66.城内での攻防③
更新遅くなってすみませんでした。
日々アクセス数は増えており、いつもお読みに来て頂いている方も増えています。
今後もできる限り更新していきますのでよろしくお願いします。
一方アレン。
目の前に水で出来た無数の槍が迫っていた。
アレンはその槍に向けて杖を構え、詠唱し魔法を発動させた。
「ウォーターヴォルテックス」
するとアレンの前に水柱が発生し、水流を作り渦を巻き始めた。
大きな水柱で飛んでくる水槍を飲み込んで行く。
アレンは水系魔法が得意だ。
得意な水系の魔法が相手であった場合、水系でレジストするのは容易である。
優劣を付けるとすれば相手の魔法の熟練度と魔力量である。
どちらかが劣れば相手に押し返されてしまう可能性が多いにあるのだ。
そこが魔法の面白い所でもある。
クレイマンは横の二人に指示を出した。
「おい!デネブ!スピカ!あいつを殺れ!」
「「はい!」」
するとデネブとスピカは魔法を詠唱し初め、アレンに魔法を発動させた。
「「ロックブリザード!」」
するとアレンの前に魔法陣が現れ、魔法陣から鋭利に尖った岩の塊が無数に発射される。
アレンは高速で移動しクレイマンの後ろに付けた。
トゥキーが使った技である。
その気配を感じたクレイマンは口角を片方だけ上げニヤっと不敵な笑みを浮かべたがアレンには見えなかった。
そしてアレンは手に発動させたボルトショックをクレイマンの背中に当てた。
本来ならばクレイマンを感電させたはずである。
だがクレイマンは感電せずアレンが感電した。
「ぐああああ!!」
「ひゃっひゃっひゃっひゃ!」
自分の魔法でダメージを負ったアレンを見てクレイマンは笑った。
そしてクレイマンの目の前でアレンは膝を付いた。
クレイマンは足で膝を付いたアレンの顔をトーキックで蹴った。
だがびくともしなかった。
寧ろ蹴った自分のつま先の方が痛い位だった。
「何て硬ぇガキだ」
クレイマンは後退りしながら水圧で圧縮したウォーターボールをアレンに放った。
ウォーターボールはアレンに当ると破裂と共に大きな爆発音を上げた。
「バァン!!」
「ぐはっ!」
ウォーターボールを食らったアレンは1m程飛ばされ倒れた。
アレンは他のメンバーより劣るがそれなりの防御力を有している。
並みの人間に蹴られたからと言って左程ダメージは追わない。
要は物理攻撃は並みの人間からはほぼ効かない。
だが魔法攻撃はそれなりに効く。
物理攻撃はこの世界では底辺の攻撃力だ。
次に凶器での攻撃。
次に銃での攻撃。
次に魔法での攻撃…と言った感じで攻撃力が増す。
勿論全ての人間の話しではない。
クリンのように力を鍛えた人間の物理的攻撃は銃に匹敵する力を発揮する。
上記は身体能力が並みの人間からの攻撃を受けた時の攻撃力を表しているのだ。
アレンがゆっくりと身体を起こしながら口を開いた。
「何で魔法が返って来たんだ…」
「ふっふ。貴様が目の前から消えた瞬間危険を察知したのだ。俺は自身にダメージバウンドを掛けた。それを気付かずにお前は俺に攻撃をしてしまったと言う事だ」
ダメージバウンドは魔法である。
自身に魔法や攻撃を加えられた際に跳ね返し、術者へ返すと言う効果がある。
この魔法は特に属性はない。
強いて言うのであれば属性はノーマルである。
人の魔法は自然から発生したと言われている。
地、緑、水、風、火、雷と自然にある物から魔法は使われるようになった。
そして人は自身を守る魔法を作り始めた。
そして光が生まれ、毒が生まれ、闇が生まれた。
トゥキーの持っている魔法書では属性魔法が主に書かれている。
ノーマル魔法が抜けているのだ。
それを記した頃のシャクールには属性魔法の知識しかなかったが、Vol.3、4となって行く毎に魔法は増えていく…と言うのは余談である。
そしてアレンがダメージを負った身体を起こし立ち上がり口を開いた。
「ダメージバウンド…だと?」
「そうだ。俺はこの魔法を無詠唱で使える。どこから来ても俺をお前は倒せん!ひゃっひゃっひゃ!デネブ!スピカ!殺っちまえぇ!」
そしてデネブとスピカは詠唱し出した。
アレンは高速で移動し、瞬時にデネブとスピカを眠らせた。
トゥキーに教えてもらった技だ。
高速で相手の後ろに移動したら杖で後頭部強打してやれば脳震盪を起こし相手は倒れる。
相手を傷つけたくない時に使うのが良いと。
そしてデネブとスピカを眠らせたアレンはクレイマンに向き直り言った。
「あんただけになったようだよ。さぁ、始めようか」
「殺れるもんなら殺ってみろ!ガキー!」
アレンはクレイマンに魔法を放った。
「ウォーターボール」
高速で放たれたウォーターボールをクレイマンはわざと防御せずに当った。
すると自身にかけたダメージバウンドの効果にてウォーターボールはアレンのいた所へとそのまま跳ね返される。
「ひゃっひゃっひゃっひゃ!そんな物は効かんぞー!」
が、そこにアレンはいなかった。
アレンが先程の場にいない事を悟ったクレイマンは冷や汗をかいた。
すると背後からバリバリと音がした事に気が付くと同時に身体に電流が流れた。
「バリバリバリ!」
「ぎゃああああ!!」
ダメージバウンドは一度かけると攻撃に当るまで効果は継続される。
その間魔法発動は可能である。
それをしなかったのはクレイマンの落ち度であり、魔法でウォーターボールを防御、またはレジストしていればボルトショックをくらったとしてもそれはまたアレンに跳ね返っていた。
電熱により皮膚や衣服が焼け、煙を上げながらクレイマンは倒れた。
アレンの勝利である。
アレンは倒れているデネブとスピカを見た。
まだ目は覚まさないだろうと推測するとその場から踵を返し、歩兵の群れの方へ戻る事にした。
「スーカ大丈夫かな?」
するとまだ感覚スキルが左程上がっていないアレンでも感じとれる気配が背後に現れた事に気付いた。
その気配は今まで感じた事の無い程の恐怖の気配を纏っていた。
一方スーカにヴァインウィップが迫っていた。
スーカは迫る蔓に杖を向け魔法を発動させた。
「ウィンドカッター」
すると無数の風の刃が蔓を切り刻んで行く。
スーカはそのまま方向を変え、ロリエッタに向けてウィンドカッターを飛ばした。
これが出来るのはスーカがウィンドカッターの熟練度を完ストしているからである。
ロリエッタは迫り来るウィンドカッターを魔法を詠唱してレジストする。
「リーフカッター」
魔法陣がロリエッタの前に現れ、魔力が乗せられた葉が無数に飛んで行き、スーカのウィンドカッターをレジストして行く。
その間にスーカは敵の周りを回るように弧を描き走って移動する。
それを追って黒づくめの二人が攻撃を仕掛ける。
「サンダーボール」
「エアーキャノン」
それを交わしながらスーカが三人に距離を詰める。
ロリエッタもようやくウィンドカッターを相殺し、距離を詰めて来るスーカに向き直る。
そして詠唱し、魔法をスーカへ放つ。
「ルーツニードル」
黒ずくめ二人の魔法を避けながらロリエッタの魔法を避けるのは高速で移動しなければ難しい。
スーカはこれを最大の武器と考え奥の手として残しておきたいと考えていた。
その為、ロリエッタのルーツニードルを魔法でレジストする事にした。
そして向かって来るルーツニードルに対し、スーカは魔法を発動させた。
「ルーツニードル」
自分も同じ魔法を使えるのであれば同じ魔法で返すのがレジストの基本である。
それを押し戻すか押し戻さないかは魔力と熟練度次第である。
スーカは頭が良い。
その為いつもより余計に魔力を付与してルーツニードルを放った。
ルーツニードルは地を這って進んで行く。
そして相手の近くに来た時、初めて鋭利に尖った根っこを地面から突き上げ対象を突き刺す。
スーカの放ったルーツニードルはロリエッタのルーツニードルを地面の中で蹴散らし、ロリエッタのルーツニードルの進行を止めロリエッタへ向かって行き、その鋭利に尖った根っこを地面から突き出した。
その攻撃を辛うじて避けたが肩を根っこが掠め、傷を負ってしまう。
その間も黒ずくめの二人からのスーカへの攻撃は止まらない。
スーカは尚も弧を描きながら走り段々と距離を詰める。
負傷した肩を掴みながらロリエッタはスーカに言った。
「ガキがぁぁ!もう許さないからね!」
そしてロリエッタは詠唱し魔法を発動させた。
「ポイズンズォーン」
すると地を這って棘の付いた蔓がスーカへ向かって行く。
そこに黒ずくめ二人の火球と水球が迫って来る。
そこでスーカは魔法を発動させた。
「フラッシュ」
すると一面閃光弾を放ったような強い光が辺りを支配する。
「っく」
「うわっ!」
「まぶっ…」
ロリエッタ達はスーカのフラッシュにより目を暗ませられた。
その隙にスーカが高速移動でロリエッタの元まで走り、手の届く範囲まで近付くとロリエッタへ杖を向け魔法を発動させる。
「エアーキャノン」
すると杖から発動された圧縮された空気の玉がロリエッタに命中し爆発音を放つ。
「バアン!!」
「ぐああ!!」
エアーキャノンの食らったロリエッタはそのまま吹き飛ばされ5m程後ろへ吹っ飛んだ。
倒れたロリエッタは起き上がって来ず、周りは静止していた。
するとスーカが口を開いた。
「あんた達の助っ人はのびちゃったみたいだけど?」
すると黒ずくめの二人は顔を見合わせた。
勝てないと悟ったのか一目散に逃げて行った。
「呆気なかったわね」
すると背中に何かが飛んで来た。
「ドン!」
「痛っ!」
その飛んで来た物を見てスーカは顔を青くした。
「アレン?」
それはボロボロになり、頭から血を流すアレンだった。
スーカは膝を着きアレンに触れ身体を揺する。
「アレン?ねぇアレン?」
スーカはヒーリングを掛けながらアレンを揺すり続けた。
すると目の前に今まで感じた事のない邪悪な気配を感じ、その方向を見ると一人の男が立っていた。
スーカは直感した。
アレンをこんなにしたのはあいつだ。
スーカは眉間に皺を寄せ鬼の形相でその男を睨み言った。
「てめぇがアレンをこんなにしやがったのか!?」
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