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48. アレン VS ドウェイン ②

更新遅くなってすみません。

今までのお話しでおかしな所だったり、誤字脱字、表現の仕方をちょいちょい編集しています。

今回は新たな登場人物を出しました。

今後も更新出来る限るさせて頂きますのでよろしくお願いします。

その頃、とある城内では兵士が届いた文の内容をある人物に伝えていた。

その部屋はまさに王の間のような部屋ではあるが薄暗く、酷く陰気な雰囲気であった。

その部屋の玉座にその人物は座っていた。


「失礼します!エジファト王国より文が届き報告に上がりました!」


「プルトか。良い。入れ」


「は!」


プルトと言う者は人ではない。

犬人種の若者であり、顔はバセットハウンド犬のような顔をしていた。

プルトは王の近くまで行き膝を付き頭を垂れた。


「なぁ、プルト。どうだ?隊には慣れたか?」


「はぁ…私などまだまだではありますが皆良くしてくれます。ただ…」


「ただ…何だ?」


「隊長の扱きはキツいです」


「ふ!それが隊に入ると言う物だ。精進せい」


プルトは最近隊に入隊した犬人族の若者で自分から隊に入りたいと志願して来た。

それを王は快く承諾し第5隊への入隊を許可したのだ。


「は!…それよりもエジファト王国からの文の内容をお伝えしても宜しいでしょうか」


「ああ、そうだったな。あの片田舎の砂漠町か。最早存在すら忘れておったわ」


「ラムセス王死す。毒による毒殺と見られる。次期王については追って連絡する。との事です」


「どこの国も殺すのが好きだな。最近のあの国の情勢はどうなのだ?サイモンズ」


すると王の間の暗がりから一人のマスクをした人物がぬっと顔を出した。


「エジファト王国はラムセスが王になってから10年程になります。特にこれと言って輸出物はないですが奴隷の売買は盛んで敷いて言うなら奴隷の輸出位ですかね、利益となるのは」


「そうか。あってもなくてもいい国な訳だな。上納金はきちんと納めているのか?」


「それは多少遅れたりはする事はありますが魔王配下の国の一つですからね。それだけはきちんと納めております」


「そうか。次の王もきちんと納金するのであれば誰が王になっても良いだろう。他に利益は無さそうだしな。もう良いぞ、プルト。隊に戻って訓練に励むが良い」


「は!失礼します!」


そういうとプルトは王の間を後にした。


「なぁ、サイモンズ。勇者の方はどうなっている?」


「どうやらレベルアップを図っているようです。前回魔王様に負けた事でまだまだ力が足りない事がわかったのでしょうから」


「また無駄な事をしているのか。我に適わない事位わかろう物だがな」


「ええ。仰る通りでございます」


「まぁ良い。久々に楽しかった。次回に期待だな。…そう言えば名は何と言ったかな?」


「はて…勇者…ロド…ロド…ロドニエルか何かだったと思います」


「我が忘れるのは良いがお前が忘れるのはいかんだろう。仮にも我の宿敵だぞ?」


「と言われましても…あ奴が100年修行した所で魔王様には勝てるかどうか。人間とは弱い生き物です。100年など生きられません。魔王様に追い付いたと思ったら死んでしまうのが落ちです」


「あれは我には勝てん。一生かかってもな」


「そう思います」


「それにしても久しくエジファトにも誰も行かせてないのではないか?」


「ええ。10年程になります。丁度ラムセスが王位に就いた辺り位でしょうか」


「うむ。10年魔王の使者が来ない事で国でも我々の事を忘れそうになっていると言う事はないのか?」


「納金もしておりますしそのような事はないかとは思いますが人間ですからね。10年経てば我々の記憶も薄れているかも知れませんね」


「それはいかんな。我々の事を忘れ自由に国を動かされても困る。そろそろ一度使者を送るか」


「そうですね。人間は都合のいい事ばかり忘れますからね。良いご判断だと思います。誰を行かせますか?」


「この前勇者に10隊にまで減らされてしまったからな。10番隊を行かせるのが良いだろう。アザレアを向かわせろ。新王の事も忘れずに報告しろと言っておけ」


「は!畏まりました」


そういうとシモンズが王の間の暗がりに消えて行く。

シモンズの気配がなくなった事を感じ取ると魔の王は玉座に座ったまま意識を集中させるのであった。




「フッ…フッ…フッ…」


ザッザッザとマッドブラックホーンが地を蹴り今にも突進して来そうないきり立った形相でアレンを睨んでいた。

アレンもいつでも来いと言わんばかりに好戦的な表情で魔物とドウェインに向って杖を構えていた。

一報ドウェインも一人では勝てそうにない事を悟った為、召喚魔獣と自分であれば勝てるかも知れないと思いアレンに向って杖を構えていた。


沈黙を破ったのはアレンであった。


「ウォーターウェーブ」


するとアレンが構える杖の先端付近に魔法陣が現れ、魔法陣から大量の水が発生する。

その大量の水は大きな波となりドウェイン達に迫る。

ドウェインはホーンを一歩下がらせると詠唱をし得意のサンドで硬質な砂のドームを作り自分達を覆い津波が去るのを待った。

水の音が止むのを待ってサンドを解放し先程いた位置にまだアレンがいる事を確認した。

そして今度はこちらの番だと言わんばかりにドウェインはホーンの背中を触る。


「行くぞ!」


「ブフィーーーン!!」


ホーンは2、3度地面を蹴るとアレンに向って突進をして行く。

その後ろをドウェインが追いかけて走る。

2マンセルの場合の初歩的な陣形である。

だがアレンが放ったウォーターウェーブには狙いがあったのだ。

アレンは地面に向って杖を下し、聞こえるか聞こえないかの声で唱えた。


「ボルトショック」


すると杖先から現れた魔法陣より地面に向って電流が流れる。

すると先程のウォーターウェーブで濡れた地面を伝い電流が一面に広がって行く。

この現象はトゥキーに教えてもらった事だ。

水は電流を通しやすい為、感電させるいい手なのだと言う。

そんな知識があったのかはわからないがドウェインは危険を感じてホーンに注意喚起した。


「目一杯上に飛べ!」


二人が空高く飛んだ瞬間元いた場所に電流が流れる。

間一髪だがこの後はどうすべきか…迷ったドウェインはやはり得意のサンドで着地する為の砂山を作る事を咄嗟に思い付き、詠唱を始める。


そんな宙に浮いた二人の逃げ場はないと考えたアレンが使いなれた魔法を宙に浮いた二人に向けて発動する。


「アイスブリザード」


すると杖先から魔法陣が現れ、鋭利に尖った氷の塊が無数に現れドウェイン達へ高速で向かって行く。

サンドの魔法を詠唱していたドウェインは自身のしたい事のイメージを大きな土壁を作る事に変更する。

すると大きな土壁が現れ、アレンのアイスブリザードからドウェイン達を守るもレベルの違い故に数発耐え凌ぐも氷の塊によって土壁は破壊される。

その頃には地面に着地していたがアレンの魔法陣から発射されるアイスブリザードはまだ続いていた。

ドウェインは短い詠唱を繰り返し、何重にもサンドの壁を重ねアレンのアイスブリザードを防ぐ。

氷の塊が土壁にぶつかる音が止むや否やドウェイン達の頭上に魔法陣が現れ、紫色の煙を吐いた。

直ぐに危険を感じたドウェイン達は急いでその魔法陣から離れる。

だがその範囲は広く、範囲から逃げる前に雲から落ちて来た紫色の滴に当ってしまったのだ。

勿論ホーンもである。

すると目の前がたまにぼんやりするような感覚を感じた。

毒である。

先程の魔法は予想通りポイズンレインだ。

実はドウェインは城の上からその時見ていた。

ポイズンレインにより兵士が苦しみ死んで行く所を。

こいつがやったのかとその時理解した。

ドウェインはホーンもダメージを負っているではあろうが攻撃をしなくてはと感じていた。

その為、ホーンをアレンに向かわせたのだ。


「行け!」


「ボフィーン!」


マッドブラックホーンの主な攻撃は大きくて鋭利に尖った角での突進だ。

体長は約2m。

角の大きさは顔より2倍はあり体の肉付きは良く、サラブレット以上に筋肉質であった。

そんな巨大な体から繰り出される突進は絶大な威力を持っており、普通であればふっ飛ばされるか体に穴が開くか体の一部が消し飛ぶかだ。

だがアレンは冷静に魔法で応戦した。


「ウォーターブレイド」


アレンの杖から放たれた無数の水陣の刃はホーンに当たる。

その隙を突いてドウェインが魔法を詠唱し発動する。


「ロックブリザード」


するとアレンの斜め上に魔法陣が出現し、魔法陣から鋭利に尖った石の塊が高速で放たれる。

アレンはウォーターブレイドを解除し、アイスブリザードでレジストをする。

ホーンはウォーターブレイドによって切り刻まれ息絶えており、ドウェインにはこれが最後のチャンスであった。

その魔法も無詠唱の前に発動速度の差で敗れたのだ。

打つ手がなくなってしまったドウェインは今後の手を頭の中で考えながらアレンに杖を向けて構える。

アレンもドウェインを正面に杖を構える。

二人が見合って沈黙が続く。

時間にして数十秒。

アレンが口を開いた。


「皆も先に行っちゃったしそろそろ最後にするよ。正直使ってみたくってウズウズしてたんだ」


「は?何言ってやがる。行かせるかよ!」


アレンはこの攻防を直ぐに終わらせられるだであろう手を持っていた。

それを使ってみたくてウズウズしていたのだ。

まだ誰も使った事のないもの。

そう。

あれである。


「じゃあ行くよ」


「あん?」


「リミテーションスキル、闇煉獄ダークパーガトリー


そう言うとアレンの体が金色に光り出し、目の前にアレンの背よりも大きな金色の魔法陣が現れた。

すると魔法陣から暗闇が広がった。

どれだけ速度極振りの人物がいたとしても逃れられない…発動したら必ず捕まってしまう闇。

ドウェインはそう感じた。

暗い世界でどこから攻撃が来るのか見えない状態で四方に注意を払い杖を構え、首を動かし周囲を忙しなく見る。

すると背中が温かく感じ始めた。

されど直ぐに熱く衝撃と激痛を背中に感じその場に倒れる。

どうやらファイアーボールか何かを受けたようだ。

されど音もなくそれは近寄って来て気配もなかった。

これは避けれないと判断したドウェインは得意のサンドで障壁を作ろうとしたがここでは魔法が無効化されているようで魔法が出せないのだ。

嬲り殺しである。

それからもボルトショック、ヴァインウィップ、ウォーターショットガン、ペブルショットガンなどの初級魔法の攻撃を無数に受ける。

そしてタイムリミットなのか魔力切れかはわからないが直ぐに周りの景色が今までの城内の景色に戻る。

ドウェインはその景色を一瞬見てその場で倒れた。

倒れた彼はボロボロの状態であった。

地に伏したドウェインを見下ろすのはアレン。

アレンの勝利である。


アレンはこのスキルをもらった時から使ってみたかった。

だが想像以上の反則スキルだと言う事を知ったアレンはここぞと言う時にしか使わない方が良いと感じた。

相手に何もさせずに攻撃を打ち込める反則的なスキルではあるがそれ故か魔力の消費も激しい。

現に今アレンの魔力は枯渇状態である。

この情報は同じ魔法使いのトゥキーやスーカには共有しなければ行けない。

アレンは急ぎ足で皆の後を追うのだった。

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