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44.事態動く

更新遅くなってすみませんでした。

今回も楽しんで読んで頂けると幸いです。

それから2カ月の間俺達は同士を集め始めた。

勿論子供は参加はさせない。

何故ならこれは未来を守る為の戦争。

子供達を守る為の戦争なのだ。

俺達は相変わらずマスクをしてタオルを頭に巻き屋台をしながら客と話し信用出来る者、そうでない者を見極めて行った。

この王政に不満を持っている人間には反王国軍の存在をチラっとしてみる。

自分も戦いたいと言う者、戦いたくはないが成功したらいいなと他力本願の者、それは様々である。

戦いたいと言う者は反王国軍の窓口である貧困街の建物を案内する。

そこでジョシュが戦力になるか…そもそも反王国軍に入れて問題はないかと判別をする。

剣を扱えたり、多少でも魔法が使える者は積極的に反王国軍へ仲間として受け入れ、王族や貴族との繋がりが強い者、身内である者は受け入れを拒否した。

まだ反王国軍が王国軍に認識されるのは上手くない。

こういった事は奇襲と言う形で攻め込む方が相手も油断をしているし上手くいくのではないかと言うのが皆の話し合いでの結果だ。


それから少しすると屋台に噂を聞いた貴族や衛兵も買い物に来るようになった。

巷では有名になってしまっている為、こういった事は時間の問題だろうと思っていた。

そこでも雑談をして敵の戦力や状況、不満やどういった事に仕事の歓びを得ているのかをそれとなく聞いた。

中には王族や貴族を酷く嫌っている者もおり、そういった者を内通者として勧誘もしたりした。

王国側の人間に裏切られるのは困る為、統率者のスキルを使って仲間にしたのだ。


何故平民街の人間に使わなかったのかと言うと俺自身統率者の能力は人には使いたくないからだ。

人の心まで操ってしまう統率者の能力は便利ではあるがそれが本当に仲間なのかと言われると違うと思う。

統率者を使って仲間にした者はあくまで利用出来る駒の一つとして扱っている。

いや、扱おうと思っている。

そんな能力を使って得た者は仲間だと俺自身思えなかったのだ。

何故なら俺と言う人間を知って仲間になってくれた訳ではないからだ。

そんな力まで使って仲間を得たいとは俺は思えなかったのだ。


村や町方面。

ギルド方面の事はそちらに任せている。

俺が全て面倒見る訳にはいかないからだ。

それにまだまだ王国内では俺は新参者だ。

長く住んでいるだけあって人脈や顔は向こうの方が効くだろう。

俺の人柄で付いて来てくれる訳ではなく、俺達の力があれば王国も落とせるかもしれないと言う期待から付いて来てくれるのだ。

元々王政には不満ばかりだったし、王政を終わらせるチャンスと見ているのであれば人員集めには手は抜かないだろう。

反王国軍は着々と準備は進んでいたのであった。


----------------------------------------------


その頃王宮…ラムセス・エジファト。


王座に座りワインのような果実酒を金の装飾品の付いたコップで飲みながら国の情勢を大臣等から聞いていた。


「メデューサスはまだ見つからんのか?」


「はい。国王様」


「あの無礼な子供達もか?」


「はい。捜索はしているのですが」


「メデューサスはまだしも、あの子供達はそう遠くへは行けないだろう。何としても見つけ出して我が目の前へ連れて参れ!生死は問わぬ!」


「は!」


そして一人の小太りの年齢は50手前位の白髪の交じった茶色い髪と髭を生やした大臣はそそくさと王の間を去る。


「増税後はどうだ?ギルドなどはうるさくなってないか?」


「それが大分うるさくなっております。冒険者、商業ギルドどちらからも増税を取り消して欲しいと要望が来ており、商店、露店、国民からも増税に関しては批判と苦言が後を断ちません」


「仕方ないの。国を回すと言うのは大変な事じゃ。しばらくすれば皆受け入れるだろう」


「そうでしょうか。最近では王政を廃止せよとの声も高まっております。何とか反乱は避けられてますが増税によってその声が多くなっております。このまま行くと…」


「ええい!うるさい!国王の我が決めた事に国民が口を出す事自体無礼なのだ!国民は我が決めた事に従っておれば良い!文句を言うのであれば打ち首にしてしまえ!」


「は!」


「全く…我儘な国民だ。何か楽しい報告はないのか」


「はぁ…楽しいかどうかはわかりませんが、平民街で最近流行っている屋台があるそうです。何と魔物の肉の串焼きを売っていたり、ナンと言う小麦粉を練った生地を焼いた物をカレーと言うスパイスの効いた辛いスープに付けて食べると言うような料理を出している露店があるそうですよ」


「ほう。それは興味があるのお。外国の者か?」


「そこまではわかりませんが、この国に無い料理を出している訳ですからこの国の者ではないと思います」


「そうか。その料理食べてみたいのお。買って来てくれるか?」


「数ヶ月前のパーティーでお出ししていましたが…お食べになられませんでしたか?」


「何?食べておらんぞ。今直ぐに買って参れ!」


「は!今直ぐに」


そういうとひょろっとした痩せ型の40代後半位で髪は長髪でウェーブがかかっており、白髪が交じっている大臣の人がそそくさと王の間を後にする。


「他にないなら我は自室に戻る。露店の料理は自室に持って来させてくれ」


「は!」


自室に戻る途中ラムセスは考えた。

あの子供達は何処へ行ったのか。

いくら魔法使い、魔剣術士であっても子供だ。

そう遠くへは行けない。

だが国外では見つかっておらず、砂漠を探索させたが死体すら見つからなかった。

となれば国内でどこかに隠れているのか…魔法を使えば隠れれる場所はいくらでもあるだろう。

どこに隠れたか…あれから数カ月経っているにも関わらず未だに見つけられない事を腹立たしく思っていた。


だがその考え事は直ぐになくなった。

自室に戻る途中、呼び止められたのだ。


「お父様!」


その声は幼い男の子の声だ。

ラムセスはその声の主を直ぐに理解した。


「おお!トト!我の可愛い息子よ!」


そう。

ラムセスには4歳になる息子がいたのだ。

ラムセスは駆け寄って来る息子を抱き上げ、満面の笑みを浮かべて言った。


「どうしたんだい、トトや。今はお勉強の時間ではないのか?」


「はい。お父様。今休憩をしている所です」


「そうかそうか。トトはお勉強頑張って偉いなぁ。いい王様になれるぞ」


「はい!いい王様になれるように僕頑張ります!」


「うんうん。良い子だ。流石は我の可愛い息子だ」


そういうとラムセスは満面の笑みで息子の頭を撫でてやるのだった。

ラムセスは馬鹿親だったのである。

可愛い息子の顔を見たラムセスはトゥキー達の事など忘れ自室に戻り、息子のこれからの事を考えるのであった。


それからしばらくすると自室のドアがノックされた。


「入れ」


すると先程カレーセットを買いに行った大臣がカレーセットと魔物肉串を持って部屋に入って来た。


「おお!それが平民街で流行っている物か」


「はい!カレーセットなる物とキルジャッカルの串焼きとマッスルリノの串焼きです」


「何と!キルジャッカルも驚きだがマッスルリノの肉まであるのか、その露店は」


「ええ。私も驚きました。キルジャッカルもマッスルリノも魔物の強さ故仕入れが難しい魔物。その魔物の肉が毎日出せるのだそうです。と言うのも自社で狩って来るらしくて露店やの強さもそれなりの物である事が伺えます」


「うむ。その者達の勧誘は?」


「勿論進めております」


「流石は大臣わかっておる」


「ありがとうございます。それではカレーの毒見を。入って参れ!」


そう大臣が言うと奥から一人の老人が現れた。

肌は茶色いが髪は薄く、白髪ばかりの60歳以上ではあるような男性の老人である。

彼は毒見役と言う役職に就く際に大金をもらっている。

それは毒を盛られて死ぬリスクがあるからである。

この役は定期的に募集されている。

応募するのは大体平民が多い。

何故なら家計が苦しいからだ。

いつ死ぬかわからないような年寄りは家にいるよりも家計を助ける為に毒見役になる事は極一般的な話しである。


そしてその毒見役の老人がナン、カレー、肉串を全て少しずつ食べる。

老人にもこの美味しさは伝わったのだろう。

顔がみるみる綻んで行く。


「大丈夫なようだな。では我にも持って参れ」


そしてラムセスの目の前に運ばれたカレーとナン、魔物肉串を食べ始める。


「うむ。確かにこれは美味いな」


と一言言うとカレーナンセットと肉串を黙々と食べ進める。

するとラムセスは急に目の前がクラクラとし出した為食事の手を止める。

次の瞬間凄まじい吐き気がラムセスを襲った。

ラムセスは我慢が出来ずに胃の中の物を全て自室の床に広げてしまった。

吐き出した胃の中の物は血で赤く染まっていた。

吐血したのである。

そのままラムセスは意識を手放した。


「大変だ!誰か!誰かー!」


「回復魔法を使える魔法使いを呼べ!今すぐだ!」


「王の食事に毒が盛られた!急げ!」


王宮はこの事件により大騒ぎとなったのだった。

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