47.アレン VS ドウェイン ①
更新遅くなりすみませんでした。
今回はお勧めのBGMはありませんが、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。
毎回評価、ブクマして下さる方が増えていてやる気も出ます。
いつもありがとうございます。
城門前に戻ると既に反王国軍は城門を突破していた。
と言うのも城門が粉々に破壊されているのだ。
アンデッド部隊かアレン達かはわからないが魔法でぶっ壊したのだろう。
火系の魔法の形跡がちらほら目に入った。
「よう!どこ行ってたんだ?」
とレイが戻って来た俺とクリンを見て言った。
「ああ、ちょっとな」
「そうか。城内に侵入は完了した。今アンデッド部隊と反王国軍が既に潜入中。
城門は俺がぶっ壊しといた」
「お前の仕業か。まぁGood jobだな。だがまだあっちには魔法使いか魔剣術士かいるからな。気を付けろよ」
「わかってる」
すると城内から爆発音が聞こえた。
「魔法だな」
「ああ。あれはアンデッドじゃないだろ」
「ああ。今ので何体やられたかな」
「そろそろ俺達の出番じゃないか?」
「だな。行こうか」
「ああ」
そう言ったレイの横顔は好戦的な笑みを浮かべていた。
その横にシーナ、クリン、アレン、スーカ、皆何かを決意したような真剣な眼差しをしていた。
「国を落として俺達の国を作るぞ!」
「おう!」
「「うん!」」
「「…!」」
そして俺達は民家の屋根から下りて城内へ進んで行った。
城内にはアンデッドや反王国軍に拘束された者、殺された者、泣きじゃくる少年少女、戸惑う女性達。
戦争と言うのはしないに限る。
だが行動を起こさなければ掴みとれない物もあるのだ。
それを俺は前世で学んだ。
所詮世界は弱肉強食。
やらなければやられるのだ。
俺はやられるのは勘弁だし、仲間をやらせる訳にもいかない。
それぞれの価値観がありそれぞれの生き方があるだろう。
だが俺は少なくとも他人よりも仲間を大切にしたいのだ。
城内を進んで行くとあちらこちらに衛兵が拘束されていたり、傷付いて倒れていたりした。
その先を進んでいると近くの階からだろう。
爆発音が聞こえたのだ。
「近いな」
「ああ。急ごう」
そして着いた先にはアンデッド部隊と反王国軍の者が立ち往生していた。
「どうした?」
「トゥキーさん!いや、実はこの先にめちゃめちゃ強い魔法使いがいるようなんです。それで先に進めない状態で…」
「そうか。ちょっと退いてくれ」
そして渋滞の先頭に行ってみるとそこには薄汚れた灰色の布を全身に身に纏った人物が杖を構えていた。
ここまで来ると既にアンデッド舞台の役目は終わったように思う。
それに30体いた魔物は半分程に減ってしまっていた。
「アンデッド部隊、任務完了だ。魔袋へ戻れ」
するとアンデッド部隊は俺の腰の魔袋へ一瞬で収納される。
そして反王国軍にも指示をする。
「この先は俺達で片付ける!皆は城の制圧に回ってくれ!」
「了解です!」
「は!」
「わかりました!」
反王国軍は来た方向へと踵を返し、それぞれ城の制圧に戻った。
俺は背後の魔法使いに向き直り質問する。
「この戦争はもう反王国軍の勝利でほぼ決まっている。まだ抵抗する必要があるのか?」
「私は王家に使える魔法使い、ドウェイン・カーター。王家がある限り守るのが私の役目。何処の骨かもわからぬ輩に王家は滅ぼさせん!」
「こんなクソみたいな国でもか?」
「お前にはクソみたいな国でも私には生まれ故郷で力を認められ王家に使える事が出来た。守るべき国だ」
「そうか。まぁそっちにはそっちの言い分があるよな。俺はこの国をなくして新しい国を立ち上げる。身分の差などない平等な国だ。悪いようにはする気はない。どうかな。杖を下して降伏してくれないか?」
「それがそもそも間違っているのだ!身分の差があって当たり前。お前達のような下等な者がこの国を治めるべきではないのだ!」
「そうか。お前はそういう人種の人間か。抵抗するのであれば仕方ないな。アレン。相手してやれ」
ドウェインは灰色の布をフードのように深く被っており俺の恵眼ではステータスは読めなかった。
どうやら恵眼を使える条件って言うのがあるようだ。
ドウェインは声は高めだが男で間違いないだろう。
声が高いと言うのは若々しい高さだ。
こいつは若い。
恐らく王の間で俺のダークネスホールの発動を邪魔した魔法使いでは無いらしい。
ここは魔法使いの実力ナンバー2が相手で問題ないだろうと判断し、アレンを前に行かせたのだ。
「俺達は先を急ぐぞ!」
「ああ!」
俺達はドウェインを避けて先を急ごうとした。
「させるか!」
するとドウェインは走って来る俺達に掌を向け詠唱をし出た。
「アイスブリザード」
アレンは小さくつぶやいた。
するとドウェインの斜め上に魔法陣が現れ、そこから無数の鋭利に尖った氷の塊がドウェインに向かって凄い速度で飛んで行く。
ドウェインは即座に俺達に向けていた手を下し、短く詠唱するとサンドの魔法で壁り氷を防御する。
俺達は後はアレンに任せて先を急ぐ事にした。
スーカだけは少し残りたそうに後ろを見ていたが…ここはアレンに任せて良いと判断した。
トゥキー達が見えなくなったのを確認したアレンはアイスブリザードを解除した。
立ち込める砂埃と冷気でドウェインは見えなくなっていた。
このまま終われば直ぐに皆を追えるがまだ生きていたとしても負ける気はしなかった。
何故なら見た所ドウェインは詠唱を必要とするようだ。
無詠唱で使える魔法が数個あるアレンであれば魔法の発動速度で上回る事が可能だ。
何故そう確信しているかと言うとトゥキーの存在だ。
何度もトゥキーとは練習相手になってもらったが彼の魔法発動速度は早過ぎた。
そんな兄貴が近くにいた為、詠唱相手の戦闘であれば負ける自信はなかったのだ。
そして砂埃と冷気が収まりそうになった時、晴れ始めたスモークの中から何かがアレンに向かって飛び出した。
アレンはその物体を見て驚いた。
そのスモークの中から現れたのは黒い巨体に二つの大きな角を持ったマッドブラックホーンと言う牛型の魔物であった。
その魔物はアレンを見ながら前足で地面を蹴っている。
まるで突進を今にもしそうな状態でである。
そして完全に晴れた冷気と砂埃の中から少々手傷を負ったドウェインが現れた。
正直ドウェインは驚いていた。
何故ならサンドで作った壁が第一撃目の氷の塊に貫通されてしまったからだ。
そこで同様してしまい詠唱が遅れた為、第二撃目の氷を防ぎ切れなかったのだ。
魔法での一対一の攻防で勝つにはいくつかの条件がある。
先ず相手が自分よりもレベルが下だと言う事、次に相手よりも早く詠唱する事、次に利用可能な魔法の数で上回る事である。
それは師匠であるマック・マードックから教わった事だ。
その教わった事の一つとして自分よりレベルの高い者からの魔法攻撃を防御魔法で防ごうとしても力で押し切られてしまう事が一つ。
無詠唱の使い手には魔法発動速度では勝てないと言うのが二つ。
使える魔法が多ければ多いほど多彩な攻撃が可能であり、逆に多彩な防御が可能となってしまう為、自分よりも多くの魔法を使える者には不利であると言うのが三つ。
その勝利条件の2つ…いや、3つ共アレンに部がある事がわかってしまったドウェインは戸惑っていた。
だが負ける訳にはいかない。
予備に持っていた魔法陣をサンドで作った壁の裏で発動させ魔物を召喚した。
所謂召喚魔法である。
それを見たアレンも一瞬で召喚魔法と言う事に気付いた。
こんな魔法があるのかと驚いたが同時にこれをトゥキーに教えてはダメな気がした。
トゥキーは動物好きなのだ。
それは今までの行動を見ていてわかった事だったのだ。
例えばヒドラを召喚出来たとしたらトゥキーは必ずペットにしたいと思うだろう。
そんな事をしたら毎日毒を食らう生活になる可能性がある。
それは避けなければいけない、家族の為に。
アレンは召喚魔法と言う物がこの世に存在する事を秘密にする事をこの時誓ったのであった。
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