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5.覚悟

お休みしてしまって申し訳ありませんでした。


一日置きに更新しようと思いましたがお休みしてしまいました。


本当にいつもありがとうございます。

「こっち!こっち!」


スーカが俺の手を引いて嬉しそうにしている。

この国にもスラムがあった。

俺がいた現代のスラムよりも酷い臭いと飢餓。

そこらの壁に腰掛ける半裸の人達を見て俺はそう思った。

手を引かれるままに歩いて行く。

建物の中に入るとそこは冷たいコンクリートの建物。

このスラムの外観は古びた10階建て位のコンクリートで出来た建物が円形の中央広場を囲み立っていた。

例えて言うならアラブ国にある様な、中国の貧民街の様なそんな印象だ。

夕暮れ時だと言うのにすでに薄暗く、ここだけ別世界の様にも見えた。

レイズ達はその建物の中の一つの部屋に入って行った。

俺もその後に続いて中に入る。


「ここが俺達の部屋だ」


見渡すと大体の10畳位の広さで、中は寝る時に使うのだろう。

布と言うのか毛布と言うのか、その中間位の物が何個が所々にあった。

その他には部屋の角に古びた木製の机と、その上に本の様なものが数個置いてある。

他には何もない。

夕暮れ時なのに肌寒い。


「お前達寒くないのか?」


そう聞くとレイズが言った。


「すぐ慣れるさ」


そうか。

もうこいつらの日常なのか。

子供がこんな生活を強いられるなんて言う世界は間違っている。

子供ってのは大人が守ってやらなければいけない。

俺は道を外れてしまったが母のせいではない。

そこには兄弟がいたし、弟達がいた。

身寄りもなく、守ってくれる人もいない。

幸い俺には母がいたし、ジジイもいた。

俺よりも酷い毎日を過ごしていた兄弟達がいた。

俺には暴力があり、兄弟達のために喜んで人を傷付けた。

報復される事もあったし、警官に追われる毎日だった。

その度に捕まったり、死んでしまう兄弟もいた。

それでもあいつらは俺に恨み言一つ言わなかった。

兄貴がいたから、兄弟がいたからと俺を敬っていたのだ。

もうあんな事は繰り返したくない。


「なぁ、トゥキー。今日みたいに俺達盗みをしたら飢えずに済むかな?」


レイズが俺に問うた。


「続けるなら覚悟をしなきゃいけない。続ければ続けるほど動き辛くなる。衛兵のも追われるだろう。最悪捕まったりするし死ぬ事もある。それでもやるか?」


皆が俯いて暗い顔をした。

だが、レイズだけは俺を真っ直ぐ見ていた。

すると覚悟を決めた様にキッと顔を引き締めた。


「俺は飢えて亡くなった仲間を大勢見てきた…。最悪だ。最後には言葉も出せない程に弱って行く」


皆も見て来たのだろう。

レイズの言葉を聞くと皆俯きながら悲しい顔をした。


「衛兵に追われようと、死ぬ事があったとしても俺は飢えて死ぬよりも戦って死にたい!!最後の最後まで足掻いて死にたいんだ!!なぁ、トゥキー。力を貸してくれないか?」


レイズは長男肌だ。

この時確信した。

俺と同じで誰かを守ろうとする姿勢。

それが義務だと感じている。

俺はこいつとなら仲良くやっていけるだろう。

自分で何をすべきか直感的にわかっている。


「レイ。お前の覚悟はわかった。だが二人じゃ限界は知れてるぞ?俺とお前だけじゃ回らないのは決まり切っているんだ。俺とお前だけじゃ無理だ。数ヶ月後には俺とお前は死ぬ。これは決まっている様なもんだぞ?」


レイズは流石にビビったのか顔を俯かせた。


「僕もやる!!」


そう言い放ったのはなんとクリンだった。

一番年下だろうクリンが覚悟したことによって皆の表情が変わった。

俯いていた顔をスッと上げ吹っ切れたような表情をしたのだ。


「私も!」

「私も!!」

「ぼ、僕も!」


皆が覚悟した。

こいつ等の覚悟によって俺のモチベーションは上がった。

こいつ等を俺は養わないといけない。

こいつ等だけは飢えさせてはいけない。

飢えさせるものか。

皆が覚悟を決めると共に俺も覚悟を決めた。


「よし!明日もやるぞ」


一斉にコクッと皆が頷いた。

おさらいです。

LV.3

シンプルスキル:熱耐性+3

シンプルスキル:枯渇耐性+3

シンプルスキル;高速+3

シンプルスキル;毒耐性

ファインスキル:頑丈+1

クールスキル:暗躍

クールスキル:耐久力

ユニークスキル:リーダー

ユニークスキル:魅了

スペシャルスキル:統率者

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