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N.Yの最凶人物が異世界転生した結果  作者: KIT
ダンジョン編
27/113

27.80階のフロアボス 後編

評価者3人、ブクマ11人。

本当にありがとうございます。

ユニークの方も増えまして、700人を突破致しました。

いつもご愛読頂き、本当にありがとうございます。

今後もよろしくお願い致します。

レイがファイアーを纏った剣で前線にいるゾンビウィザードとスカルウィザードへ攻撃を仕掛ける。

先ずは一番左側にいたスカルウィザードだ。

スカルウィザードへ横一線にファイアーを纏った剣を振ろうとする。


「カキン!」


すると前に出て来たフェンサジックゾンビがレイの剣をウォーターを纏った剣で受け止める。


「な!」


レイは驚いた。

フェンサーゾンビは生前剣士だったのだろう者のなれの果てである。

ゾンビウィザードが存在するように魔剣士のゾンビがいる事も必然で、このフェンサジックゾンビは魔剣術士のなれの果てである。

レイが驚いたのはその存在ではなく、これだけ統率の取れたアンデッド部隊が初めてだったからである。

100体程の部隊が出来てしまう理由も何となくわかってしまうようだった。


「こいつらかなり強いぞ!気を付けろ!」


レイが攻撃を仕掛けるのと同じ時、シーナも攻撃を仕掛けようとしていた。

近付いた速度そのままに一番右側にいたウィザードゾンビへトーチを纏った剣を横一線に振るうするとレイ同様、列から出て来たフェンサジックゾンビのウィンドを纏う剣により止められる。

そこでレイからの声が聞こえたのだ。


だがアンデッド部隊は統率は取れているものの個々のレベルはレイやシーナにはかなり劣っており、シーナへの注意喚起後剣の腕でフェンサジックゾンビを斬り伏せた。

だが次々にフェンサジックゾンビが現れレイとシーナを襲う。

1体でダメなら2体同時、2体でダメなら3体同時に攻めて来るのだ。

レイとシーナはフェンサジックゾンビ個々のレベルが低い事を感じ取り、そのまま前進しようとしたが倒しても倒しても湧いて来るフェンサジックゾンビに手を焼いていた。


その間にウィザードゾンビやスカルウィザードはレイやシーナには目もくれずにクリンに向け魔法を発動させる。

だがクリンを倒せず最前列の5体で魔法を仕掛けるがクリンは全て防御する。

そこで手が空くのがアレンとスーカだ。

アレンとスーカはレイやシーナに当らないようアンデッド部隊に向けて魔法を発動させる。

アレンがロックブリザート、スーカがウィンドカッターを発動しアンデッド部隊を両断、石の下敷き、身体破損させていく。

がアンデッド部隊は燃やすか浄化しなければいけない為、動きを鈍らせる位のダメージしか与えられずにいた。

アレンはまだ火系の遠距離魔法が使えず、スーカはシャイニングレーザーが使えるが前には3人がいる。

シャイニングレーザーは直線の約50m程が攻撃範囲である。

その為前に3人いる中での発動は出来ないと考えていた。

それでも動きを鈍くさせればレイやシーナが片付けてくれると言うのがアレンとスーカの見解だった。

尚この判断は二人が話し合った訳ではなく個人同士での考えで同じ考えにいたる所、流石は連携が取れていると言っていいだろう。

つうといえばかあ、かあといえばつうなのだ。


だが前線にいる二人組は次々に湧いて出て来るフェンサジックゾンビに仕舞には10体1での戦闘を余儀なくされていた。

明らかに不利なのだが、レイズと言う男は不利な状況だと楽しくなって来てしまう体質なのである。

次々に湧き出るフェンサジックゾンビを相手に笑みを溢さずにいられなかった。


「はっはっはー!」


彼は笑いながらフェンサジックゾンビを火を纏った剣で切り伏せていく。

ネタバレになってしまうがレイには逆行と言うユニークスキルがあり、この行動もそのスキルによる効果なのであるがそれを知るのはまだ先の話しである。


一報シーナだがシーナも10体1での戦闘を余儀なくなれていた。

後ろの魔物はアレンとスーカの魔法によって動けなく、または動きずらくされていた。

標的の見えない後部の魔物は魔法が使えたとしても標的が定まらない為魔法での反撃が出来ずに飛んでくる無数の岩や無数のかまいたちによって身体を分裂させられたり身体を潰されたり岩の下に挟まれたりしていた。

だがフェンサジックゾンビが魔剣術で対抗しない訳もないのでフェンサジックゾンビが運良く巻き込まれている事を願うしかなかったのだ。

段々と心が折れかかって来る。

シーナ自身はかなりピンチになろうとしていた。

それを横目で気付いたレイがシーナに言った。


「シー!一旦下がれ!後は俺がやる!」


シーナは一瞬考えたが一旦任せた方が自分も回復に努められる。

レイが本当に危ない時、今の状態では何も出来ない。

それを一瞬で悟ったシーナはレイの言葉に答えた。


「わかった!ごめん!」


そしてアレンとスーカの所まで下がり一旦休憩する。

スーカ側の直線が空いた事により直線攻撃が可能となった為、シャイニングレーザーを詠唱して発動する。

すると光の線に当ったフェンサジックゾンビも他のアンデッドも浄化し、塵と化していく。

その攻撃が危険だとコマンダーゾンビは判断したのだろう。

土系のウィザードゾンビやスカルを前方に送り込み、スーカ側に土壁を出現させる。

それにより攻撃を受ける事はなくなったがアンデッド部隊は自分達の通路を狭める形となってしまった。

魔法攻撃がクリンになくなった事によりクリンは動けるようにはなったが今まで一手に魔法攻撃を引き受けていた為直ぐには動けなかった。

クリンは限界が近かったのである。


アレンとスーカは動けはするが通路が狭くなってしまっている為、魔法での攻撃はレイが退かない限り難しい。

恐らくスーカがシャイニングレーザーで攻撃するのが適切だろうとは思うがレイは今覚醒中の為退かせるのは難しいだろう。

そう考えた為、レイの戦闘を見ている事しか出来ずにいた。


一報レイはこの状況を楽しんでいた。

倒しても倒しても湧いて出て来る敵。

弱いがこのままでは押し込まれてしまいそうな状況。

その状況がレイにとっては危険な遊びのようで楽しかった。

トゥキーが窃盗団として街で物を盗んでいた頃、危険な事も多かった。

多かったが楽しかった。

そのスリルと裕福層への仕返しが出来る喜び、覚えてしまったスリルの快感。

その快感を目覚めさせたのはトゥキーであり、トゥキーと出逢わなければ今もあのゴミ溜めで弱者として生きていただろうと思っていた。


そんな考えがふと戦闘中に頭に過った。

そういえばトゥキーは両手に違う魔法を発動出来ていた。

これは自分でも出来る事なのではないだろうか…とふと脳裏を過ったのだ。

今も前も片手で魔法を発動していた。

もう片手でも出せるのではないだろうか。

レイはバックステップで一旦後ろに下がり、剣を構えた。

レイもシーナも初級魔法は無詠唱で出せていた。

その為右手に意識を向けダークネスを発動するようイメージしてみる。

すると右手から黒い煙が剣に巻きつくように剣先に上って行く。

すると黒い煙と火が融合し黒い火を剣が纏った。

それと同時に自身の魔力が倍減る感覚を感じた。

初級とは言え二つの魔法を同時発動する事はその分魔力を消費するのは当然の事なのだ。


だがレイは嬉しかった。

自分にしか出来ない、トゥキーさえも出来ない事が出来たのだ。

レイはトゥキーを尊敬していた。

それは頭が回るだけの事ではなく、魔法の才能、付いて行きたくなる人柄。

こいつと兄弟になれた事が心底嬉しかった。

そのトゥキーでも出来ない事を自分が出来たのが嬉しかった。

レイは溢れ出る喜びを抑えられず笑みが毀れたままアンデッド部隊に再度視線を戻す。

そして衝撃の一発を放った。



---------------今------------------



黒炎斬ブラックファイアースラッシュ


その一撃の威力は凄まじく、アンデッド部隊に放った時50体は無傷でいたアンデッド達を切断し、傷口から黒い炎が上がり、身を焼いて行く。

その炎を払おうとしたアンデッドの手にも引火。

ウォーターで消そうとしたウィザードゾンビもいたが消えずに燃え上がる。

消せない炎。

それが黒炎である。


その炎を纏った剣でマグマデーモンの左足に向かって斜め一線に剣をふり下ろす。

まともに切られたマグマデーモンの左足が切断され、切り口からは黒炎が燃え広がって行く。


「ヴォォォォォ!!」


マグマデーモンが悲痛な声で叫び、左膝をつき、両手を地に付け倒れかけた身体を支える。

レイはまだまだと言わんばかりに左手の手首を黒炎を纏った剣で斜め一線に剣を振り下ろす。

すると手を切断された為左肘を地面に付け身体を支える。

デーモンの肘から上を落としてやろうとレイが更に攻撃をしかけようと一足飛びに飛翔するが、いい加減にしろと言わんばかりに切られた左腕でレイを振り払い吹き飛ばす。


が、黒炎を纏った剣でガードしている為剣に触れた部分も燃え始める。


「ヴォォォォォ!!」


熱いのかデーモンが悲痛な叫びを上げる。

レイの黒炎は俺も一度見た事があった。

アンデッド部隊100程の俺のアンデッド部隊にも引けを取らない数、それも統率がかなりされている大群を討伐したと聞いた後、レイが見せてくれたのだ。

正直な話しそのアンデッド部隊を仕向けたのは俺だ。

俺が魔袋作成中、あいつらのレベル上げの一環として仕向けたのだが秘密である。

それが思い掛け無い特訓成果が出た為、黒炎を見せられた時は驚いて見せたが思いがけぬ成長に俺は喜んだ。

何故ならそれが出来ると言う事は俺にも融合魔法が使えると言う事だからだ。

そして俺もより成長が出来た。

この魔法のケミストリーを見つけ出したレイには感謝すべきだろう。


苦痛に悶えるデーモンを目の前に今がチャンスと言わんばかりにシーナが前に出る。

高速で走り抜け、苦痛に悶えるデーモンの右足首をトーチとファイアーを纏った剣で建て一線に振り下ろす。


白炎斬ホワイトファイアースラッシュ


黒炎斬と白炎斬はレイとシーナが付けた名だ。

この国には日本のような言い回しの言葉もあり、割と複雑な言語となっている。

生前チャイナ系、日系、マジア系、ロシア系、世界中様々な組織と取引をする事があった為多少は各国の言葉を学んだ事もあった為、何と無くではなるが理解が出来た。

レイの一件があってからシーナも練習し融合魔法を使えるようになった。

正確に言うのであれば融合魔剣術ではあるが…。


そしてシーナが切りつけた右足は足首から切り落とされ、切り口には白い炎が燃えていた。


「グヴォォォォ!!」


更なる痛みにデーモンは悲痛な呻き声を上げる。

シーナはそれでも攻撃の手を休めない。

デーモンの膝上を切り、回転をしながら肘上を切り落とす。

デーモンは四肢を失って地面に倒れ込んだ。

最早首をこちらに向ける事しか出来ないデーモンは恨めしそうに悔しそうにこちらを見ていた。


「レイ、シーナ。楽にしてやれ」


俺がそう言うと顔をこちらに向け二人がコクッと首を縦に振って理解した事を示す。

そして二人がデーモンの首の左右に付け、剣を上に構えた時、デーモンが最後の悪足掻きに出た。

デーモンの体が所々より赤く光を増して行き、体が膨張し出す。


「な、なんだ!?」


「え!?」


すると次の瞬間、マグマデーモンは風船のように膨れ上がり爆発したのだ。


「ドーーーン!!」


周りにはマグマが散乱し、マグマデーモンの体を構成していた黒い岩のような物も散乱していた。

マグマデーモンがいた場所にはデーモンの姿はなく、辺り一面マグマで溢れていた。

レイとシーナの姿はない。

するとアレンが取り乱し二人の名前を叫ぶ。


「レイ兄ー!!シー姉ー!!」

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