終わりと始まり
「おねぇちゃ~ん、あのね、あのね、今日ねテストで、百点取ったよ!!」
「おめでとう‼結すごいじゃん、じゃあご褒美にお姉ちゃん特製の飴ちゃんをあげちゃうよ」
「やった‼あ~」
結が口を開けて催促するので、お皿を洗う手を止めて、口の中に飴をひとつ放り込む。
「ん!はっはひ、ほへぇはんおへひゃんおいひいへ」
う~ん多分、やっぱりお姉ちゃんのあめちゃんおいしいねって言ってるのかな?
「そう?ありがとう、 食べ終わったら、ちゃんと歯磨いてお風呂入って寝るのよ」
「は~い」
「しぃ姉、後やっとくから少しは休みなよ、明日もバイトなんでしょ」
「うん、ありがとう賢斗」
「ん」
私は、小林 紫苑である。
七人家族の長女で一応高校二年生、一部の電波な所を除いて、ごく普通の女の子だ。
電波の所というのが、前世の記憶っぽい物がある事…。
本当、どこの厨二病患者だっての…。
前世の記憶の内容は、邪神って呼ばれてる女神で記憶の最後では封印されているって言う、厨二病以外の何でもない…。
両親は、交通事故で亡くなっているから、高校生になったばっかりの弟と共にバイトをしている。
「賢斗、本当にごめん先に寝るね」
「うん、分かったから、風邪っぽいんだろ、休んでなって」
「お早う…、えっと今日は結達の授業参観だったなぁ、それにご飯作らなきゃ…っ!」
頭痛い…、ううん大丈夫、まだ我慢できる。
「他のスケジュールは…、えっと3時半までにご飯とお弁当を作ってコンビニのバイトに行って、6時に一旦、帰ってきて、あの子たちにご飯食べさせて、優斗を幼稚園に送って行って…、それから、バイトに戻って…1時に小学校に行って授業参観…、終わったら保護者会に出て…、 その後優斗を迎えに行っておしまいかなぁ」
「ん?ここって、天界?なんで…」
「なんでも何も、あんな無茶をしていて平気なわけ無いでしょう、あなた、眠ったまま死んじゃったのよ」
「えっ、妹と弟たちは、どうなるんです!?エルディーテ様」
「まぁまぁ、落ち着いて私の友達であるレーネシアの家族よ、アフターケアはしっかりしとくわ」
「なら、良かった、いや良くないけど、まぁいい事にするよ、で、なんの御用ですか?」
「いやぁ、貴方に帰ってきて欲しいの、裁きの女神レーネシアとして」
「何か、起きたのですか?」
「う〜ん、そんなわけではないけど…、私あなたに私の世界にいて欲しいの、前は私に仕えてもらって、あんまり好きにさせてあげれなかったから…、あなたといてとっても楽しかったの、 だからあなたが封印されたから、他の世界に飛ばすたのだけど…。死んでしまって、 本当は生き返らせてあげたかったけどそれはできないの…、結構頑張って封印をいじっていたけど、そろそろ解けるから、前の体に戻って生活してもらいたいの、身勝手かもしれないけどいいかしら?!」
「ありがとうございます、 あなたは世界…ケルドルテに戻ります。あの子達をお願いしますね」
「分かったわ、じゃあ送るわね」
「うん、行ってきます…」