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N.Yの最凶人物が異世界転生した結果  作者: KIT
人売組合編
64/113

62.カイリー

更新遅くなって申し訳ありませんでした。

今回のお勧めのBGMは2PAC Thug lifeです。

宜しければ聴きながらお読みください。

「構わねー!やっちまえ!」


「てめぇ等、この野郎!」


「ここを何処だと思ってんだ、こら!」


罵声を浴びせながら違法クラブだと思われる室内の男達が俺達に襲いかかって来た。

魔法を使う者はおらず、俺達は素手だけでこの場を鎮圧した。

その騒ぎの中、客は外へ皆逃げて行った。

俺達がこの場を鎮圧するのにかかった時間はほんの10分程度の時間しか経っておらず、俺達の目の前にはこの違法クラブと思われる室内にいる、人売組合の一味と思われる男達が衣服を剥ぎ取られ、リーフの蔓にて縛られ室内の中央に座っている。

その数20人と言った所だ。

そしてその中の一人が俺達を見ながら口を開いた。


「お、お前等は一体…」


「俺達は悪者だ。悪者を倒す悪者と言った所か。所でここは見た感じ違法クラブのように見えるが?」


「お前等には関係のない…いででで!」


そこまで言った所でレイがそいつの耳を引っ張り、剣を耳に当て、不敵な笑みを浮かべながら言った。


「先ず耳から削ぎ落としてやろうか?達磨のようになる頃には話すだろ」


「わかった!わかった!そうだよ!国には届けてない賭博場だ!話すから乱暴しねーでくれ!」


男はレイの言葉に顔を青くしながら答えた。


「そうか。ここは人売組合の本部だと情報を聞いたが?」


「いや、ここは仲介施設の役割を担っている。本部は別にある!」


「…野郎」


この場所を教えたのはカイリーだ。

レイは施設の出口を見ながら悔しそうな表情で言った。

俺はそんなレイを宥めるように言った。


「奴の事はもういい。今度会ったら消すだけだ。俺達の目的はこの国の人売組合を潰す事だ」


「ああ、そうだな」


レイは納得してくれたらしい。

俺は縛られている男に向き直ると更に聞いた。


「お前達は人売組合の一味で間違いないな?」


「ああ」


「だったら本部が何処にあるかはわかるよな?」


「知っている」


「どこだ?」


「そいつは教えられ…」


そこまで男が言った所でレイが剣を片手にペチペチと当てながら威嚇する。


「ああん!?」


「わかった!わかった!教える!教えるよ!」


かなりあっさり事が運んだ。

どうやらこの囚われている男は口が軽いらしい。

もしくはビビりか。

もしかすると人売組合って言うのは皆自身の利益だけで動いている、絆や繋がりなど何もない組織なのかも知れない。

そう言った組織を潰すのは容易い。

俺が前世で散々やって来た事だ。

嫌って程にな。

そして俺達は縛られた男達をクラブの外へ出した。


「アレン、もうここ潰せ」


「わかった」


そしてアレンが詠唱をし始め、地下違法クラブのあった一見家に見える建物に魔法を発動させる。


「アントヘル」


蟻地獄のように地盤が陥没し、渦を巻きだし家を飲みこんで行く。

勿論地下にある施設もアントヘルの砂によって埋められた。

俺はその施設があった場所が更地になった事を確認して、囚われた男達に向き直って言った。


「お前達は自分よりも弱い者を傷付ける事で金を得て来た。弱い者達の苦しみがお前達に想像が出来るか?お前達のような人間を屑と言うんだ。弱い者達の痛みと苦痛を知れ。クリン、殺すなよ」


「わかった」


そして縛られている男達にクリンが右拳を左平手にパンパンと打ち付けながら近寄って行き、これでもかと言ったように20人程の大人の男達をボコボコに殴り付ける。

因果応報と言う奴だ。

命を取らないだけありがたいと思って欲しいものである。


「こんなもんかな」


クリンが手の埃を払うようにパンパン叩きながら言った。


「ああ。少しは懲りただろ」


するとボコボコにされた男の一人が地べたを這いながら言った。


「こ、こんな事して…ただで済むと思って…ん…のか…。俺達には…魔…王軍…が付いて…るん…だぞ」


俺はこの言葉に頭が沸騰した。

俺はその男の傍へ一瞬で近付き、髪を鷲掴みにして頭を持ち上げその男の顔を睨み言った。


「だったらどうしたコラ!」


そして更に顔を殴り、腹を蹴り続けながら続けた。


「魔王軍がどうしたコラ!付いてるからどうだってんだテメー!」


「ちょっ…トゥキー!」


「トゥキー、やり過ぎだ!離れろ!」


レイが男から俺を引き離し距離を取らせた。


「どうした、トゥキー」


「トゥキーらしくないよ?」


レイとシーナが心配そうな顔を見ると俺は段々と冷静さを取り戻して来た。


「すまん。昔からバックで脅すような事を言われるとダメなんだよな。頭に血が上って自分がわからなくなっちまう」


そうなのだ。

俺はいつからか後ろに何の組織がいるからとか人の褌で相撲を取るような事を言われると逆上してしまうのだ。

数は力だ。

だがそれを己の力と勘違いしている輩が多い。

数は力だ。

だが喧嘩は一人だ。

因ってたかって一人を痛めつけるようなオカマ野郎共が俺は嫌いだ。

ギャングの仕来たりで入隊する際と脱退する際には洗礼を受ける。

大勢の男に一人で立ち向かい皆に殴られ、蹴られ、それに耐えると言う物だ。

この仕来たりは創設者である俺達で決めた。

入隊の場合は大勢の敵にも怯まず挑む勇敢な精神を鍛える意味があり、脱退の場合は縁切り。

要は金輪際兄弟ではないと関係を断ち切る為にする事儀式なのだ。

ギャングと言う物は殺った殺られたの世界である。

その世界から抜け出し一般人として生きて行く。

そういう人間に俺達は近寄ってはいけない。

距離を取るべきなのだ。

そういった意味も脱退時の儀式には含まれている。

日本のヤクザにもある、小指を落とす…と言う儀式と似たようなものだ。

我に返って殴った男を見ると吐血してぐったりしていた。

スーカがリカバリーを掛けて男を瀕死状態から回復させる。

そしてこちらを向いて口を開いた。


「うん。もう大丈夫そう」


「そうか。すまない」


俺はスーカに謝った。


「皆にも心配を掛けてすまなかった。今後気を付けるよ」


皆の顔を改めて見て謝る。

皆心配そうな顔をして俺を見ていた。

その表情に俺は何とも言えない申し訳なさを感じたのだった。

するとレイが口を開く。


「それよりカイリーだぜ。あの野郎何処行きやがった」


「もう逃げてるか…あるいは…」


と師匠が髭を撫でながら意味深な言葉を言った。


話しは少し前に戻る。

トゥキー達が違法クラブに入って行くのを見送った後カイリーは逃げてはいなかった。

本部のある逆方向の建物へ屋根伝いに走って向かっていた。

すると近くから男の声が聞こえて来た。


「カイリー様、ご無事で何よりです」


「おお、ザイオンか。不味い事になった。ベルフェゴル様は?」


ザイオンと呼ばれた男は黒ずくめで


「カイリー様を本部でお待ちです。わかった。急ぐぞ!」


「何があったので?」


「面倒なもん拾っちまった。下手したら人売組合モロット支部がなくなっちまうかも知れねぇ」


「それは一体…」


「話してる暇はねぇ!急いでベルフェゴル様に伝えねば!」


「わかりました」


そして二人は本部へ向かって走り出した。


話しは更に戻る。

本部で寛いでいたカイリーにザイオンが報告に来た。


「カイリー様、報告があります。よろしいでしょうか?」


「ああ。どうした?」


「本日商品回収中の2号車が何者かの妨害を受けたようで商品回収不可。加え商品逃走による損害を受けました。現在犯人を尾行中です」


「何処のどいつだ?」


「わかりません。余所者かと」


「ったく余計な事を。まぁいい。今誰が尾行している?」


「パクです」


「そうか。ではキム、ヤンも向かわせろ。犯人が隙を見せたら消せ。3人がヘマしたら元も子もない。お前が見張れ。その際の判断はお前に任せる」


「わかりました」


そしてザイオンは部屋から出て行った。

それからパク、キム、ヤンはヘマをし、尾行していた相手に捕まってしまった。

組織の事を話そうとした為、ザイオンは3人を殺害。

逃走しようとしたが相手は光のように早く、魔法により目暗ましをしその場を逃れた。

本部に帰還し一連の事をカイリーに報告。

欠員を補う為翌日からカイリーが冒険者ギルドに赴き欠員補充を行うと言う形で話しは纏まった。

翌日補充要員を探していたカイリーが話しかけたのがトゥキーとスーカである。

ザイオンの報告では2号車を襲った犯人は一人で魔剣士、仲間は7人いたとの報告であった。

その為トゥキーとスーカがレイの仲間だとは気付かず声を掛けてしまい、現在に至る。

と言う話しをカイリーは人売組合モロット支部長ベルフェゴルに報告していた。


「ヘマをしたな。暗部長カイリーとも在ろう者が珍しい」


「申し訳ございません」


「貴様の目から見て私とその7人、どちらが強いと見た?」


「恐れながら向こうの方が強いかと」


「そうか。私は7人の誰にも勝てぬと?」


「それは流石に…。ですが7人…いや、3人で来られれば分が悪いかと」


「ほう。それほどか。我が支部の総力戦ではどうだ?」


「辛うじて倒せる…と言った所でしょうか」


「そうか。では迎え撃とう。助っ人の派遣を要求せよ。さすれば我が支部の方が有利となろう。逃げてはモロット支部長ベルフェゴルの名が泣く。奴等を迎え撃つ準備をせよ!決戦はツスカル山の城跡だ!」


「っは!」


そして直ぐ様準備は行われた。

本部は王都の中でも少し大きい位の建物である。

本部ではあるがそれほど大きくもない建物に1000人いる構成員を収容する事は出来ず、殆どが王都外れのツスカル山の城跡に存在している。

商品にんげんもそこに運ばれ収容、出荷をされている。

トゥキー達が本部へ着くとそこは蛻の殻であった。

だがきちんと建物の入り口ドアに「ツスカル山城跡で待つ。カイリー」と貼り置きがあった。

それを見てレイが口を開いた。


「野郎。やっぱ報告に戻ってやがった」


「どうするんだ?きっと準備万端で待ち構えているぞ?地の利も向こうにある。危険過ぎはせんか?」


と師匠が言う。

俺は少し考え答えを出した。


「こっちは7人。向こうの数はわからない。先ずは周辺状況を把握しよう。罠など仕掛けられていると思って動け。一先ずツスカル山城跡へ向かおう」


そして俺達は歩を進め始めた。

数歩進んだ後にレイが口を開いた。


「ツスカル山城跡って何処辺にあるんだ?」


皆レイに注目しその場で立ち止まった。

俺達はツスカル山城跡がどこにあるか知らなかった。

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