43.殺人と決戦迫る
いつもご愛読ありがとうございます。
本日も無事に更新出来て良かったです。
更新遅くても新たについて来てくださる読者様方に感謝しかありません。
今後もよろしくお願い致します。
参謀役を加えて更に仲間を集める事を進めた。
王政に不満を持っている者、このままだと死ぬのを待つだけの者、死なずとも貴族の慰み者になるしかない者、子供の将来に不安を感じている者、殆どが平民、貧民。
中でも貴族の心優しい人間も中にはいた。
身内思いな貴族であったり、今の情勢が間違っていると思っていた者、陰ながら王政の廃止運動をしていた者、様々な人間が俺達の元へ集まった。
あれから3ヵ月の出来事である。
この国の人口は多くはない。
多く見積もっても5000人程の小さな国である。
そして俺達の元に集ったのは1000人に迫ろうとしていた。
この人数はあれから1ヵ月程で急激に増えた。
そう、参謀役を迎え入れてからだ。
それだけではなく、俺達に追い風となる出来事があれから1か月後に起きたのだ。
それは王宮が国民に対し税金を増やすと宣言した事だ。
これに国民は猛反発。
今まで辛うじて食えていた国民達は死の危機を感じ始めたのである。
その宣言に便乗し仲間を増やした。
今や商業ギルドも冒険者ギルドも仲間に加わっており、俺の今後の国の有り方に皆共感をしてくれた。
そういった事もあり反王国軍は着々と人数を増やして行った。
「なぁ、いつやるつもりなんだ?」
「そろそろ時期を決めないといけないのでは?」
レイとジョシュが俺に質問をする。
現在秘密集会場にて会議中なのである。
秘密集会場は貧民街を改装した物である。
元々貧民街の人間しか寄り付かず、ここは無法地帯となっていた。
そこをサンドの魔法で拡大し、新しい施設を建て今では反王国派の寄り合い場所となっていた。
この場所はかなり極秘である。
その為貧民街の金のない、それも薬中のようなパロった人間は簡単に金の為に裏切る為施設内の一室に隔離している。
人権侵害と言われるかも知れないが少数の人間より大勢の人間だ。
俺は前世からそういった切り捨ては行って来た為躊躇はない。
そこの躊躇した事によって我が身を滅ぼす事にも繋がってしまう。
甘さは命取りなのである。
俺も前世は色んな薬をやった。
玉にウィードにアイスに粉。
どれもやったが依存はしなかった。
そういう物だ。
ハマるも溺れるも自分の意思次第。
薬中になる奴って言うのは意思が弱いのだ。
無理やりやられてしまった人間も前世には大勢いるが、そういった人間以外これに例外はない。
だから俺は薬中には元々厳しい所があった。
きちんと食事も出すし、薬も売人から多少仕入れ与えてやる。
それだけでこいつらはハッピーなのだ。
そしてこれからの決戦時期について今問われている。
今回の集まりはトレシアスク ファミリーと商業ギルド代表、冒険者ギルド代表、町長、村長、貴族代表者の15人。
よくよく調べてみた所王国には王都以外に村や町があった。
そこを取り仕切る者が村長や町長である。
そして商業ギルドの長、冒険者ギルドの長、王政反対の変わった貴族代表者でこの反王国軍は構成されている。
俺達は貧困街代表兼反王国軍代表である。
トレシアスク ファミリーは町では有名になっていた。
と言うのも露店で食べ物を売る店の名は「トレシアスク屋台」と名付けられ、商業ギルドにも「トレシアスク ファミリー」として登録をしている。
冒険者ギルドにも「トレシアスク ファミリー」として登録を行った。
食材を集める際に余計に倒してしまった魔物を冒険者ギルドに卸したり市場に卸したりしてバランスを取っている。
たまに討伐難易度の高いトリプルアダー(三頭の巨大毒蛇)やデザートワイバーン(砂漠の小龍)をレイ達が討伐して冒険者ギルドに卸すもんだからレイがこのパーティのリーダーのように勘違いもされているようだ。
当の本人も満更ではない感じである。
その為周りからトレシアスク ファミリーはかなり評価されており、腕利きの上に平民街ではなくてはならない存在となっていたのだ。
この調子だと存在が王宮に届くのは時間の問題なのだと言うのがジョシュだ。
だがこうなるシナリオを書いたのもジョシュである。
その為俺に問うよりもジョシュの中では既に大体の決戦時期が決まっているのだろうと俺は聞かずともわかっていた。
「ジョシュ。俺に判断を仰ぐなよ。お前の中ではもう決戦時期は決まっているんだろう?」
「反国王軍のリーダーはトゥキー様ですから。私が考えている時期を申し上げるのであれば2ヵ月後が妥当かと」
俺とレイは顔を見合わせ、やっぱりなと言う風に微笑をお互いに浮かべた。
レイも最近はジョシュを理解して来たらしい。
ジョシュ・ハームレット。
俺を「様」呼ばわりになったのは理由がある。
ジョシュを参謀役に加えて直ぐに俺はハームレットにちょっかいを出す貴族が邪魔だった。
何故なら妹達を予告なく連れ去られてしまったらジョシュの士気にも響くと考えたからだ。
それだけ妹達の事を考えており心の優しい男である。
俺はレイを呼び出し、ジョシュの事情を皆に話した。
「…と言う訳だ。ジョシュはこれからの俺達に必要な人材であり、ジョシュを失う訳にはいかない」
「それで?どうするって言うんだ?その借金とやらを俺達が返してやるのか?」
俺の言葉にレイが質問をする。
「そんなんで納得すると思うか?聞いた所によるとその貴族。メデューサスって言ったか…蛇のように纏わり付いて相手が死ぬまで苦しめると言う外道も外道の貴族らしい。
周りに好いている貴族もいない。
いなくなって困る人もいないようなクズだ。
そんなクズが消えたとしても家族は悲しむだろうが誰も気にも止めないだろう」
「消すのか?」
「ああ」
流石レイだ。
俺の言いたい事を即座に理解する。
「誰が行くんだ?俺か?お前か?」
「二人でに決まってるだろ」
「まぁそうだな。俺の罪はお前の罪。お前の罪は俺の罪だ。な!兄弟!」
「ああ」
そして肘と肘を合わせて二人の意思が固まった事を確認する。
その夜直ぐに行動に移した。
都合が良かったのはその夜メデューサスは夜の町に飲みに出かけていた。
帰宅は遅く、深夜になってからだった。
千鳥足で家まで歩きながら帰るメデューサスが人がいない通りに差し掛かった時、正面からレイが現れる。
まさか自分を殺す為に待ちかまえていたとは本人は思わなかっただろう。
そのまま道を歩き出した。
するとレイは剣に手を掛け、姿勢を低く構えた。
100m3秒で走る人間のほんの一瞬の一振り。
それによりメデューサスは絶命する。
死体があっては騒ぎになるだけだ。
建物の上から様子を伺っていた俺はダークネスホールを発動させ、死体をその場から消した。
「声/称号:キラーになりました」
人を殺すと称号が変わるのか。
確かにこの世界に来て人を殺した事はなかった。
だがこの世界は称号を見るスキルがある。
そのスキルがある人間が見たら俺の信用はガタ落ちだ。
俺が変わったと言う事はレイも十中八九変わっているはずだ。
事が終わった後レイの現状を恵眼で見る。
【種族名】人
【個体名】レイズ・ワシントン
【Lv】101
【称号】人斬り
流石に毎日のように食材を調達しに行っているせいかレベルも上がっていた。
だがレイも見られると不味い称号だ。
これだけ修練した俺達でも取得出来なかった恵眼以上のスキルだ。
それを持っている人間がこの国にはいない…はずである。
だが可能性はゼロではない為気を付けるしかなさそうだ。
そして俺達はその足でメデューサス宅に忍び込み、ハームレット家との貸借書類だけがなくなっても疑われるだけなので他の書類も一緒に燃えるよう火を放った。
そして家の人間に聞こえるように火事である事を知らせる。
「火事だー!大変だー!火事だー!逃げろー!」
俺のファイアーで燃えている火は自由自在に収縮出来る。
その為、実際に家に火が付いたのは家の人間が逃げてからである。
その事件があってから何かを勘付いたのかジョシュは俺の事を「様」付けで呼ぶ様になっていた。
「様」付けで呼ばれないレイは少し不満げな表情をしていたが…。
今もメデューサス貴族は行方不明。
夫の今までの素行の悪さが多々って残された家族は今まで散々良い様にされて来た貴族や平民から仕返しをされ、家族で失踪してしまったと言う噂を聞いたが身から出た錆なのであまり気にしていない。
そして話しは決戦の時期に戻る。
「ジョシュが2ヶ月と言うのであれば2ヶ月後だろう。恐らくその頃がこの反王国軍の存在が露見するかしないかのギリギリの線だと俺も思う」
「だな。知将二人がこう言ってんなら間違いないだろう。決戦の日は2ヶ月後!いいか?」
「わかりました」
「それまでに準備を整えましょう」
「私もそれまでに自軍を固めます」
「2ヶ月後…」
「しゅぐでごじゃいましゅね」
「決戦は冬!各々2ヶ月で準備を整えろ!」
決戦の時は刻々と近付いていた。
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