮を上げているようだ。
遠目でも良くわかる長い首、羽の付いた胴体。
するとシーナが口を開いた。
「どう見てもドラゴンだよね」
「ああ」
「何の種類だろ」
「あの見てくれで思い付くのはー…ファブニールだな」
ファブニールとは龍種の一つで体の上部が青、下部が薄い茶色をした龍で大きな頭に青い目、鋭い牙、硬い鱗、長く太い尻尾、四足歩行で鋭い爪を手足どちらにも持っており、特に特徴的なのはまるで鋭利な刃物のような3つの背びれである。
するとアレンが口を開いた。
「ファブニールって龍種の中でも上位種じゃなかった?」
「ああ。ファブニール、グウィーヴェル、ウロボロス。この三種は遭遇したら逃げろと言われている位の上位種であり、天災級の化け物とされているな」
「しかもレベル高いって…これ苦戦しそうじゃない?」
「取り合えずこっちに向ってるみたいだし達眼で見てみるさ」
ファブニールはブルードラゴンの最終進化型だと言われている。
そのファブニールは既に自分がいた大きな岩から飛び立ち、こちらへ向かっていた。
その速度は飛行機よりも早く、俺達との距離は約300m程あったはずだが羽を一仰ぎで100m程の距離まで詰めていた。
俺は達眼を発動。
【種族名】ファブニール
【個体名】なし
【Lv】653
【称号】スカイルーラー
ここまで見た所でファブニールの大きな口が俺達に迫っていた。
何も言わずとも皆ファブニールの噛み付く攻撃を避ける。
避けた先でシーナが俺に質問をする。
「どうだった?」
「Lv.653!最後まで見れなかった!」
「653…いけなくはないわね」
と一人呟くとシーナは剣に魔法を纏い始めた。
「これで様子見してみるか」
そういうとボス部屋の所々に散りばめられた足場の岩を蹴って一瞬でファブニールとの距離を詰める。
そして水を纏った剣を縦一線に振り下ろした。
「ウォーターブレイド!」
シーナの放った魔剣は基礎中の基礎である。
だが熟練度を完ストしたウォーターブレイドは圧縮する事が可能。
極限まで圧縮されたウォーターブレイドはまさに水刃。
岩をも切るウォータージェットと化すのだ。
「ドォォォォォン!!」
大きな音を立ててファブニールへ着弾する。
通常であれば一つの山をも切断するシーナのウォーターブレイド。
だがファブニールには少々のダメージしか与えられなかったようだ。
ファブニールは大きな口を開けて咆哮を上げた。
「ギュギャイヤァァァァ!!」
そして俺達とファブニールの戦いが始まった。
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