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86.ダンジョン リターンズ⑧

更新お待たせして致しました。

少々設定で甘い部分がありましたので訂正していきます。


海岸には青年がうつ伏せに一人倒れていた。

打ち寄せる波の音の中、倒れた青年を見つめる少年が青年の向かいに肩を上下しながら立っていた。

その少年は背のフードを風に靡かせ、露わになった顔は青髪で耳が尖っており、手には血の付いた剣。

剣からは鮮血が滴り、少年の頬には切り傷があり、傷口から流れた血が顎を伝っていた。

彼等の周りは砂浜である。

だが砂浜が大きく抉れたり、月面のクレーターのような物が無数に出来ていた。

海中にも大きな穴ぼこが出来、数十匹の魚が息絶えゆらゆらと海面を漂っている。

この二人の戦いが如何に凄まじいものだったのかを物語っていた。

メタトロンがレイに勝ったのだ。


一方倒れているレイは傷だらけであった。

傷口から流れる血が海に流れ、波に漂っていた。

その量は大量で人によっては致死量になるのではないかと言う程の量が流れていた。

ビクともせず、ただ打ち寄せる波に体を濡されながら倒れているばかりであった。

そんな中メタトロンは息を整えると口を開いた。


「レイズ・ワシントン。私の勝ちだ。流石その年にして聖刀神となった男だ。前聖刀神ミカールでさえ私に一太刀も与えられなかったのを三太刀も…良くやったと褒めてやろう。だが剣技はまだまだ。それにその魔力量。魔族の私でなかったらその魔力量に付いて行くのは難しいだろう。妙なスキルを持っているな。それはお前にとっての武器になる。大事にするのだ。貴様ならもしかして…いや、ないか。剣技が疎か過ぎる。精進するがいい」


そういうとメタトロンは踵を返し歩き始めた所で立ち止まった。


「おっと。忘れる所だった。そのままで死んでしまうだろうからな。少々私も久々に熱くなりすぎた。これを飲んでおけ。また会える事を楽しみにしている。聖刀神レイズ・ワシントン」


そういうとメタトロンは魔袋に手を入れ、一つの小瓶をレイの元へ投げた。

その小瓶は透明な硝子の小瓶で中には透き通るような透明に近い青みがかった液体が入っていた。

その小瓶はメタトロンの手元を離れレイの手元にポトッと音を立てて落ちた。

フルポーションである。

そしてメタトロンはそのまま姿を消した。

レイは倒れたままフルポーションの落ちた方の手で砂をギュッと握り締め悔しさに打ち震えていた。


「っくそー。次は絶対…次は絶対勝ってやる」


【種族名】人


【個体名】レイズ・ワシントン


【Lv】685


【称号】聖刀神


【所属】トレシアスク ファミリー


【スキル】


シンプルスキル:麻痺耐性+4


ファインスキル:平安+2


ファインスキル:英明+2


ファインスキル:邪知


ファインスキル:大魔法+4


クールスキル:専心+4


クールスキル:非凡+4


クールスキル:利運+2


クールスキル:枯渇耐性


クールスキル:毒無効


クールスキル:延命+4


クールスキル:耐久力+3


ユニークスキル:剣神


ユニークスキル:神速


スペシャルスキル:超感覚(鋭感、達眼取得により発生)


スペシャルスキル:逆境


スペシャルスキル:環境耐性


スペシャルスキル:身神


スペシャルスキル:御神体


リミテーションスキル:静界煉獄サイレントパーガトリー


これがレイと魔剣神アルファス・メタトロンとの出会いであった。


その頃ダンジョン。

トゥキー達はアンデッドフロアを先に進んでいた。

するとシーナが口を開いた。


「一体このダンジョン何階層まであるんだろうね」


その答えは誰も知らない。

なぜならこのカルタカヤルダンジョンを攻略した者はいない。

俺はシーナに答えた。


「長丁場になりそうだからな。そろそろ一回町に戻るか」


「本当?いいの?」


「ああ。景気付けも必要だろう」


「「「「ヤッター!!」」」」


どうやら皆ストレスが溜まっていたようだ。

俺は腰に下げている魔袋に手を入れた。

魔袋の仕組みと言うのは実に複雑だ。

エンチャント付与だけでは出来ず、魔法陣も要する。

師匠の魔法書には少しの魔法陣も載っていた為何とか自家製魔袋が作れたが今持っている師匠の御下がりの無限魔袋位の容量となるとそれだけでは作れないらしい。

特殊なスキル、ユニーク以上のスキルが必要となるようだ。

まだまだ俺にはこの世界にあるスキルの全ては理解出来ていない。

様々なスキルがあり、それを人々は日々使い暮らしている。

時には人を殺す為に、時には人を守る為に使われているのだ。

この先の冒険で嫌でもスキルについて学ぶだろうと師匠も言っていた事を思い出した。

そして魔袋から二つの石を取り出した。

すると石を見てシーナが口を開いた。


「いつ見ても不思議よね。こんな石ころでワープ出来るなんて」


この二つの石がマーキングワープストーン。

先ずティアドロップ型の青い石を手に持ち魔力を流す。

すると転移石であるマーキングワープストーンが所有者情報を記憶する。

所有者情報を記憶したマーキングワープストーンをダンジョンの壁に埋め込む。

すると壁にくっつき他の者では取れなくなる。

そもそもこの階層…と言うよりも50階層位から他の冒険者を見ていない。

俺達以外の冒険者は見ないし取られることもまずないだろう。

マーキングワープストーンは一方通行だ。

転移から転送する事しか出来ない。

転送をダンジョン内に置いておき、転移を持っておく。

そうすれば宿からダンジョンのセーブポイントまで戻れると言う訳だ。

その為ダンジョンの外に出る為に必要となるのが帰還の羽根だ。

真っ白い羽根でノブルファルコンと言う魔物の羽根である。

この羽根には魔力が込められた魔法陣が見えないペンで書いてある。

この帰還の羽根に魔力を流すとその魔法陣が光りダンジョンの入り口に戻れるのだ。

使用可能回数は一回。

単価5000Bするので国が潤う意味もわかると言ったものだ。

因みにマーキングワープストーンも単価5000B。

俺達はマーキングワープストーンと帰還の羽根のセットで8000Bで購入している。

安い店を探してもどちらも3000Bが最安。

マーキングワープストーンに関しては何回も使用可能の為それだけが救いである。

そして魔袋から帰還の羽根を出し皆に言った。


「じゃあ戻るか」


すると皆円になり帰還の羽根を触る。

そして俺が魔力を流すと羽根の真ん中に書かれた魔法陣が青白く浮かび上がり、淡い光を放つと俺達を瞬時にダンジョンの入り口へ転送させた。

転送し回りを見渡すとダンジョンの入り口の光が見えると同時に無精髭を生やした熟練冒険者風の中年男性が立っていた。

その周りには同じように熟練冒険者風の中年男性4名がおり、俺達を丸い目をして見ていた。

どうやら突然現れた俺達にびっくりしたようだ。

すると一番手前にいた熟練冒険者風の中年男性が笑顔で口を開いた。


「お疲れ!どこまで行って来たんだ?」


「わからない。トラップに引っ掛かってな」


「ああ!転移トラップか!そこら中にあるからな!次からは気を付けなよ!」


「ああ」


そういう熟練冒険者風の中年男性達はダンジョンの中へと入っていった。

達眼は使わなかったが恐らくそれなりのレベルの者達だろう。

武器をチラっと見たがミスリルの剣のようだった。

ミスリル程の金属になるとそれほど持てる者は少ない。

そもそもが高価なのだ。

ボンボン…って雰囲気でもなかった為自力で稼いだのだろう。

そうなるとそれなりの魔物を退治している、それなりのレベルの人間だと推測が出来た。

そんな事を考えているとシーナが口を開いた。


「やっと戻って来たねー!」


「ああ」


俺達はダンジョンの外に出た。

するとアレンが口を開いた。


「先ずは宿戻るでしょ?」


「ああ。そうした方がいいだろう」


そんな話しをしていると一人の男が近付いて来た。

何か用だろうか…鋭感では大した脅威になる気配は感じられない。

その人物は黒いスーツを身に纏い、黒いハットを被り立派な髭を生やした中年の男だった。

身なりからして上流階級だろう。

その男が俺達に話しかけて来た。


「少々お話しよろしいですか?」


「何の用だ?」


「ここではあれなのでこちらへどうぞ」


俺達はその男の後を付いて行った。

ダンジョンの外観はピサの斜塔のような外観だ。

ダンジョンの周囲は広場のようになっており、ダンジョンを囲んで建物が建っている。

その中の一つがダンジョン運営会社の建物となっているようだ。

男の後を付いて行くと「カルタカヤル運営局」と石堀の看板を掲げる建物へ入るよう促された。

その中の客間と思われる一室に通されたのである。


「どうぞお座りになってください」


その男に言われるまま俺達は椅子に座った。

俺は本題を切り出す事にした。


「それで?用件は?」


「あまり恐い顔をしないでください。警戒など無用です」


すると部屋のドアがノックされた。

男が「入って」と言うと白いワイシャツを着て、黒いタイトなスカートを履いた秘書のような女性がお茶を持って来て机の上に並べると一礼して部屋を出て行った。

「粗茶ですがどうぞ」と出された茶を手の平で差すと男は話しを続けた。


「ここにお呼びしたのは他でもないダンジョン内の事です。私達はこのカルタカヤルダンジョンの運営を行っています。私はアレクス・トーマソン。このカルタカヤル運営局の副局長をしております。あなた方をお呼びしたのは異常事態を把握したからです」


「異常事態とは?」


「今何階層からお戻りになられましたか?」


「トラップに引っ掛かってな。60階まで行ったのは覚えているがそこからわからなくなった」


「そうですか。ではお教えしましょう。あなた方は75階からお戻りになられました」


「何故わかる?」


「はい。実はマーキングワープストーンは転送石に現在地の信号を送るように魔法が組まれています。現在ダンジョンの最高到達記録はご存じで?」


「ああ。勇者パーティの105階だろ?」


「そうです。その次はご存じで?」


「いや」


「59階です。だがあなた方が更新した。これが異常事態と言う意味がわかりますよね?」


どうやら俺達は勇者パーティの次に深く潜った事でここに呼ばれたらしい。

だが異常事態って程ではないだろう。

俺はそのまま言葉にした。


「記録更新したからと言って異常事態ではないだろ」


「異常です。勇者パーティが105階に到達したのは15年前です。この15年誰も59階以下は行けなかった。理由は59階にいるブルーワイバーンを誰も倒せないからです。あなた方はブルーワイバーンを倒し、69階のアースドラゴンさえ倒したと言う事になる。あ、いや、転移トラップか何かで75階に飛ばされたのでなければ…の話しですがね?」


「ああ。倒したよ。アースドラゴン」


「やはり…。率直に聞きます。あなた方は何者ですか?」


俺達は顔を見合わせた。

そして俺はトーマソンさんに向き直り質問に答えた。


「俺達はシャクール・オニール、ミカール・ブレイダース、アズラー・ルフォルセンの弟子だ」


「なんと!!あのバルテオナ三大神の!」


うちの師匠達は有名だ。

元勇者のパーティに属し、現魔導神と元聖刀神。

聖大陸では英雄として。

魔王大陸ではお尋ね者として有名なのである。


「それを聞いて納得です。まさかあなた方も勇者パーティの一員ですか?」


「いや、俺達は会った事もない」


「そうですか。英雄のお弟子さんとなればその実力も納得です。お疲れの所失礼しました。ペアリスにはいつまでいらっしゃるご予定で?」


「どうかな。ダンジョン攻略し次第出るつもりだ」


「やはりリミテーションスキル狙いですか?」


「勿論だ」


「現勇者様達でも105階までしか到達出来ず、何階層まであるのか未だわからないカルタカヤルダンジョン。前人未到の攻略となると大変ですよ?」


「覚悟は出来てるよ」


「そうですか。ご健闘を祈っています。お時間ありがとうございました」


トーマソンさんはそのまま俺達を退室させ、建物の出口で頭を下げ見送ってくれた。

俺達はその足で宿に戻る事にした。

すると宿へ向かう途中シーナが口を開いた。


「やっぱり師匠達有名だね。バルテオナでは有名だろうけど、ペアリスまで来て知ってる人がいるとやっぱり有名人なんだなって実感するよね」


「そうだな」


そして俺達は宿に着き、汗と汚れを落とし夜の街へ繰り出した。


一方魔王城。


「魔王様。報告がございます」


「サイモンズか。どうした?」


「はい。6年前、10番隊を葬った指名手配していた子供達が見つかりました」


「捕えたのか?」


「いえ。聖大陸側にいるようでそれは叶っておりません」


「そうか。で?聖大陸のどこにいる」


「ペアリスです。カルタカヤルダンジョンに潜っていると」


「リミテーションスキルか?」


「はい」


「6年経っている。場合によっては10番隊所じゃないぞ」


「はい。報告によれば現勇者の最高到達記録に届きそうだとの事です」


「現勇者よりも将来有望な勇者になり得る。奴等は魔王軍の脅威になり得る。早めに殺せ。手が付けられなくなる前にな」


「そこでご相談なのですが…我々でも聖大陸に行くとなるとそれなりの覚悟をしなければいけません。古株が出張って来ると面倒な事になりますし帰って来れない可能性も出て来ます」


「それで?」


「隊長や軍を出すにはリスキーですので隠し玉をお貸し頂ければと…」


「ジャルーズか?」


「はい」


「いいだろう」


「現勇者とラフエルは魔王大陸、シャムエルとアルメイスは自分の国、シャムラザはまだ囚われておる。メタトロンは行方不明、ジョセフは動かんし出張って来るとしたらアフロディーネか」


「はい。その様に思います」


「どのような方法で子供達を殺す?」


「私に考えが」


「良かろう。ジャルーズを行かせろ」


「畏まりました」


そしてサイモンズは王の間の暗がりに消えて行き、魔王は不敵な笑みを浮かべていた。

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