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N.Yの最凶人物が異世界転生した結果  作者: KIT
ダンジョン編
33/113

33.90階のフロアボス 後編

本日も無事更新出来て良かったです。

今回は新たな進展を匂わせるようなお話しになっています。

これからもN最の応援をどうぞよろしくお願い致します。

レイの黒い炎を纏った剣がゴーレムの背に突き刺さり、黒い炎がゴーレムの身体に広がって行く。

だがレイが突き刺した所に核はなくなっていた。

レイが突き刺す瞬間、別の場所に核が移動されたのだ。


「ちっ」


とレイが舌打ちをした時、ゴーレムは右手を背後まで振り、レイを弾き飛ばす。

勿論レイは剣でガードしたがゴーレムの力には適わず、そのまま壁の方まで飛ばされる。


だがゴーレムに付いた黒い炎はゴーレムの身体を侵食して行く。

これでは核を切り離すしか方法がない。

今核はゴーレムの頭部に移動している。

それを見逃さなかったクリンがゴーレムに向かって突進。

勢いそのままに飛び込みゴーレムの頭部へ渾身の一撃をお見舞いする。


「ゴキーン!」


だがゴーレムの硬い装甲はクリンの一撃でも多少ヒビが入る程度で何のダメージにもならなかった。

ゴーレムは目の前のクリンを右の平手でふっ飛ばす。

ふっ飛ばされたクリンは俺達の所まで飛ばされて来る。

難なく着地はしたがとても悔しそうな顔をしていた。


「僕なんの力にもなれないよ」


そうクリンが弱音を吐いた為、俺は魔袋から一つの棍棒を取り出した。


「クリン!」


そう言ってクリンへその棍棒を投げ渡す。

受け取ったクリンが、「これは?」と言うような顔をしている為説明をしてやる。


「俺の能力が上がったからな。ちょっと作ってみた。多分今の鉄棒よりも性能いいぞ。アイスゴーレムをそれでぶっ叩いてやれ」


するとクリンは満面の笑みでコクっと首を縦に振ると一瞬で顔付きを真剣な物にしてゴーレムへ走り出す。


この棍棒は新しい魔袋作成時に次いでに作成した物だ。

元々クリンの火力不足は目立っていた。

だがレベルは一番高いのだ。

問題は何か…それは武器だ。

魔法の使えないクリンには武器と言う装備は非常に大切になる。

恐らく今後、一番装備費用がかかるのはクリンだ。

盾役の為、装備が壊される事はこの先多いだろうがそれだけではない。

彼を強くする為には装備を強くしなければクリンの実力は出し切れない。


そこで俺はクリンの鉄棒よりも強い武器を作ってみようと思ったのだ。

ユニークスキル:付与。

これが手に入った事で鉄を固めただけの鉄棒よりも強力な武器が作れるだろうと考えていた。

俺は鍛冶師じゃない為、鉄を打つ事は出来ない。

俺が知っている知識はただ鉄に炭素を混ぜると強い鋼が出来ると言う事だけである。

その為俺が行った事はダンジョンの土から鉄を魔法で集め、炭素として黒い石、恐らくグラファイトと呼ばれる物を魔法で集め、それをファイアで炙って溶かし、混ぜて液体に付与でエンチャントを付与。

加えたエンチャントは硬質化と破壊力増加と衝撃吸収の3つだ。

正直この手の才能はない為、今出来る最高の付与を乗せた。

そして固まって出来たのが、黒い棍棒である。


クリンが飛ばされて来た後、アイスゴーレムは左手で魔法を発動させ、自身の手前に首を乗せ換える上半身を作成する。

そしてまだ動く左手で頭を新しい胴体に乗せ換える。

ようやく動けるようになったが下半身まで作成出来る時間はなかった。

その作業だけでも2分以上はかかっていたのだ。


もう既に目の前には新しい棍棒を持ったクリンが真ん中、レイが左、シーナが右に迫っていた。

魔法で応戦しようと右手を前に掲げるも三人のスピードは速く、魔法を発動する前に切り付けられる。

レイが右肩を切断し、シーナが左肩を切断。

そして身動き取れない状況でクリンがゴーレムの頭目掛けて棍棒を振り下ろす。


「バーン!!」


するとゴーレムの頭は粉々に吹き飛んだ。

その光景を間近で見ていたレイとシーナは唖然としていた。

だが油断はしていられない。

核は動き続けている。

が、両手も頭も取られてしまった今、正直黒炎と白炎が身体を侵食し尽くせばその内核に辿り着く。

そうなってしまえば終わりなのだ。

魔法で身体を再生は出来ない。

何故ならゴーレムは無詠唱だった。

魔法使いであればわかる事だが、無詠唱は魔力の流れや魔法の出る感覚と言うのを覚えておく必要がある。

その為魔法を出した事がない箇所から魔法を出す事は出来ない。

恐らくその手の天才と呼ばれる者であれば可能だろう。

出来たとしても形にならない魔法が出るだけ。

それを何度も繰り返し練習すれば可能だ。

ただ先程までのゴーレムの行動からして手を使わないと魔法を発動出来ない事は明白であった。


俺はこの戦いの終わりを理解した。

そしてアレンとスーカを連れ、ゴーレムの近くまで歩く。


「終わったな」


とゴーレムの残骸の前にいる三人に俺は声をかける。


「ああ。あとは時間の問題だ。それよりクリンのその棍棒なんだよ!お前だろ?トゥキー」


とレイは何やら言いたそうに俺に話しを振る。


「ああ。魔袋作る時にちょっとな。だが俺の生産知識ではこれが限界そうだ」


と説明するとレイが言う。


「いや、充分だよ!クリンの火力上がれば前線の俺達は大助かりだ!なぁ!シー」


「うん!盾役だけじゃなくて攻撃にも転じる事が出来るなら私達の攻撃の幅も広がるし!」


と二人は大助かりだとクリンを褒める。

劣等感ばりばりだったクリンは嬉しそうに笑う。

本当の意味で俺がやりたかった前線の攻撃パターンが完成した瞬間だった。


残るはアレンとスーカだ。

レベルを見るだけでも二人のスペックは皆よりは低い。

ここを強化出来ればより強い相手にも立ち向かえるが、もし単体ではどうかと言われると難しいと言わざるを得ない。

使える魔法の数は間違いなく増えて来た。

足りないのは基本的なスペックなのだ。

走るにも普通の人の子より少し早い位しかなく、防御力も低い。

火力も差ほどないと言うのが現実だ。

少し魔法の種類を増やす事だけに集中し過ぎたのかも知れない。

それでも俺程使える魔法が多い訳ではなく、覚えは早い方ではない。

種類を増やすのと無詠唱に拘った結果が今なのであれば俺の指示は間違っていたと言うしかない。

何故ならその指示を出したのは俺だからだ。

この件に関しては見直しが必要だろう。

そんな事を考えているとアレンが言葉を発した。


「所でまだ核残ってるみたいだけど…」


すっかり忘れていた。


「クリン。今回はお前の手柄だ。核、壊せ」


「うん!」


と満面の笑みで首を縦に振るクリン。

普通は生き物を壊すなんてことはいけない事だ。

だがこの場合は良いのだ。

ゲームのセオリーから言って最後に止めを刺した者が一番経験値をもらえる。

俺にはまだステータスの全てが見える訳ではないが、その辺りは気にして行動した方が良いだろう。


俺達が少し距離を取ると新しい棍棒で硬いゴーレムの胴体部分を滅多打ちにするクリン。


「ギャンギャンギャン!!」


ここで気になるのは黒炎と白炎だが魔法のセオリーは術者が魔法の発動を意思で辞めれば消える。

黒炎も白炎も消えない炎ではあるが、正確には術者によって消せる炎なのだ。

その為既に黒炎も白炎も綺麗に消えている。

その為気兼ねなくゴーレムの胴体をぶっ叩けるのだ。

だがほんの3発程度であの強固なゴーレムの胴体はバラバラになった。

一つの欠片の中に核が脈打っているのがわかる。

それをクリンは棍棒で粉々に砕いた。

それはまるで卵が地面に落ちたような様であった。


「終わったな。次行こうぜ!腹減った」


とレイが言う、踵を返そうとした時すぐにレイの足が止まり腰の剣に手を回し構える。


「全員戦闘態勢!!」


何かいる事を感じ取った俺も後方に飛び、いつもの配列へ着く。


「嫌だなぁ!そんなに警戒しないでよ。コングラチュレーション!良くここまで来たね、君達。僕はこのダンジョンの管理者、妖精族のナキール!よろしく!」


妖精と言うように体長は約15cmだろうか。

想像していた妖精よりは少しだけ大きいサイズの、明るめの茶髪に尖った耳、透明な昆虫にも似た羽を羽ばたかせ、緑色の光と衣服を纏った妖精がそこにいた。

レイがその言葉に反応して聞き返す。


「管理者だと?」


「うん!だから君達がここに入ってから今までずっと見てたけど、このパーティ面白いよね。何て言うか…王道じゃないと言うか何と言うか…まぁ鍛え方が異常かな!はは!」


とナキールは笑う。

何故か皆の視線は俺に注目していたのだが、それは今は置いておこう。


「アイスゴーレムもほぼ無傷で倒しちゃうし、君達強くなったよね。本当最初はいつ死んじゃうかと思ったけど。ふふ。…このダンジョン古くてさ、ほとんど人なんて入って来ないからまた暇つぶし出来るのは100年、200年先かなって思ってたよ。でもここまで本当楽しかった。あ、意地悪してた訳じゃないよ?管理者って言っても魔物を移動させたりは出来ないし、現れる魔物を強いのにしたり出来ないし管理者って言っても出来る事と言えば入って来た者の攻略を見る位の事なんだ。それに仕事も決まってる」


「仕事?」


「うん!改めておめでとう、諸君!次の100階がこのダンジョンの最後の階だ!100階のフロアボスを倒す事に成功出来れば、君達は地上に戻れる。90階のフロアボスを倒した者の前に現れ、次の100階が最後の試練だと告げる。そしてダンジョンを攻略した者を地上に戻すのが僕の仕事だよ」


「何でそんなつまらなそうな仕事してるんだ?」


「まぁ…色々あってね。…と言う事だからさ!次の100階で待ってるよ!大丈夫!君達ならやれる!それじゃあまたねー!」


「お、おい!」


レイの呼び止める声も聞かず、ナキールはその場を飛んで去って行く。


「次が最後だってよ」


レイがナキールの言った事を復唱する。


「ああ。じゃあ行こうか。最後の試練とやらに」


「「「うん」」」


皆顔がキュッと引き締まった所で91階に続く階段を俺達は降りるのだった。

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