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50.レイズ VS イグアイン

更新遅くなってすみませんでした。

N最は何とアクセス数が10000人に達しようとしております。

その内何度も読みに来て下さる方は1000人になろうとしています。

10分の1ですがとても嬉しいです。

いつもご愛読頂きありがとうございます。

今後も応援よろしくお願い致します。

キン!!

剣と剣がぶつかり合う音が廊下に大きく響いた。

イグアインの腰上位しか身長のないレイと175cm程あるイグアインの剣がぶつかり合う音である。

イグアインはダンジョン攻略者の子供と言うだけで不利だと感じていたが低身長の子供が相手と言うのも非常にやりにくさを感じていた。

人とは自分の視界に入る物からの攻撃は交わし易いが視界の外からの攻撃は交わしにくい。

戦いの中で足を狙われる事は多々あるが、戦いの中で何回も同じ所を狙われたりはしない。

レイの身長では首を狙うよりも足を狙う方が簡単である。

故にイグアインは下段の攻撃を注意せざるを得なかった。

70の歳を超えたイグアインだがまだ腰は曲がっておらず、ピンと伸びた背筋をしている。

武人とはそういう者だが、イグアインにとって今日だけは腰が曲がっていたかった位辛い体制での戦いとなっていた。


レイはぶつかり合った剣に力を入れて勢い良く押し返す。

するとイグアインの7~80kg程ある体が浮いて3m程飛ばされる。

12、3才の子供にしては力があり過ぎるのだ。

それはダンジョン攻略で必要分の力であった。


「くっ!子供の力ではない。一体その歳でダンジョン攻略とは…。何歳からダンジョンにおったのだ」


「俺達がいたのはほんの1年ちょっとだぜ。2年は経ってないはずだ」


「な!一体どんな鍛え方をしたらそこまでの力を得られるのだ」


「トゥキーが鬼教官だからな。何度も生死の境を行き来したよ。足がなくなり手がなくなり、腹は割かれ、首が落ちる寸前で魔法で回復…ってのを何百回かしたかな。それでもまだまだ足りないと俺もシーナも言われて来たからな」


この言葉が真実かどうかイグアインはわからなかった。

何故なら確かにその位やれば今のような異常な力を得る事が出来るだろうからだ。

だが異常過ぎた。

それをしたら強くなれるとわかっていても体と脳が恐怖とトラウマで拒絶してしまう。

それ程の荒行だからである。

イグアインはこの時背筋に悪寒を感じた。

こんな感じは10年前にこの国に訪れた魔王軍を見た時依頼であった。


「貴様等は…異常だ…」


「違ーよ!異常はトゥキーだけだ!俺達は正常!あいつなんて俺達よりも倍以上に死にかけてる。本当痛覚とかプッツンしてんだよ、あいつ…。だけど俺達はあいつに追い付きてーんだ。あいつの背中を見てると置いて行かれるんじゃないかって思う時がある。それ程俺達を待ってくれないし凄い早さであいつは先に行くんだ。悔しいだろ、そんなの。兄弟だけ先に行かせる訳に行かない。あいつを一人にはさせない。そうやって俺達はあいつを追い掛けて追い掛けて追い掛けた結果今の力を得た。トレシアスクファミリーは強ーぞ?覚悟は出来てんだろうな?」


とレイは不敵な笑みを浮かべて言った。

トゥキー本人は転生特典ではないかと思っているが実際の所、トゥキーは努力をしてスキルなどを獲得していたのだ。

レベルの数字ではあまり変わらないようには見えるがスキル数や熟練度、上位スキルを有しているのはトゥキーが断トツである。

レベルとスキルは比例しておらず、あくまでレベルは経験値を表す物であり、スキルとは別なのだ。


イグアインは死を覚悟していた。

覚悟していたがこの国を失くす覚悟は出来ていなかった事に気付いた。

このファミリーと戦うには覚悟が無さ過ぎた事を思い知ったのだ。

だが、ここから逃げ出す事も王族を逃がしに戻る事も出来ない。

ここでレイと対峙すればそれだけ時間も稼げるかも知れない。

バティスヌーラには注意喚起をしたい所ではあったが、それをレイと言う男はさせてくれないだろう。

実際に自分が残された選択肢はここでレイと戦う事以外ないのだとイグアインは悟った。


「あ、ごめん。違うわ。一番の異常者はクリンだった。あいつトゥキーの倍死にかけてるから一番の異常者はあいつだ」


そんな事はイグアインには既にどうでも良かった。

トレスアスクファミリーは潰さなければいけない。

それだけわかれば誰が異常者かなどイグアインにはどうでも良い情報であった。


「どうでも良い!私はここで貴様を倒すまで!行くぞ!」


そういうとイグアインは剣へ水を纏わせ一足飛びにレイへ走って向かった。


「ふっ。遅いよ」


そう。

イグアインの走る速度はレイの本気と比べると遥かに劣っていた。

例えるのであれば一般中学生と世界記録保持者の100m走程の差である。

文字通り子供扱い。

レイは剣に炎を纏わせ、本気で地面を蹴った。

廊下の石にヒビが入る程強くである。

そしてレイとイグアインがすれ違う一瞬で勝負は着いた。


「貴様…手加減していたのか…。かはっ」


イグアインはその一閃でレイが今まで手を抜いていた事を悟った。

それほど力の差は歴然であった。

気付いた時には既に切られた感触があった。

だがイグアインにはその太刀筋が見えず、ガラ空きの胴に横一線に切られた。

イグアインは薄れ行く意識の中で自分の腹から流れる血が石の廊下に広がって行くのを見ながら意識を手放した。


レイは倒れたイグアインを見ながら思った。

既に70を超えた一国の最強騎士を横一線一振りで倒した事が如何に異常な事態なのかを。

イグアインがいつから魔剣術を修練して来たのかはわからない。

だが恐らく50、60年は修練して来たのであろう老兵を意図も簡単に命を奪ってしまえる恐らく齢13才。

既にトレスアスクファミリーは一国を滅ぼせる力を付けていた事をレイはこの時実感したのだ。


「そういやアレン遅いな。…まぁいいか。その内来るだろ」


レイはそうつぶやき、トゥキー達の後を追うのだった。


一報トゥキー達。


「あれ?トゥキー、あれスパイディじゃない?」


とシーナが廊下の窓から顔を出す黄色い大蜘蛛を指挿して言う。


「ああ。みたいだな」


俺達は走りながらスパイディを呼んだ。


「おいで!スパイディ!」


すると走る俺の背後にスパイディが窓から飛び降りて一緒に走る。

この時スパイディは既に俺達の身長を超えており、全長2m近くになっていた。

蜘蛛の成長は早く、もう数ヶ月もすればダンジョンで会ったパンクトリユム程の大きさになるだろう。


「にしても、背後に大蜘蛛がいると魔物から逃げてるみたいね」


とシーナが言う。


「ふっ!確かにな」


たわいもない会話をしながら俺達は先に進んでいたのだが一緒に先へ進んでいたスーカは思った。

最近シー姉がどうも可笑しい。

最近トゥキーと話す時、何となく前と違う気がしていた。

顔を少し赤らめたり、話し方が優しい。

まるで私がアレンにするような対応だ。

そう。

何を隠そう私はアレンが好きだ。

アレンと出会ったのはもっと小さい頃で3才位だった気がする。

私達孤児は生まれた日が正確にはわからない。

その為レイ兄達と出会った日が誕生日となっている。

年齢も見た目からの推測の歳で正確に何歳かはわからない。

最初に会ったのがアレン。


「こんにちわ」


アレンは覚えたての言葉で優しい笑顔で私に話しかけてくれた。

それから一緒にいるようになり、私はアレンさえいれば良いと思っていた。

だけどアレンと出会って1年位経った頃レイ兄達と出会った。

レイ兄、シー姉、クリンは私達の大切な家族になった。

家族になってもアレンは特別だった。

皆といるようになって数年経つとトゥキーと出会った。

トゥキーの知識量は凄くて皆彼の言う事に従った。

そうすればご飯が食べれたしお金も持てるようになった。

まさにヒーローだ。

出会って一番付き合いは浅いが私はトゥキーのヒーロー的恰好良さを好きになった。

だがそれはアレンへの感情とは違う。

兄として好きなのだ。


だけど最近シー姉がトゥキーに対する態度が何か変だ。

一緒に屋台をしている時も体の一部が触れると「あ!ごめん!」と言って顔を赤らめたり、やたらトゥキーの手伝いや彼の先の動きを予測して行動するようになっている。

そして私は一つの答えに辿り着いた。

シー姉はトゥキーに恋している。

私がアレンを好きなようにだ。

そう考えるとシー姉の今までの行動に納得が行く。

だがいつからだろう…恐らくつい最近だとは思うが何がきっかけだったのだろう。

私はそんな二人のやりとりを横目にシー姉の恋のきっかけの記憶を辿りながら付いて行くのであった。


すると目の前に大きな扉が現れた。

王の間へ続く扉だ。


「着いたな」


「うん」


扉の前で俺が皆に言い、シーナが答え、続ける。


「トゥキー、魔力はどう?」


「ガス欠になったからな。今の所感覚的に10分の2って所だろうな」


「大丈夫なの?」


「相手次第だが大事は取った方が良いだろう」


俺は市場で買っておいた魔力回復薬を魔袋から取り出し、グイっと飲み干すとシーナが質問をする。


「どう?」


「足りないな。恐らく1割位しか回復出来ないと思う」


「トゥキーの魔力量は異常だからね。3割でもかなりあると思うけど…」


「そうだな。だが全回を待ってたら余計な犠牲が増える。急ぐに越した事はないだろう」


「そうだね」


「行こうか。準備はいいか?」


「大丈夫!」


「うん!」


「…」


俺が言うと皆顔が引き締まった。


「気引き締めて行くぞ!」


「インフォ/スペシャルスキル:統率者を発動しました」


すると俺の魔力が1割程減った気がした。

統率者を使わなくても良い相手なのであればそれに越した事はないが念には念を入れて俺は統率者を発動させたのだ。

そして扉を開くと俺達が捕まっていた王の間の玉座に一人の人物が座っていた。


「来てしまったか」


そういうとその人物はゆっくりと立ち上がり、玉座の階段を降りた。

その人物は黒い鍔の広い尖がり帽子を被り、黒いローブを着て、白髪と黒い毛の混じった長い顎髭と鼻髭、顔は少し色黒の40か50才位と思われる男性であった。


「私はバティスヌーラ。この王国の最高魔術師だ。貴様達のような貧民にこの国は明け渡せん!」


「俺達はこの国を身分差のない国にしたい。貴族や王族を殺したい訳ではないんだ。ましてや俺が王になりたい訳でもない。この国を守って来たあんたにもこの国の行く末を一緒に考えてもらいたい。一緒にこの国を建て直すのに協力してもらえないか?」


俺は侵略者を目の前にしたようなバティスヌーラの言葉に反論するように、鎮めるように言った。


「貧民如きがこの国を変えるだと?笑わせるな!貴様達に何が出来ると言うのだ。国の何がわかると言うのだ!」


「少なくともこの国が腐ってる事位わかるさ。そして民が苦しんでいる。そんな国など滅んでしまったとしても誰も悲しまない。悲しむのは己の懐を潤していた人間だけだ。そう、あんた達貴族王族だけだよ!」


「王が潤わない国などあってたまるか!それでなくても上納金が高い。王を民と同じ生活レベルにしろと言うのか!」


「ああ、そうだ。お前達などいなくても国は回る。王がいなければ…政治家がいなければ国が回らないと勝手に思い上がってるんじゃねー!」


「言わせておけば小僧が…。私がお前達をここで葬ってくれる!」


そして俺達とバティスヌーラの…この国との最後の戦いが始まった。

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