3.盗みの方法
2作品同時に進行は難しいですが、出来るだけ更新しています。
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「お前…本気か?」
そうリーダー格のガキは俺に問うた。
「ああ。もちろんだ」
「どうやるつもりだ?」
リーダー格のガキは急に小声になり、俺に質問した。
「聞くか?あのな…お前はこうするだろ?で、あの子がこうするんだ。」
「ふんふん」
「でな?あの子はこう行くだろ?するとあいつが待っているから、こうしてお前に渡すだろ?最後は俺がこうする。どうだ?いけそうじゃないか?」
俺は前世で培った、セコイ窃盗方法をリーダー格のガキに教えた。
「っ!!本気か?」
「ああ。やれそうだろ?」
「お前…天才か!」
リーダー格のガキは驚いた眼差しで俺を凝視した。
周りのガキ共も俺にキラキラとした眼差しを向けているようだ。
小声だがこいつ等にはわざと聞こえるような大きさの声で説明したからな。
すると突然、天の声が聞こえた。
「クールスキル:暗躍を取得しました」
いきなりクールスキルかよ。
いきなりクールスキルが出たのは死ぬ前に聞いたユニークスキルの獲得以来だ。
この世界は今の所、理解出来ることがある。
先ずは一番一般的なシンプルスキル。
次にファインスキル。
その次はクールスキルか?
その進化先にユニークスキルやスペシャルスキルがあるのだろう。
RPGゲーマーとしてスキルの把握は当然である。
ゲーム上でもひたすらスキル上げをした。
現実でも自分のスキルがどこまで高められるか、毎日修行のような生活を過ごした。
勿論成功した今ですら向上心は止められない。
そんな俺にとっては自分の価値を最大限に引き出す事が俺の楽しみでもあった。
自分がどこまで行けるのか、どれほどの器なのか…毎日頭をフルに回転させるような日々を送っていた。
気が付けばアメリカの東海岸を制していたのだ。
ただ後悔している事と言えば仲間だ。
俺が守ると約束した仲間達は次々と死んで行った。
結局残ったのは俺とレイ。
もっとどうにかしてやれなかったか…もっとどうにか守れなかったか…酔った時は口にも出ていた。
それを聞くたびにレイは言った。
「仕方ない。お前は精一杯やった」
何が悔しいかって?考えれば考えるほど、ああしていれば、こうしていればと解決策が浮んで来たから。
どうやっても救えない命ならば「仕方ない」で済ませる事が出来ただろう。
だが、どうしたら助けることが出来たのかと言う明確な解決策が浮んで来るから後悔するのだ。
だが仕方ない。
時は戻す事が出来ない。
その時はその一瞬しかないのだから。
俺はガキ共にどうやったら売店に並ぶ果物が盗れるのか教えて回った。
簡単な仕事だ。
こんな事は俺がガキの頃からやっていた事だからな。
危ない時はあったが大体が上手くいったのだ。
今回俺達は6人で犯行に及ぶ。
5人それぞれに役割があり、どう行動したら良いのかそれぞれにざっくりと説明した。
皆ちゃんと理解してくれたようだ。
ここで名称がないと面倒な為、それぞれに名前を聞いた。
先ずリーダー格の男。
名を「レイズ」。
スラと背筋の伸びた姿勢、平均よりやや細めな体つき、茶毛に茶色い肌のどちらかと言えばイケメンだ。
そして丸坊主の小さな体をしたガキ。
名を「クリン」。
俺より身長が低く、小さいと言うイメージが第一印象。
そして気弱そうな顔付きで黄色人種のような肌色だ。
そしてもう一人男の子。
きっと年下だろう。
ブロンドの髪色で洗えばサラサラするだろう、おかっぱ頭の名を「アレン」。
子供ながらに整った顔立ち、長いオレンジ色のややクセ髪、少し小さめな身長、名を「シーナ」
あまり髪を洗えていないのだろう…それが酷く勿体無い程綺麗なグレーのストレートヘアーで前髪ぱっつんの名を「スーカ」。
こいつらの名前を一通り聞いて俺は指示を出そうとした。
するとレイズが俺に聞いて来た。
「なぁ、お前は何て言う名前なんだ?」
そう言えば俺名前ないな。
俺って名前は何て言うんだろう…と頭の中で考えた。
すると例の機械声が聞こえて来た。
「名前;トゥキー・ウィリアモーゼ」
前世の名前を引き継いでいるのだろうか。
ただ俺の名前ははっきりした。
「トゥキーだ」
「トゥキーか。で、いつ作戦は決行するんだ?」
「これからやるに決まってるだろ」
俺は悪い笑みを浮かべた。
「付いて来い」
俺は体を起こすとターゲットに向かい歩き出した。
書き出すと書きたい事があり過ぎて全然収まりません。
どなた助けてください。