64.城内での攻防①
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「テメー…逃がしてやった恩を仇で返しやがったな!?」
レイがカイリーに言った。
その言葉にカイリーが返す。
「俺は組合の幹部だ。自分の組織を見捨てる訳ねーだろ。だが俺じゃお前達には敵わねー。だから逃がしてもらった振りしてボスに報告したのさ。お前達が甘いんだよ」
「ボスなら俺達に敵うと?」
「いや、それも難しいだろう。だから総力戦にさせてもらうぜ?おーい!!出て来ーい!」
カイリーが大きな声で呼ぶと2Fの広い空間に下からも正面からも大勢の兵士風の男達が現れた。
恐らく300人はいるだろう数だった。
「挟み撃ちってやつだ。精々頑張ってくれや!はっは!おい!やっちまえ!」
「「「おおーー!!」」
カイリーがそういうと大勢の兵士が俺達に向かって走り出して来た。
俺はこの状況を見て判断を皆に伝える。
「フォーメーションBだ!」
すると皆師匠を軸に円形に広がり構えた。
後ろに師匠、右隣にクリン、その横にアレン、その横にシーナ、その横に俺、その横にレイ、その横にスーカと言った形になっている。
そして向かって来る敵を迎え討とうとしていると遠くから飛球が俺に向かって飛んで来た。
俺はその飛球をウォーターボールで相殺する。
「魔法使いがいるな。近距離での攻撃もだが遠距離のからの魔法にも気を付けろ!」
師匠がそう言うと更に飛球が何発も飛んで来た。
その飛球をウォーターボールでレジストする。
飛球をウォーターボールでレジストする。
飛球をウォーターボールでレジストする。
その間に歩兵が俺達との距離を詰める。
魔法使いは遠距離攻撃と近距離攻撃を同時にされた場合、近距離の防御が疎かになりがちだが、この程度の魔法をレジストしながらであれば片手で別の魔法を使う位俺には大したことはないのだ。
俺は迫り来る歩兵に対し左手を向け魔法を発動させる。
「ダークネスホール」
すると歩兵の足元に極大の魔法陣が現れ、黒い煙が発生し渦を巻き出す。
歩兵は見る見るダークネスホールに吸い込まれて行く。
魔法は各方向から飛んで来る。
俺へ飛んで来るのは火球だが、アレンにはウォーターボールだ。
普通の水球ではなく、小さく、尚且つ速い玉だ。
小さく速く発射された玉は銃弾のような威力を持つようになる。それをダークネスホールで防いでいる。
こうしておけば歩兵が近付いたとしてもダークネスホールに吸い込まれるだけなのでかなり適切な使い方だ。
それを盾にしながらシーナは火鳥を放ったり、時には高速で移動して歩兵を切ったりしていた。
師匠の方にもエアーキャノンが撃ち込まれている。
それを師匠はいとも簡単に杖でレジストをしてる。
一体どうやっているのか今度聞かなければいけないなと思った。
クリンは近寄る歩兵をハンマーでぶっ飛ばして行く。
ザ・パワーファイターと言った戦い方だ。
スーカの方にもロックガンが飛んで来ていた。
ロックガンは石の玉を飛ばす魔法だ。
スーカはサンドで石壁を作って攻撃を防いでいる。
それに一緒に隠れながらレイは火龍を歩兵へ放ったりしていた。
歩兵は確かに減っているが俺達の魔力も無限ではない。
飛んで来る魔法をレジストしながら歩兵の相手をしていれば魔力を大いに減らされてしまう。
そこで俺は皆に指示を出した。
「クリン!レイ!シー!魔法は俺達でフォローする。歩兵を片付けてくれ」
「「了解!」」
「わかった!」
そして三人は高速で移動し歩兵をなぎ倒して行く。
そうはさせたくないだろうが高速で動く3人に魔法で攻撃すれば見方も巻き込んでしまう。
その為敵の魔法使いは俺達に攻撃を仕掛けて来た。
既に相手の場所は把握している。
その為それぞれ敵の魔法使いを片付ける事が出来れば攻防も優勢に運ぶだろうと俺は考えた。
その考えを4人に話す。
「師匠と俺は相手の魔法使いの居場所を把握した。それぞれで倒す事がこの場を切り抜けられる方法だと思う」
「そうだな。あの程度の魔法使いであればお前達でも余裕で勝てるだろう」
「わかった」
「やってみる」
そして俺が把握している魔法使いの居場所を二人に伝えた。
「準備はいいか?行くぞ!」
「「了解!」」
「うむ」
そして俺達はそれぞれ魔法使いのいる場所へと高速移動した。
俺が移動した先にいたのは黒い布を頭まで被った者が二人いた。
王都で俺達を尾行していた奴等や尾行していた奴等を殺した者と同じ格好だ。
「さて、1対2だ。勿論やるよな?」
「俺達だけではお前に勝てないと言われている。勝てない戦いはしない主義だ。3対1でさせてもらおう」
そう黒ずくめの男が言うと二人の後ろから一人の男が現れた。
その男はモロットの国旗が描かれた腕章を両腕の部分に付た質の良い白いジャケットを着ていた。
髪は白く、少々眺めの髪を中分けしていた。
恐らく貴族のような身分の人物だろう井出達をして、金色で短めの先に赤い石の付いた杖を持っていた。
「お前…モロット王国の者か?」
俺がそう聞くとその男は眉間に皺を寄せて怒鳴り声を上げた。
「ガキが誰に口聞いてるんだ!俺はモロット王国の優秀なハイウィザード、トゥンケル様だぞ!貴様のようなガキが気安くタメ口きけるような人物じゃねーんだ!口に気を付けろ!」
こいつは自尊心の強い馬鹿だ。
だが実力はそれなりらしい。
何故なら俺の恵眼で見た所Lv.86だ。
普通の人間よりは高い。
横の二人を合わせたら100は超えるかも知れない。
だが俺はこの前Lv.300超えを倒したばかりだ。
その位では驚きはしない。
普通に戦っても俺が勝つだろうがより魔力を使わずに倒せるのであればそれに越したことはない。
その時俺は少し悪戯を思い付いた。
「よう!そこの二人!そんな馬鹿の力借りるとかムカつかねぇか?俺とそいつを一緒に倒そうぜ!スカッとするぞ?」
「っな!馬鹿な事するか!」
黒づくめの連中は一人が男。
もう一人は無口の為男か女かもわかない。
だが俺は思い付いた悪戯を結構する事にした。
「お前達二人、俺の仲間になれよ!」
「インフォ/スペシャルスキル:統率者を発動しました」
すると黒ずくめの二人にスペシャルスキル:統率者が発動した。
さて、どうなるのか…と俺は少し様子を見ていた。
黒ずくめの二人は微動だにしない。
するとトゥンケルが口を開いた。
「はっはっは!馬鹿が!そんなんで仲間になる訳ねぇだろ!」
すると黒ずくめの二人がトゥンケルを睨んだように見えた。
その瞬間黒ずくめ二人は俺の方に一足飛んだ。
だが体はトゥンケルに向いたままである。
そしてトゥンケルに木製の杖を二人が向けながら詠唱し発動させる。
「「ファイアーボール」」
するとトゥンケルに向けてファイアーボールが二つ飛んで行く。
「き、貴様等!!」
トゥンケルは黒ずくめ二人に怒りながらも魔法を詠唱しウォーターボールで火球をレジストする。
レジストしきって正面を見ると俺の横に黒ずくめ二人が並んで立っていた。
俺はトゥンケルに向けて口を開いた。
「二人共お前の事気に食わないってよ!」
「きーさーまー!!」
トゥンケルは頭に血が昇ったようだ。
冷静さを欠いたら勝てる勝負にも勝てない。
トゥンケルは恐らく50代。
それがわからない訳でもないだろうが…。
トゥンケルの動きは普通の人間より少し早いレベルだった。
その間に俺は二人に聞いた。
「お前名前は?」
「俺はシウバ」
「お前は?」
「私はイヴァ」
「シウバとイヴァか。二人で奴にファイアーボールの連打を頼む。その隙に俺が奴を片付ける」
「「わかった」」
そういうと二人は走り出し、詠唱をすると魔法をトゥンケルに向けて放った。
「「ファイアーボール」」
「小賢しい!!」
トゥンケルは二人の攻撃をレジストするのに精一杯のようだ。
俺はその隙にお得意の魔法を発動させる。
「ダークネスホール」
するとトゥンケルの足元に魔法陣が現れ、黒い煙が渦を巻いて行く。
流石にトゥンケルも馬鹿ではなかったようで即座に上空へ飛翔し、ダークネスホールから逃れる。
ダークネスホールの熟練度完ストは何処からどう言う角度からでもダークネスホールを出せるだけではない。
吸い込む力を強める事も熟練度によって可能になるのだ。
俺はダークネスホールの吸引力を上げた。
飛翔してダークネスホールから逃れられたと思ったトゥンケルは下に異様に早く落ち始めた。
これは不味いと思ったのか、リーフで天井から蔓を伸ばしそれを掴む事によってダークネスホールに吸い込まれる事を逃れた。
その間にもシウバとイヴァのファイアーボールはトゥンケルに飛んで行く。
蔓を掴みながら二つの魔法をレジストして行く。
俺はダークネスホールを解除し、トゥンケルに向けてロックブリザードを放った。
迫りくるファイアーボールを防ぐか、鋭利に尖った無数の石の塊を防ぐか…考えるまでもないだろう。
トゥンケルは同じロックブリザードで俺の魔法を打ち消した。
そして蔓から手を離し、着地。
そこに左右から飛んで来るファイアーボールの挟み撃ちを食らう。
「ぐおおお!!」
悲痛な声を上げながら俺のロックブリザードを防ぐ。
トゥンケルのロックブリザードの熟練度がどの位かわからないが俺は完ストしている。
ロックブリザードの硬度を段々と高くして放つ。
するとトゥンケルのロックブリザードが俺のを一発では打ち消せなくなって来た為、段々とトゥンケルに迫る。
更に左右から打ち出される火球に身を悶えさせながら徐々に迫る石の塊に耐えきれずトゥンケルはバックステップをし後退。
ロックブリザードのレジストを諦めてサンドの壁を作り、前左右からの攻撃を防御する。
その姿を見て俺はシウバとイヴァに声をかける。
「もういいぞー」
するとシウバとイヴァは攻撃を辞め、俺の所へ戻って来た。
そして俺はトゥンケルに話しかけた。
「よう!タイマンと行こうぜ!」
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