32.90階のフロアボス 前編
お待たせしました。
いつもご愛読ありがとうございます。
ほぼ毎日のように更新して行きたいなと考えております。
作者にもプライベートがあるので少し遅れたりする事がありますが長い目で見て頂けると嬉しいです。
今後ともよろしくお願い致します。
「ゴーーーン!」
鐘が硬い物に当たる様な音が空間に響き渡る。
クリンの左足への一撃はアイスゴーレムの硬い装甲に多少の傷を付ける位であった。
だが邪魔者を排除するかのようにアイスゴーレムは左足でクリンを蹴り付けるがクリンはその攻撃を避ける。
アイスゴーレムの攻撃は決して遅くはない。
だが正直動きは3人の方が早い。
物理的な攻撃は先ず受けないだろう。
アイスゴーレムがクリンに蹴りをする瞬間、レイがファイアーを纏った剣でゴーレムの振り上げられた足を縦一線に切りつける。
「ギャン!」
多少は切れているようではあるがそれほどのダメージではないだろう。
それと同時にシーナがゴーレムの右足をトーチを纏った剣で横一線に切り付ける。
「ガキン!」
これも多少の傷にはなったようだが、それほどのダメージではないだろう。
このようにゴーレムの一撃の間に三撃与えられるのだ。
ダメージが小さいと言ってもゴーレムからしたら煩わしい事この上ない。
その為ゴーレムは魔法を使う。
地面に向かってゴーレムが左手の掌を向ける。
すると掌から魔方陣が現れ、ゴーレムを中心に地面から鋭利に尖った氷の柱が無数に発生する。
その攻撃に堪らずクリン、レイ、シーナがゴーレムから距離を取る。
恐らくただのアイス。
だが熟練度が完ストされている為、思った通りの氷の造形を作り出せるのだろう。
正直大技出されるよりも初級魔法を完ストされている相手の方がやりずらい。
空かさずアレンとスーカが魔法で攻撃を仕掛ける。
スーカが素早く詠唱し魔法を発動させる。
「シャイニングレーザー」
清らかな白い光は縦一線にゴーレムへ向かって行き命中する。
ゴーレムがアイスを発動し、皆が距離を取った瞬間だ。
「ドーン!」
そして空かさずアレンが魔法を詠唱し発動させる。
「ボルトショック」
ゴーレムの上空に魔方陣が現れ、落雷のように稲妻が縦に走る。
「ズドーン!」
攻撃により煙が上がり、少しの間ゴーレムの状態を目視出来なくなる。
だが足は見えている為どこにいるかは把握が出来た。
流れるような連携で俺達は攻撃を続ける事にした。
そして俺は無詠唱にて魔法を発動させる。
「メテオライト」
アイスゴーレムの斜め上に魔方陣が発動し、魔方陣から巨大な火の玉が勢いよく出現する。
そしてゴーレムに命中し爆発する。
「ドゴーーン!!」
メテオライトの爆発の風圧で一帯に凄まじい温風と爆風が吹き抜ける。
ゴーレムが発生させた氷の柱は溶け、壁なども凍り付いていたのにも関わらず本来の壁を構成しているレンガが少し露わになる。
爆発の煙などが段々と晴れて行き、アイスゴーレムの状態が段々と見えて来る。
するとアイスゴーレムはメテオライトが当たったと思われる部分の上半身の2/3がなくなっており、他にもアレンのボルトショックによりダメージを負ったと思われる部分が欠けていた。
「やったのか?」
とレイが一人つぶやく。
するとゴーレムの左手が動き、己の身体に当てる。
ゴーレムの掌から魔方陣が発生し、無くなった自分の体を再構築する。
すると元通りの身体に戻る。
「厄介だな」
と俺はついぼやいてしまった。
こういう場合はどこかに核があると言うのはセオリーだ。
体内か、はたまたここではない別の所か…それを見つけない事にはゴーレムは倒せない。
魔力を全て使い果たさせれば修復は出来ないだろうが、果たして倒した事になるのか…。
先ずは弱点を探るのが先だろう。
そう考えた俺は前線にいる3人に指示を出した。
「クリン!レイ!シーナ!どこかに核があるはずだ!それを探して叩け!」
3人は俺を見ながら、わかったと言わんばかりに無言で首を縦に振るとゴーレムに向き直り、再度ゴーレムへ向かって行く。
ゴーレムもバカではない。
足止めに再度先が鋭利に尖った氷柱のような氷を魔法で発生させる。
だが魔法の発生速度よりも3人の速度の方が上だ。
上手く避けてゴーレムに迫る。
遂にクリンがゴーレムの足元へ到達する。
そして敢えて攻撃はせずにゴーレムの足から身体を登っていく。
レイは左側、シーナは右側を上り、ゴーレムの身体の隅々を探っていく。
ゴーレムは目障りだと言わんばかりに3人を払いのけようと手で叩き落そうとするが、ゴーレムの攻撃速度よりも3人の回避する速度の方が早い為避け切れるが場合によっては一度下に降りなければいけない。
そんな事を何度か繰り返しているとレイが声を上げた。
「あったぞ!左胸辺りに変な丸い物体がある!」
「それが核だ!それを壊せ!」
だが何かに気付いたかのようにゴーレムが己の身体に左手で触れ、触れた部分から魔方陣が発動する。
するとゴーレムの身体から氷柱のような鋭利に先が尖った氷が出現する。
3人は堪らずその場を離脱し、一度地面に降りる。
「クソ!意図がバレちまったようだ!」
とレイが悔しそうに言う。
「それにしても自分に魔法を発動させるなんて…」
とクリンが驚いた声を上げる。
「シー!こいつ燃やしちまおうぜ」
「オッケー!」
レイがシーナへ指示を出し、シーナも同意する。
するとレイの剣には黒い炎、シーナの剣には白い炎が灯る。
すると二人は一気に走り出し、双方の足に横一線に切り付ける。
「白炎斬」
「黒炎斬」
すると硬かったゴーレムの両脚は足首から切断され、バランスを崩したゴーレムは膝から崩れ落ちる。
切断された両足首からは双方白い炎と黒い炎が燃え、ゴーレムの身体を侵食していく。
ゴーレムは自己判断をしたのか、落とされた足をアイスを自身に掛けて足を生やす。
だが白い炎と黒い炎は消えず、ゴーレムの身体を侵食していく。
これではいけないと思ったのだろう。
ゴーレムは自らの右足を腿の付け根を身体から外し、3人へ向けて投げ付ける。
その間にアイスの魔法で自身の右足を生やす。
そして黒い炎が燃える左足も同様に身体から外そうとする。
そんなやってもやらなくても同じ結果の事をゴーレムはしようとするが、それが隙となる。
レイは高速で走りだし、ゴーレムの身体を上り、先程の核のあった所まで駆け上がる。
が、そこには核らしきものがなくなっていた。
レイは一旦地面に降り、左足を身体から外しレイに向かって投げつけようとしている事を目視すると高速でその場を離れる。
ゴーレムが左足を投げた場所には既にレイはおらず、投げ付ける攻撃はミスとなる。
するとレイが大きな声で言う。
「トゥキー!こいつの核、場所が変わるぞ!」
その報告を聞いて実に厄介だなと感じた。
核が移動すると言う事はこの硬いゴーレムを細切れしなければいけないのはかなりの重労働だ。
「駄目元だがやってみるか」
俺はそう呟くと無詠唱で魔法を発動させる。
「ダークネスホール」
するとゴーレムの足元に魔法陣が現れ、魔法陣から黒い煙が渦を巻き始める。
するとゴーレムは黒い煙の渦に足を取られ段々と沈み始めた。
これで飲み込まれてくれるなら苦労はない。
身動きの取れないゴーレムはそのまま沈み続けるが何かを思い付いたのか先程までしていた抵抗を辞めて、両手で上半身を下半身から持ち上げて腕の力だけでダークネスホールが発生している外へ飛ぶ。
「今だ!!」
俺がそう叫ぶと何かを察し、シーナを初めレイとクリンが飛んだ胴体へ高速で移動する。
たった2秒ではゴーレムも体の生成が追い付かない。
だがタイミング良く合わされてしまい、シーナはゴーレムの左手により壁へ飛ばされる。
「ダーン!」
「イッターイ」
だが振り切った左手が戻る前にレイはゴーレムの左側に来ていた。
そして同時にクリンもゴーレムの元に来ている。
セオリー通り勢いそのままにクリンがゴーレムの頭めがけて鉄棒を縦一線に振り下ろす。
「ガキーン!」
ピシっと音がしてゴーレムの頭に少しのヒビが入る。
すかさずクリンにゴーレムの右ストレートが炸裂するがクリンは鉄棒でガードし、そのまま吹っ飛ばされる。
そんな事が繰り広げられているその一瞬。
ほんの3秒程の出来事の中、レイはゴーレムの上半身の周りを隈なく調べた。
そして見つけた右胸部分にある核目掛けて、黒炎を纏った剣を突き立てる。
そのタイミングはクリンにゴーレムが右ストレートを放った瞬間の完全なカウンターだった。
「ビキッ」
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