表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/113

53.魔王軍 VS トレシアスク ファミリー①

更新遅くなりすみませんでした。

38.5話、番外編を追加しました。

今後のお話しにも影響が出て来ると思いますので、読んで頂けた方が今後の話しを楽しんで頂けるかと思います。

「魔王軍に逆らったらどうなるか…試してみるか?」


アザレアは左の口角だけ上げ、ニヤリと不定期な笑みを浮かべた。

こちらにはほぼ全快のクリン、シーナ、スーカがいる。

レイとアレンに半分減らされた程度の部隊だ。

もう半分をシーナとスーカに任せても俺とクリンがまだ残ると俺は考えた。

そう考えると十分勝算はあるように思えるが、恵眼で見た所アザレアのレベルは300を超えていた。

俺とクリンのレベルを合わせても200弱。

流石に分が悪い気がした。


「ほう。貴様等どういうレベルの上げ方をしたのだ?皆100超えか100に届きそうではないか。年の頃を考えても10か15位…それでLv.100はか異常だぞ」


俺はこの質問に答える気はなかった。

何故ならダンジョンについて知識のある者であればリミテーションスキルの存在を知っているかも知れない。

その場合、そのスキルの存在を話すのは奥の手がある事を相手にバラす事になってしまうからだ。

だがうちにはバカが一人いたのだ。


「へ!当たり前だ!」


とレイが話し出した。

皆が一体何を話し出すのかとレイに注目した。

いや、皆まさかなと言う風に注目していたのだ。

ファミリーの誰もが理解していた…だがこいつは理解していなかったのだ。


「俺達はダンジョ…ん゛ん゛ん゛!」


シーナが物凄い勢いで走り、会話の途中でレイの口を手で塞いだ。

皆ダンジョ…と言い出した瞬間、嘘だろと顔を青くしていた。

レイは情には篤いし友達思いの優しい男だが、戦闘狂で猪突猛進型の単細胞なのだ。

もっと頭を使えればきっと良い副官となるだろうにそれだけが玉に傷である。


「バカなの?ダンジョン攻略したのがバレたら私達がスキル持ってるのバレるじゃない!あれは隠しておくべきよ!そうすれば相手に油断が出るでしょうが!」


とシーナがレイにもわかりやすいように小声で説明する。

するとアザレアが口を開いた。


「ん?何だって?男女がどうした?」


「男女で力を合わせてレベルを上げたんだと言いたかったんだろ」


と俺はフォローを入れてみた。


「まぁ良い。…それで?そっちの答えを聞こうか」


アザレアもバカだったらしい。

皆ふぅと溜息を尽き肩を撫で下ろした。


「答えはこうだ」


俺はアザレアの問いに答えると右手の掌を魔王軍に向けて伸ばした。


「メテオライト」


するとアザレア達の斜め頭上に魔法陣が現れる。

その間にクリンが魔王軍に向って駆け出し、シーナが後を追う。

俺は右、スーカは左に開き、俺達の後ろにレイとアレンが控える形となった。

俺の放った魔法陣から真っ赤に燃える無数の火球が高速で魔王軍を襲う。

するとアザレアが掌を迫るメテオライトに向けて右手を伸ばす。


「ダークネスホール」


すると盾の様に発生した魔法陣からダークネスホールが発生し、俺のメテオライトを吸収して行く。

術者は魔法発動時は無防備だ。

それを知っているクリンが高速で移動し、アザレアへ一発入れようと近付きハンマーを一振りしようとすると近くにいたゴータスが己の武器のハンマーで止めたように見えた。

だがゴータスのハンマーは持ち手の部分から折られ、軍隊の方に飛ばされる。


「ぐはっ!」


その一部始終を見ていたアザレアはまさかと驚いた。

何故ならゴータスもLv.100なのだ。

なのにゴータスではクリンのハンマーの一撃を止められなかったのだ。

武器の強度の差ではない。

明らかにゴータスよりもクリンの力が勝っているのだ。

同じレベルでもスキルはその個体によって様々である。

もしクリンがLv.100に似つかわしくないスキルを有していたら…このパーティが皆そうだったとしたら…そう考えたらアザレアはもう笑えなかった。


「貴様等!この者達を撃滅せよ!」


そう部下に命じると部隊が前に出始めた。

アザレアはトゥキーのメテオライトを未だにダークネスホールで防ぐので手いっぱいである。

その隙に光を纏った剣でシーナが軍隊を攻撃する。


「シャイニングブレイド!」


「シャイニングホーク!」


「シャイニングドラゴン!」


その攻撃で部隊は大打撃を与えられる。

そしてスーカが魔法を部隊後方へ掛ける。


「アイスブリザード」


後方へ向けて現れた魔法陣から魔王軍部隊に向けて鋭利に尖った無数の氷の塊が高速で飛んで行き後方からも部隊の魔人は減って行く。

クリンも迫って来る魔人を自慢の腕力でぶっ飛ばして行く。

実質部隊No.2であるゴータスが適わない相手であるクリンに適う相手などいないのである。

アザレアが動けないのでは軍隊として上手くない…そう感じたのかオーガの一体がアザレアのダークネスホールに重ねるようにダークネスホールを発動させた。


「助かる」


アザレアはそうオーガに言うとその場を離れて一番近くにいたクリンへ向かって行く。


「調子に乗るなよ、人間!!」


アザレアは走りながら腰の袋から大斧、ドラゴンアックスを取りだした。


「喰らえ!」


アザレアは大斧を走りながら振り上げ、レイに使った魔法と同じ物を出そうとした。


「クリン!」


アザレアの動きを見ていたレイが叫んだ。

だがアザレアは次の瞬間、急に体が重くなり床に倒れていた。

突然の事でアザレアは状況がわからなかったが直ぐに正体がわかった。

何故なら体が重く、起き上がる事を許されない程の加重がかかっていた。

そう、トゥキーがアザレアにウエイトグラヴィティを掛けたのだ。

トゥキーは自分の役目をわかっていた。

まだ魔力が全快でない為、消費は少なめにしつつアザレアを自由にさせない事だと。

アザレアがダークネスホールを解除したのを見たトゥキーはメテオライトを解除。

即座にアザレアの動向を追った。

トゥキーがアザレアを止めておければ、後はクリン、シーナ、スーカに任せておけば大丈夫だとわかっていた。

何故なら恵眼で見た所、アザレアとゴータス以外は雑魚だったのだから。

アザレアが動けない内に部隊は次々と減らされていった。

最早残りはアザレアとゴータスのみとなろうとしていた。

トゥキーはウエイトグラヴィティを解除。

置き上がったアザレアは周りを見渡した。

すると人間達と戦っている魔人は数名しかおらず、人間一人につき1、2体。

ゴータスはクリンと戦っていた。

自分が動けない内に部隊はほぼ壊滅状態まで追いやられていた事を知ったアザレアは激怒した。


「グゴォォォォォ!!」


アザレアが咆哮を上げたのだ。


「うっ!」


「なっ!」


近くにいたクリン、シーナはあまりの声の大きさに耳を塞いだ。

まるでダンジョンにいたドラゴンばりの咆哮であったのだ。


「きーさーまーらー…ただでは済まさんぞぉぉぉ!!」


アザレアは怒っていた。

とてつもなく怒っていたのだ。

そして消えたと思う位に早く移動し、クリンの前に現れる。

クリンには数秒遅れるがアザレアもかなり速かった。

手に持ったドラゴンアックスをクリンに向って横一線に振り回す。

クリンはハンマーでガードをすると、ギャン!と金属がぶつかる大きな音がし、クリンがふっ飛ばされる。

そしてまた直ぐシーナの所へ移動し、既に構えていた大斧を下から斜め上一線に振り上げ、それをシーナがガードをするがアザレアの力に押されて数mふっ飛ばされる。


「ここからが本番だーーー!!」


そう言うとアザレアは高速で俺とスーカの方へ走って来る。


「スー。今だ」


そうスーカに言うとスーカがコクっと首を縦に振り、詠唱を始め魔法を発動させる。


「ポイズンレイン」


すると後方にいた魔物の頭上に魔法陣が出現し、そこから紫色の雲が発生する。

アザレアが気付き、後ろを振り向くと既に遅く魔人達に毒の雨が降り注いでいる所だった。

魔人達は苦しみ悲鳴を上げている。

それによって残るはアザレアとゴータスのみとなってしまったのである。


「アザレア様!一旦引きましょう!」


ゴータスの遅過ぎる判断であった。

ゴータス自身も判断が遅かったのを理解している。

理解しているがアザレアの雰囲気に飲み込まれてしまっていたのだ。

後方を守る者が誰もおらず、自身もこの子供達の一人にすら勝てない事実を理解した時、アザレア一体では負ける未来しか見えない事に気付いたのだ。

アザレアも冷静になれば負けは見えていた。

その時クリンがアザレア達に追い付き、ゴータスをハンマーで殴打しふっ飛ばす。


「ゴータス!」


立ち止まった目の前には既にトゥキーが立っていた。

トゥキーが動いたのではない。

アザレアが近付いたのだ。


「くっ…貴様ぁ…」


アザレアは目の前に居る少年がこのパーティのリーダーである事をわかっていた。

レベルは皆言う程変わりはない。

どんぐりの背比べだ。

だがトゥキーが皆に目で、手で、言葉でそれぞれを動かしている動作をするのをアザレアは見逃さなかったのだ。

実はダンジョンにいる頃からこの戦法を取っている。

恐らくテレパシー的な魔法かスキルがある事は想像していた。

だがそういったスキルや魔法が使えない為、トゥキーは合図を決めて皆に覚えさせたのだ。

ダンジョンで魔物が気付かなかったのは魔物の単細胞では理解出来ない行動だったからなのである。

それをアザレアは見抜いた為、皆が思う程単細胞でもないのだろう。

流石魔王軍の兵を率いる隊長の一角と言うべきであろう。


「だが貴様を倒せばそれぞれの動きは悪くなるはず。先ずは貴様から殺してやるわ!」


そうアザレアが言い放ち、トゥキーへ攻撃をしようと足を踏み込んだ時視界の端から何かが近付いて来た。

それの太刀筋を何とか見切って大斧でガードをする。


「ガキン!」


「ちっ!邪魔するな、小娘!」


アザレアに攻撃を仕掛けたのはシーナだった。

アザレアは後ろに飛び、一旦距離を空けた。


「私が相手よ」


とシーナが光を纏った剣を構えながら険しい顔で言った。


一方クリン VS ゴータス。

クリンは自分よりも大きな相手との戦闘はダンジョンで慣れている。

それでに力で負けない相手にクリンは弱腰になる事はなかった。

だがゴータスは自分よりも格上の相手を目の前にしながらアザレアを気にしていた。

それに気付いたクリンは言った。


「ねぇ、豚さん。気が散ってるよ?」


「ぶ…貴様、豚さんは辞めろ!そこをどけ!」


「無理に決まってるじゃん!あっちに行ったとしても僕より弱いんじゃ行っても状況は変わらないよ?」


「わかっている!わかっているが…」


「そんなに行きたいなら僕を倒してみなよ。そう甘くはないけどね」


「くっ…小僧が…調子に乗るな!」


ゴータスは持っているハンマーを上に振り上げ、地面に思いっきり打ち付け言った。


「アースクウェイク!」


すると王の間の床に敷き詰められた石の床盤を弾き飛ばしながらクリンに迫る。

クリンは高速で移動しゴータスの目の前に現れた時にはジャンプしながら横に一回転し終わる頃だった。

そして遠心力を加えたクリンのハンマーで横振りの一撃をゴータスはもろに食らってしまう。


「グハッ!」


そのまま王の間の壁まで吹き飛ばされ、壁に激突する。


「ドゴーン!!」


一方、アザレア VS シーナ。

両者は何かが壁に激突する大きな音を無視するようにお互い睨み合っていた。

まともに戦ったのではシーナに勝機はない。

だが動きの速さではシーナはアザレア以上であった。

そこを上手く動いて白炎を打ち込めば勝機はあるとシーナ自身は考えていた。

そしてシーナは剣に白い炎を纏わせた。


「くっ。貴様もそれを使えるのか」


「ええ。…行くわよ」


そういうとシーナの姿が消えたような早さでアザレアの懐に入る。

アザレアも目では追えているが体が付いて来ず、シーナの横一線の太刀を手持ちの大斧でガードし、距離を空ける。

ガードした部分の斧の持ち手に白炎が引火しているのを見てアザレアは冷や汗を流した。

何故ならこれが体に付いた瞬間身が焼け尽きるまで消えない事がわかっていたからだ。


アザレアが勝てる要素は力。

そしてシーナにも劣らない魔力である。

そしてアザレアは大斧の持ち手の端を両手で掴み縦一線に振り下ろしながら言った。


「アイロンダスト!」

ポイントを入れて作者を応援しましょう。

評価するにはログインして下さい。

感想を書く場合はログインして下さい。

ブックマークをするにはログインして下さい。


↓同作者同時更新中の作品はこちら↓



https://ncode.syosetu.com/n7908ge/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ