表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/113

106.新聖刀神レイズ・ワシントン

更新お待たせ致しました。

今回もレイのお話しです。

レイ格好いいですよね。

作者もこいつ大好きです。

今回も楽しんで読んで頂けると幸いです。

レイは一足飛びにゲイシーに向かって行った。

ゲイシーとの距離が間合いに入る前に剣にはダークネスを纏っていた。

そしてゲイシーへ技を繰り出した。


「聖刀流奥義 閃光斬せんこうざん


聖刀流奥義 閃光斬とは一瞬の抜刀術。

聖刀流唯一の一撃必殺の技である。

その一撃をふっ飛ばされながらもゲイシーは受け切った。


「うむ。いい一撃だ。聖刀神ってのも案外嘘ではないらしい。だがそれは光魔法ありきの技であろう。お前のそれは…強いて言うなら瞬闇斬しゅんあんざんとでも言うべきものではないか?」


「聖刀流ってのは元々光属性魔法特化の流派だ。だが現状光魔法使いは少ない。その為聖刀流の門下生は殆どが違う属性の者が多い。いちいち技名変えてたら切りないから閃光斬は闇魔法でも閃光斬なんだよ!」


「…まぁそうなるか。お前は既に神なんだろ?じゃあルールはお前で作ればいいじゃねーか」


「技名なんて何だっていいんだよ!お前さえ倒せればな!」


そう言うとレイは再度ゲイシーに向かって行った。


「仕方ねぇな」


そう言うとゲイシーは鞘に収めたまま水を纏った剣を構えた。


「殺刀流奥義 瞬抜しゅんばつ


飛び込んで来るレイに強烈な一撃を浴びせた。

が、レイはその一撃を流れるような動きで間一髪受け流した。

聖刀流とは攻撃を受け流し、流れるような動きで相手を翻弄する剣術。

一方殺刀流とは一撃必殺の殺人剣。

その一撃が交わされてしまうと隙が生じる。

レイはその一瞬を見逃さなかった。

ゲイシーの一撃を受け流したレイはゲイシーの背後を取った。

そして闇を纏った剣をゲイシーの背中へ斜め一線に振り下した。


「俺流奥義 黒落雷こくらくらい


だがゲイシーは背中に目があるかのようにその一撃を鞘に収めたままの剣で受け止めた。

黒落雷は二段階攻撃のレイが考えた技である。

先ずは黒稲妻を纏った剣の強烈な一撃、その後に天から落ちる黒稲妻により絶命する。

食らってしまったら一間の終わりと言っていい程の技である。

だがゲイシーはその一撃を防御し、天から落ちる黒稲妻も高速移動で避けてしまった。

レイはまさかと驚いた表情をしたがそんな隙も与えずゲイシーは風を纏った剣で攻撃を仕掛けた。


「殺刀流奥義 這斬はいぎり


這斬とは地を這うように斬撃が飛ぶ攻撃。

対象に当たった瞬間圧縮され放たれたウィンドカッターのような斬撃が炸裂する。

レイはダークネスを纏った剣でガードをした。

ゲイシーとレイとの距離は50m超ある。

高速移動出来るレイでも避け切れない位速い斬撃なのだ。

ガードはしたが這斬の威力でレイは数m飛ばされる。

防ぎきったと思った瞬間真横からゲイシーの声が聞こえた。


「殺刀流奥義 炎龍昇えんりゅうしょう


炎龍昇とは炎の爆発とファイアーブレイドのような火斬を併せた下から上へ突き上げるような斬撃である。

殺刀流は抜刀術が多い。

基本は剣を鞘に収めたまま戦い、ここぞと言う時に強烈な斬撃を放つと言う戦い方だ。

それに比べ聖刀流は攻撃を交わし隙を突くのが基本。

ミカールを倒したと言えどレイの剣技はミカールには劣る。

ミカールとレイの差は魔力。

この一点のみであり、魔力の尽きた者の剣に魔剣を当たれば剣諸共相手を切れるのだ。

ただそれだけの差。

他はレイはミカールに劣る。

その為ゲイシーの剣技をレイは受け流す事が出来ずガードせざるを得ない状況となっているのだ。

メタトロンとの対決から数日が経過した。

レイはヘストニアへ着くまでに少しだけ強くなっていた。

だがそれでもまだゲイシーの剣を受け流す程の技術は得られていない。

そして段々とレイは体力、気力、魔力、力と言う力を削られていった。

だがレイもやられっ放しと言う訳ではなく、何太刀かいいのを浴びせた。

だが致命打にはならずレイは致命だになるような攻撃を何太刀も浴びていた。

魔力も底を尽きかけてフラフラの状態で立っていた。

既に外は暗闇に包まれていた。

そんなレイにゲイシーは話しかける。


「流石聖刀神と言った所か。だが私にはまだ敵わんらしいな」


「…うっせー…これからだ」


「もうただでさえ多い魔力も底を尽きかけているじゃないか。負けを認めろ」


「ぜって―…嫌だね。俺はメタトロンにこの前負けた。もう負けらんねーんだ」


「アレはバケモノだ。それにアレを倒すのは俺と決まっている」


「はは!相手にされなかったおっさんが良く言うぜ」


「お前…今のは流石にムカついたぞ」


「来い!俺がぶっ倒してやる」


「小僧が調子に乗るなよ!」


そう良い、鞘に収めたままの剣の柄を握り構えたゲイシーは次のレイの行動に驚いた。


「逆境発動」


そうレイが言うと先程まで柄杓一杯程度だった魔力がグングン戻って行く。

ゲイシーも魔力が多い人間である。

フルゲージ状態であればレイと遜色ないレベルだ。

これまでの闘いでゲイシーも魔力を大分消費している。

残量はフルゲージの1/3以下と言った状態。

だが逆境を発動させたレイはフルゲージの半分程まで魔力が戻った。

それを感じ取ったゲイシーは目を真ん丸くして言った。


「嘘だろ、おい!こいつもバケモンか!」


魔力を回復したレイはゲイシーの残り魔力を上回った。

それによりゲイシーはこれからの戦い、魔力を計算しながら戦わなくては行けなくなった。

それに比べレイは魔力に余裕を持って戦えるのだ。

こういった場合にかかるゲイシーへのプレッシャーは半端無い物があり、ここで負けてしまった場合殺刀神の名前もレイに持って行かれるのだ。

ゲイシーは称号などどうでも良いと思っている。

だがこの称号は門下生へ継がせたいと言う気持ちがあった。

それはこの称号を欲しくて毎日稽古を頑張っている門下生がいる事を知っているからだ。

可愛い門下生にせめてこの称号だけでも残してやりたい。

至らない師匠だと言う事はわかっている。

己が強くなる為に…メタトロンに仮を返す為に修行を続けて来た。

自身の事に精一杯で弟子達を苗が白にして来た。

それでも付いて来てくれる門下生にこの称号だけは譲ってやりたかった。

この時初めてゲイシーは弟子達の為に戦った。

初めて感じる荷物の重みを感じて。


回復した魔力を惜しむ事なくレイはゲイシーに向かって行った。

魔力を制御しつつ闘うゲイシーは押される事もあったが上手に魔力を使いレイの攻撃を受け流した。

そしてゲイシーが堪えた結果、レイの魔力が尽き決着が着いた。

勝者は殺刀神ジョセフ・ゲイシーであった。

倒れるレイを見下ろしながらゲイシーはこの若者の強さを知った。

剣技はまだまだだが魔力残り1からの半分までの回復。

それはチートスキルの何者でもなかった。

レイは一般男性の倍以上魔力を有している。

そのレイが更にハーフゲージ程回復するなど誰も想像しない。

スペシャルスキル:逆境。

こんなスキルが存在する事をゲイシーはこの時初めて知ったのである。


勝負は着いたが殺してはいない。

ゲイシーは闘ってみてメタトロンの言った事が理解出来た。

面白いなんて者ではない。

この少年はスペシャルスキル:逆境だけが力ではなく、戦いの中殺刀流のような動きをして見せた。

恐らく戦いの中で俺の動きを見て真似ているのだろう。

既に殺刀流の型らしくなって来ている。

それに時々見せたメタトロンのような独特な動きも闘いの中にあった。

メタトロンは聖刀、殺刀、穢刀の三つの流派に加え、自身で編み出した技がある。

その独特な太刀筋は長年仮を返す為に鍛錬して来た俺ならわかる。

一度メタトロンと対峙しただけで既に穢刀の動きさえも微弱ながら感じ取れる。

特にダークネスを主体に使って来る事自体穢刀らしい感じだ。

だが一度の闘いでそこまで学ぶ奴はそうはいない。

こいつはまさに天才と言わざるを得ない。

こいつが殺刀流を会得したらどこまで強くなるのか、メタトロンにどこまで迫れるか俺は楽しみになってしまった。

俺はこいつがどこまで行くのか見たくなったのだ。

そしてこの戦いには使おうとしなかったリミテーションスキル。

これを使われたら俺は負けていたかも知れない。

いや、負けていたと思う。

これが新聖刀神レイズ・ワシントンか。

恐れ入ったぜ。

俺はこいつをこのまま外に放り出しておく事が出来なかった。

自分でも気付かぬ内に屋敷へ運び療養させるよう弟子達に言っていた。


そして翌日レイは目覚めた。

見上げると天井には日本風家屋に良くある木造りの天井があった。

レイは昨夜の事を思い出しバッと飛び起きた。


「俺負けたのか…」


思い出した途端、凄い敗北感が胸いっぱいに広がった。

悔しさと自分の未熟さ、二度目の敗北。

もっともっと強くならなければと言う強い思いと兄弟達の顔が頭に浮かんだ。

すると襖を開ける、スーっと言う音がした。

レイは音の鳴る方へ顔を向けた。

すると驚いたような顔をした、最初殺刀流道場を訪ねた時に出て来た女の子がそこに立っていた。


「あら!もう目が覚めたの!?」


「悪い。迷惑かけた」


「ちゃんと謝れるのね」


「…」


「まぁいいわ。今は昼前よ。起きたんなら朝ご飯食べな」


女の子は部屋に入り、障子を明けると眩しい日差しが部屋に入って来た。

レイは目を細めながら答えた。


「いや、そこまでは…」


「師匠がそうしろって」


「ゲイシーが?」


「ちょっと!呼び捨ては辞めな!せめてゲイシーさん」


「あ、ああ…」


「ご飯持って来る。ちょっと待ってて」


レイは外の光に目が慣れ、ボーっと外を見ていた。

数分後女の子が朝食のような昼食を持って来た。

メニューは白米、味噌汁、焼き魚、たくわんといったメニューであった。

レイはここへ来る前、このような食事を出す定食屋と出会っていた。

そこで箸の使い方を知ったのだ。

まだぎこちないが箸を使って昼食を終えた。

昼食を終えたレイの所に稽古を終えたゲイシーが訪れた。


「おう!元気そうだな!」


「昨日はすまなかった。手当してもらって昼食までご馳走になって申し訳ない。金でしかお礼が出来ないが…」


「はっはっは!いや、俺も久々に本気になれて楽しかった!気にするな!」


「いや、だが…」


「それよりおめぇ、うちで修業しねぇか?」


「いいのか?」


「お!意外と乗り気か?」


「正直俺の剣術はまだまだだ。剣術だけで言ったらミカール師匠にも勝てねぇ。殺刀流も学べたら魔剣神へまた一歩近づける気がするんだ!」


「ほう!魔剣神になりてぇか!」


「ああ!約束したからな!俺は魔剣神になる!メタトロンにはまだまだ届かねぇ…あいつは全ての流派を学んでいると聞いた。俺も全ての流派を学んであいつに勝ち、魔剣神になりてぇ!」


後にゲイシーから語られた事だが、この時のレイの目を見て自分の肩の荷が下りたのだと言う。

自身の夢を託せる者が現れたと気が付いたのがこの時だったそうだ。

それからレイはゲイシーの元で殺刀流を学ぶ事となったのだが、その後のお話しはまた今度。

次回はダンジョン組のお話しに戻ります。


ポイントを入れて作者を応援しましょう。

評価するにはログインして下さい。

感想を書く場合はログインして下さい。

ブックマークをするにはログインして下さい。


↓同作者同時更新中の作品はこちら↓



https://ncode.syosetu.com/n7908ge/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ