22.ダンジョン⑫
ダンジョンに転移させられたトゥキー一行。
フロアボス、階層ボスを倒しダンジョンの先を進む一行。
下層に突入するとそこはマグマが煮え滾る灼熱地獄であった。
一行は今日もダンジョン攻略に向けて先に進む。
「ザーーーー!!」
石橋を渡っていると何かがマグマを巻き分け俺達の向かって来る音がした。
しっかりと魔物の気配を纏ったそれはマグマから背びれだけ出してこちらへ向かって来ていた。
そう、見た目からまんま鮫だ。
その鮫は俺達の近くまで来ると一度マグマに潜り姿を隠す。
「来るぞ」
と俺が言うと皆が身構える。
「ドーーーン!!」
と大きな音を立て、飛び出したそれは真っ赤な体をした鮫であった。
その鮫の魔物は盾役のクリンに噛み付こうとするがハンマーで止められる。
「レイ。捌いてくれ」
と俺がレイに言う。
「ったく。魚屋じゃねーんだよ」
と愚痴を言いながらすんなり鮫の魔物を下す。
正直に言うと久々の海鮮物を食べたかった。
それだけなのだ。
「美味しいのかな?」
とアレンが疑問を口にするが、既に食べようとしている事を読む辺り俺と言う人間をわかって来た気がする。
「仮にも鮫だからあまり期待出来ないけどな」
そういうと俺は袋から魚醤を取り出す。
実は俺達がいた町には魚醤があった。
何かと使う為買っておいたのだ。
俺達はその場で解体した鮫の魔物の白身部分に魚醤を掛けて一口食べる。
皆恐る恐る俺の顔を眺めている。
そして俺は一言皆に言った。
「早く食わないとなくなるぞ」
皆その言葉の意味を察したのか、恐る恐る鮫肉に荷物から出した匙を向ける。
魚醤が掛った部分を一挿しし、口に入れ咀嚼をする。
すると皆目の色が変わり夢中で鮫肉を食べ始めた。
正直言ってかなり上手い。
脂も乗っている上舌触りも良いのだ。
ただ少し生臭いか。
だが海鮮物があまりない国で育ったせいか、ハマってしまったようだ。
俺も前世はシーフードプラッタは好物だった為気持ちはわからんでもない。
俺が思うにマグマの中で生きてる魔物は魚介系が多い。
先程のシーホースもそうだが鮫がいると言う事はマグマの中は海鮮物の宝庫と言う可能性が非常に高い。
俺にもっと付与や生産の力があったらマグマにも溶けない網を作って投げ、根こそぎ捕獲するのにな…。
その能力がまだない事を歯痒く思うのだった。
その後も先に進むがマグマの海に石橋が掛かっているような所が全部で、陸らしい陸はなかった。
それからも海鮮系の魔物が多く出て来た。
ファイアーシュリンプ、レッドシェル、レッドシーライオン、どれも倒して食べたが全て美味かった。
出て来る魔物を倒す度に食していた為、最早満腹となっていた。
「なぁ、少し休まねぇか?」
とレイが発言する。
「ああ。ちょっとしんどくなって来たな」
とレイの発言に同意する。
「「「賛成」」」
と皆からも同意の意見が上がった為、石橋を渡る前に座り込み休憩を取った。
「にしても全部美味かったな。おかげで食い過ぎちまった」
とレイが言う。
「本当よ。きっと体重増えちゃってるもん」
とシーナが言う。
シーナの場合、細過ぎる為もう少し太っても問題ないと思うが女性は気にするのだろう。
「僕もお腹いっぱい」
と言い、アレンが地べたに寝そべり始める。
これは寝出すパターンだ。
アレンに便乗してスーカも目がトロンっとして来ている。
何だかんだ夜帯の時間となって来ている為、今日はここで野営になるだろう。
先に進んでフロアボスなどが出て来ても困る。
「よし!アレンとスーカも寝そうだし、今日はここで野営するか!」
「そうだね。その方が良さそう。私もお腹いっぱいで眠い」
とシーナが目を擦りながら同意する。
「寝る前に先に風呂入っちまおう!」
そう言い、魔袋からドラム缶のような風呂を出す。
ここはマグマエリアの為、ドラム缶に水を魔法で入れるだけでお湯となる。
それだけフロア内は暑いのだ。
それでもポカポカする位の感覚でいれるのはスキルのおかげだろう。
そして俺は簡易風呂を出し、魔法で水を並々ドラム缶へ満たす。
3分で既にお湯になっていた為順々に風呂に入って汗を流し、サンドの魔法で簡易テントを作り中に入って一夜を越した。
翌日いい匂いがして目が覚めた。
シーナが料理をしてるのがぼんやりと見えた。
寝ぼけ眼を擦りながら意識をはっきりさせる。
「おはよう、シーナ。今日の朝食は何?」
「あ、おはよう!トゥキー。今日は残りの鮫肉を使った鮫肉サンドだよ」
朝食にはぴったりだ。
「あ、じゃあ残りのファイアーシュリンプでスープを作ってくれ」
とシーナに要望する。
「オッケー!もうちょっと待っててね」
とシーナが答える。
丸で夫婦のような会話だなとふと思う。
そんな事を考えつつウォーターで水を生成し容器に入れ顔を洗い、口の中を洗浄して戻る。
そして皆起きて来た頃にシュリンプの出汁の効いた海老汁が出来上がった。
その海老汁も鮫サンドも実に美味かった。
朝食後少しダラダラして思い立ったかのように俺が立ち上がる。
「そろそろ先に進むか」
と皆に向けて発言する。
「だな。さきを急ごう」
とレイが同意すると皆立ち上がり準備をする。
準備が整うと俺達は今日もダンジョンを先へ進むのであった。
いつもご愛読ありがとうございます。
今回もあまりお話しは先に進めれませんでした。
すみません。
今後も面白く書いて行きたいと思っておりますので、応援してくださる方は評価、感想、ブクマをして頂けたら幸いです。




