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2.スキルと第二の人生

ペンではなく、指の進むままに書きました。

この物語はブラックヒーロー誕生伝として進めて行こうかと思っています。

正統派ヒーロー伝の「勇者に転生した俺の苦悩と葛藤」と並行して進めて行こうと思っていますので、KITの小説のブクマはお忘れなく。

目の前に差し出された水筒に俺は唾を飲んだ。

前のめりに倒れ込む俺を心配そうに眺める子供達が視界に入る。

そして水筒だ。

俺は死ぬほど喉が渇いている。

我慢出来ず差し出された水筒を受け取り、無我夢中で飲んだ。

ゴクッゴクッゴクッゴクッゴク…プハァ!!

「いやぁ…マジで助かったぜ」

そう言うと膝を付いていた俺の顔面に右足が飛んで来た。

その右足をモロに受けてしまったのだ。

「ッツ!何すんだ、ガキ!!」

俺は怒りを露わにして怒鳴った。

「ふざけるな!!全部飲みやがって!俺達の大切な飲水だぞ!!」

そう言うと男の子は空になった水筒を逆さまにして、俺に空になっている事をアピールした。

俺は忘れていた。

貧困とは飲み水すら貴重品であり、少しずつ飲まなければいけない物だ。

大金を稼ぐようになってから、そんな事は考えなくなった。

平気で飲水は捨てるようになったし、物を大切にしなければいけない事、ましてや食べ物を残してはいけないなんて感情は当の昔に忘れ去っていた。

それを理解した俺は素直に謝った。

「すまん。限界が近かったんだ」

「ッチ!」

と舌打ちをガキがすると周りの子供達も俺を睨んでいた。

これでは俺の気が晴れない。

足を後ろに返そうとしたガキに俺は言った。

「全部飲んじまったからな。全部返すよ」

そうガキに言った。

「は?お前飲水すら持ってないだろ!」

そう言われた俺はニヤリと片方の口角を上げて言った。

「ここに来る前に町は色々見て来たが、チョロい。チョロ過ぎる位にな」

「は?」

「わからないか?俺達でなら楽勝に盗れるんだよ」

「何が?果物か?」

「ハハッ!それも盗れる。食い物も盗れる。宝石も盗れる。何でも取り放題だ」

そう言うと周りの子供達も俺を変な奴を見るように傍観していた。

だから俺はこいつ等に、わかるように説明をした。

何故ならこいつ等は俺の子供の頃にそっくりだったからだ。

見るからに食べてない体。

ボロボロな服。

髪の毛も伸びっぱなしだし、良く見ると辛うじて見える、飛び跳ねるシラミ。

俺ですらここまで落ちた事はないが、そんな形をした兄弟もいた事を思い出した。

「腹減ってるだろ?俺もだ。だからここは手を組まないか?」

俺はニヤリといやらしい笑みを浮かべて、ガキ共に問うた。

「食い物…食えるのか?」

こいつがリーダー格なのだろう。

ゴクリと喉を鳴らし俺に質問をした。

「ああ。勿論だ」

「何をするんだ?」

「簡単さ。くれないんなら盗めばいい」

「それは犯罪だぞ!!」

「お前バカか?俺達が恵んでくれと言って、あいつ等は恵んでくれたのか?勿論いい奴も中にはいただろ。だがそんな奴ばかりじゃなかったはずだ。いや、殆どの奴が汚い物を見るように見下し、嫌い、蹴飛ばしたはずだ。そんな奴等から奪って何が悪い?強請るな!勝ち取るんだ!そして俺達は満たされる」

そう言うとガキ達の目がキラキラと光りだしたように感じた。


「ユニークスキル:魅了のスキルを発動しました」

は?頭の中で機械的な声が鳴った。

これは俺が死ぬ前に聞いた声だ。

何だスキルって…そういや、ずっと何か言ってたな。

砂漠で歩いていると頭の中に声が響いた。

「シンプルスキル:熱耐性を獲得しました」

「シンプルスキル:熱耐性+1を獲得しました」

「シンプルスキル:熱耐性+2を獲得しました」

「シンプルスキル:熱耐性+3を獲得しました」

「シンプルスキル:枯渇耐性を獲得しました」

「シンプルスキル:枯渇耐性+2を獲得しました」

「シンプルスキル:枯渇耐性+3を獲得しました」

「シンプルスキル:高速+2を獲得しました」

「シンプルスキル;高速+3を取得しました」

「レベルが2に上がりました」

「ファインスキル:耐久性を獲得しました」

「ファインスキル:耐久性が+2になりました」

「ファインスキル;耐久性が+3になりました」

町に着くと

「ファインスキル:耐久性が+4になりました」

「ファインスキル:耐久性が+5になりました。よって耐久性はクールスキル:耐久力に進化しました」

大人に縋り蹴られた時

「シンプルスキル:強固+2を獲得しました」

何度も蹴られスキルが上がったと機械的な声は告げた。

「シンプルスキル:強固+5になりました。よってファインスキル:頑丈に進化しました」

俺も極限状態だった為、空耳だと無視していた。

だが水を飲み、回復した後も機械的な声はずっと鳴っていた。

「シンプルスキル;毒耐性を獲得しました」

きっとこいつ等が持っていた水に毒素が混じっていたのだろう。

解毒耐性を獲得したようだ。

そして、このリーダー格のガキに蹴られた時強固が進化した。

「シンプルスキル:強固+5になりました。よってファインスキル:頑丈+1に統合されました」

「レベルが3へアップしました」

これは空耳ではない。

意識がはっきりしても鳴り止まない機械的な声。

これは何だ…俺が思い出すのは日本のRPGゲームだ。

この世界はまるでRPGゲームのようにレベルやスキルがあるようだ。

それを理解した俺はフッと片方の口角を俯きながら上げた。

面白いと思ったからだ。

何故ならRPGゲームは俺が一番得意としたゲームのジャンルだからだ。

第二の人生を楽しんでやろうじゃないか。

こんなに面白い世界があるなんてな…そう思うとワクワクが止まらない俺がそこにはいた。

おさらいです。

LV.3

シンプルスキル:熱耐性+3

シンプルスキル:枯渇耐性+3

シンプルスキル;高速+3

シンプルスキル;毒耐性

ファインスキル:頑丈+1

クールスキル:耐久力

ユニークスキル:リーダー

ユニークスキル:魅了

スペシャルスキル:統率者


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